2015年、トップランク、集会等の報告

2015年11月28日

「食とみどり、水を守る全国集会」 金沢に700人集まる

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平和フォーラムや農民・消費者団体による実行委員会主催の「第47回食とみどり、水を守る全国集会」が、11月27日、28日に金沢市「地場産業振興センター」で開催され、地元の石川県や北陸各県をはじめ、全都道府県から700人以上が参加しました。(写真上)
第1日目は全体集会が開かれ、主催者あいさつで石原富雄・集会実行委員長は、安倍政権によるこの間の戦争法案や原発再稼働、沖縄・辺野古新基地建設などを批判し、特に10月に大筋合意が発表された環太平洋経済連携協定(TPP)交渉について、「秘密裡の交渉は、日本の農業や食、さらに国土・環境にも打撃を与えるものだ。その内容を明らかにさせて、国会決議違反であるならば撤退をすべきだ」と強調しました。
続いて、石川県実行委員会の狩山久弥・実行委員長や、連帯あいさつに立った船塚俊克・連合石川副会長も、安倍政権の姿勢をただし、食とみどり、水を守る県内の取り組みなどを紹介しました。さらに、来賓あいさつとして、石川県知事、金沢市長(ともに代理)からも歓迎あいさつがありました。
情勢と運動の提起を勝島一博・実行委員会事務局長が行い、TPPや食の安全、農林業政策、森林や水を中心とした環境問題について、この間の動きや今後の運動課題を提起し、集会での討論を呼びかけました。

引き続いて、全体シンポジュウムが開かれ、「ローカルに未来あり─真の地域再生をめざして」をテーマに、安倍政権の「地方創生」政策に対し、真の地域の再生とは何かについて、全国の取り組みに詳しいジャーナリストの大江正章さんをコーディネーターに、北陸4県から特色のある報告がされました。(写真下)
神戸市から福井県池田町に20年前に移住した長尾伸二さんは、池田町が進める有機農業を中心とした「環境・ゆうきげんき正直農業」の実践などを報告。石川県珠洲市で製炭工場を営む大野長一郎さんは、炭作りの意義や里山を守る地域の取り組みを紹介しました。
一方、富山県南砺市にあるJA福光の齋田一除会長理事は、JA福光が進める「1町1農場」構想に向け「地域営農」における農協組織の重要性を強調。さらに新潟県長岡市の稲垣文彦さん(中越防災安全推進機構・メモリアルセンター長)は11年前の中越大震災を機に、中山間地域で地域おこしの動きが高まっている事例を紹介し、「地域再生はトップダウンではなく、ボトムアップが大切だ」と訴えました。
シンポジウムに続いて、特別報告として「TPP交渉の経過と今後の課題」について、「TPP交渉差止・違憲訴訟の会」事務局の原子秀夫さんが、TPPの問題点や各国の動きなどを説明し、「まだ協定は発効したわけではない。これからの運動が大切だ」と呼びかけました。これを受けて「TPP交渉の情報公開と撤退を求める特別決議」が、全日農の本田克巳さんから提案され、採択されました。最後に集会のまとめを勝島事務局長が行い、全体集会を終えました。

その後、会場を移して全体交流会を行い、民主党の田島一成衆議院議員や社民党の吉田忠智党首なども駆けつけ、参加者全員で懇親を深めました。

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第2日目は分科会が開かれ、加賀野菜の魅力や、石川県の再生エネルギーの取り組みを学ぶ「入門講座」分科会、「食の安心・安全・安定」をめぐる分科会では、食の安全行政や学校給食、有機農業などのに関する各地の動きが討議されました。(写真左)
「食料・農業・農村」に関する分科会では、TPP交渉の他、安倍政権の農業政策の問題点や、新潟市で展開されている「農業特区」の動きも報告されました。また、森林・水を中心とした環境問題をめぐっては、森林と水との関係性、水の健全な循環に向けた取り組みや政策課題が提起されました。
さらに、戦後70年の特別企画として、山形県上山市の農民詩人の木村迪夫さんの生涯を通して、戦後の農村の変遷を描いたドキュメンタリー映画「無音の叫び声」も上映されました。
また、フィールドワークとして、石川県と富山県の集会実行委員会が企画した、富山県南砺市のJA福光米穀施設視察や世界遺産の五箇山を見学するコースと、石川県輪島市・珠洲市で千枚田や塩作り体験、地産地消弁当を賞味するコースの2つが実施されました。冬の日本海特有の厳しい気象条件にも関わらず、地域資源や文化を生かした取り組みを学びました。また、地元の高校の農業科で学ぶ生徒達が作った野菜や加工品の販売コーナーも設けられ、新鮮な加賀野菜などが人気で、たちまち完売しました。(写真右)
各分科会の詳細はこちら

なお、シンポジウムや分科会での講演・報告についての記録集が2月に発行される予定です。

 

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