2012年、集会等の報告
2012年03月13日
報告 TPP交渉参加に反対する生産者・消費者行動 3月13日
平和フォーラムも協力し、全日農や北海道農民連盟で作る「全国農民組織連絡会議」は、3月13日、参議院議員会館で、「TPP交渉参加に反対し、食料・農業・農村を守る生産者・消費者行動」の集会と政府交渉を行いました。全国の農民や消費者団体、労働組合などから100人が参加しました。(写真左)
環太平洋連携協定(TPP)をめぐって、昨年11月に野田首相がTPP交渉参加に向けて各国との事前協議に入ることを表明し、今年1月からTPP交渉に参加している9ヶ国との協議が進められています。特にアメリカからは、全ての農産物の関税撤廃やBSEによる牛肉の輸入制限の解除などが求められています。4月末には野田首相が訪米し、オバマ大統領との日米首脳会談が予定されていることから、交渉参加を阻止できるかどうかの山場を迎えようとしています。
賛同団体としてあいさつに立った、平和フォーラムの藤岡一昭副事務局長は「TPPは農業だけでなく、様々な分野に影響を与えるものだ。また、日米の同盟体制を強化しようという目論見も隠されている」と、その問題点を指摘しました。また、全日農の斎藤孝一会長も「TPPは多国籍企業が勝手に金儲けをしようとするためのものだ。韓国では先に締結した米韓FTAを変えようと運動している。我々も運動で交渉入りをやめさせよう」と呼び掛けました。
さらに、アメリカでTPP反対の市民運動をしている団体「パブリック・シチズン」のローリー・ワラックさん(貿易問題専門家)も特別参加し、「TPPは企業の利潤のために、国の法制度さえ変えてしまうものだ。その影響は農業・食料問題だけでなく、医療、保険などあらゆる分野に及ぶ」と、危険性を指摘しました。
民主党の佐々木隆弘衆議院議員(党経済連携プロジェクトチーム事務局次長)、社民党の吉泉秀男衆議院議員(党農林水産部会長)も、TPPの問題点を指摘、政府に情報の開示を求めて国会内でも運動することを表明しました。
集会後に政府要請行動を行い、外務省では片上慶一経済局大使(経済外交担当)に対し、農民・市民との意見交換を行うよう求めました。また、集会会場では、農林水産省の山下正行大臣官房総括審議官(国際担当)が情勢を報告。アメリカ以外の各国からは日本の交渉参加を支持する意見が多いが、重要品目の除外については否定的な意見が多く出されている。一方、アメリカからは、国内の産業界の声として、農業以外に自動車や保険、郵政などの規制緩和が求められていることを報告しました。
参加者からは「もっと経過を明らかにして、国民の声を聞く機会を持つべきだ」「消費者として、これ以上、農業を潰さないでほしい」などの声が上がり、山下審議官は「最大限の情報を提供し、国民が判断できるようにしたい」と述べました。
外務省・農林水産省への要請書はこちら
一方、同日夜には、総評会館で「緊急市民国際シンポ やっぱりTPPでは生きられない!日本でも世界でも」が開かれ、市民など200人が参加。鈴木宣弘さん(東京大学教授)、ローリー・ワラックさん(米・パブリック・シチズン国際貿易監視部担当)、ピーター・メーバードックさん(米・パブリック・シチズン医薬品担当)、ラッセル・ノーマンさん(ニュージーランド・緑の党国会議員)、朱帝俊さん(韓国進歩連帯・韓米FTA阻止汎国民運動本部政策部委員長)が、TPPの問題点や各国での活動について意見交換をしました。(写真右)