2015年、沖縄コーナー、集会等の報告
2015年06月05日
止めよう!辺野古新基地建設!翁長県知事の承認取り消し・撤回を考える集会
安倍政権が強行する沖縄・辺野古新基地建設に対し、翁長雄志県知事は「あらゆる手段を行使して、新基地建設を止める」として、自治体の権限を使って埋め立て工事を止めることを明言しています。この重大な局面を前に、知事などの行政行為の意味などについて地方自治の観点から学習する集会が6月5日、全水道会館で開かれ、市民や労働組合代表など140人が参加しました。
主催者を代表し、平和フォーラムの藤本泰成事務局長は「沖縄の基地は銃剣とブルドーザーで奪われたものだ。それを返すのが国際法の決まりだ。その代替施設をなぜ沖縄県民に押しつけられるのか」と、沖縄の民意を支持してともに闘うことを表明しました。
最初に「辺野古新基地建設をめぐる現在の状況と課題」について、現地のヘリ基地反対協議会の抗議船船長として活動する、北上田毅さんが、「埋め立て阻止に向けた10の知事権限」と題し、解説をしました。
北上田さんは「県知事が権限を持って指示する限り、本体工事は絶対に不可能だ」と明言し、知事権限として考えられる点として、次の10点をあげました。
第1、「埋め立て承認」そのものの取り消し・撤回。7月上旬にも第3者委員会が承認取り消しを提言すれば、承認を取り消す。
第2、許可区域外への大型コンクリートブロック投下を問題として「岩礁破砕許可」を取り消す。
第3、「仮設岸壁」造成は事前に設計概要変更申請を提出させる。
第4、ボーリング調査後、大浦湾に張り巡らせたフロート、オイルフェンスの撤去を指示する。
第5、仲井真弘多前知事が任期切れ直前に承認した「工事用仮設道路」の設計概要変更承認を取り消す。
第6、「美謝川の切り替え」、「土砂運搬方法の変更」の設計概要変更の再申請の不承認。
第7、工事の実施設計についての県との協議。
第8、実施設計に基づく環境保全対策についての県との協議。
第9、埋め立て承認書の添付図書のうち、「埋め立てにお用いる土砂等の採取場所及び採取量」「埋め立て地の用途、利用計画」「環境保全に関する措置」を変更する場合は知事の承認が必要。
第10、制定予定の県外からの土砂の搬入を制限する「土砂条例」にともなう知事権限の行使。
次に「辺野古沖埋立等工事事件の法的問題」として、地方自治研究者の立場から、専修大学教授の白藤博行さんが講演しました。その中で県知事が埋立承認を撤回または取り消しを行った場合、予想される国の対応として、「工事は中断するが、同時に、地方自治法上の行政的関与がなされるだろう」として、具体的に次のような事態が想定できるとしました。
第1に、沖縄県の法定受託事務の処理が違法として是正の指示→国地方係争処理委員会への沖縄県の審査の申し出→結果次第で、沖縄県が訴訟を起こす。
第2に、沖縄県の法定受託事務が違法として是正の指示→代執行訴訟。
第3に、沖縄県の法定受託事務が違法として是正の指示→審査の申し出をしない沖縄県の不作為→沖縄県の不作為に対する国の訴訟。
白藤教授は最後に「目的達成のために手段を選ばないという非常識な政府の対応は、国家としてあるまじき法的対応ではない。選挙で選ばれた知事が、県民のために行動することが平和につながっている。これに対し、全国からの支持が大切だ」と訴えました。
集会は最後に、「沖縄とともに、新基地建設を許さない闘いを作り上げていこう」(沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック・木村辰彦事務局長)と全体で確認しました。