2011年、集会等の報告
2011年11月01日
11月1日に「拙速なTPP交渉参加に反対する行動」─集会や国会前座り込み
アメリカが主導して進められている環太平洋連携協定(TPP)交渉への日本の参加をめぐり、11月12日~13日にハワイで開催されるアジア太平洋経済協力会議(APEC)に向け、政府は参加に向けたとりまとめを行おうとしています。しかし、この間、TPP交渉の内容についてはほとんど明らかにされず、国民的論議も全く行われてきませんでした。
11月1日に平和フォーラムは、全日農や北海道農民連盟などで作る全国農民組織連絡会議や消費者団体とともに、「食料・農業・農村を守り、拙速なTPP交渉参加に反対する生産者・消費者行動」に取り組み、約120人が参加しました。午前中は国会前で座り込みを行い、シュプレヒコールなどで国会議員等に訴えました。(写真左)。
午後は参議院議員会館内で集会を開催し、各団体の代表が決意表明を行いました。農民団体からは「TPPはアメリカ主導で、アメリカの利益を追求するものだ。また、貿易自由化は大企業の利益しか生まない」(全日農・斉藤孝一会長)、「TPPで北海道農業は壊滅する。全道でキャラバンや集会を開いて反対してきた」(北海道農民連盟・山田富士雄委員長)などと訴えました。
賛同・協力団体として、平和フォーラムから藤岡一昭副事務局長が立ち「市場経済優先の自民党政治からの転換を国民が求めて政権交代したはずだ。しかし、国民的議論もなくTPPに拙速に参加するのは、この原則を忘れてものだ。日米同盟を進める狙いもあり、アジアでの安全保障問題と絡めて考えたい」と強調しました。(写真右)。このほか、フード連合の森下富士男組織局長、日本消費者連盟の富山洋子さんもTPPに反対する意見表明をしました。
また、国会情勢報告として、元農林水産大臣で「TPPを慎重に考える会」会長の山田正彦衆議院議員や、社民党の吉泉秀男農林水産部会長も駆けつけ、来週にも野田首相がTPP参加表明を行うのではないかという厳しい状況を報告しました。さらに、「TPPと日本農業・日本経済」と題して、東洋大学名誉教授の服部信司さんが、「内閣府の試算ではTPPに参加した場合、10年間合わせてもわずか0.54%の経済成長しかない。それと引き替えに、農業や環境を潰していいのか」と、メリットが全くないことを説明しました。
集会後、参加者全員で日本経団連本部前に移動し、アピール行動を行うとともに、経団連の国際経済本部長と話し合いを行いました。しかし、「日本が成長を続けるためには、早くTPP交渉に参加すべき」とする経団連の主張と平行線をたどりました。参加者は、今後も各地域で運動を展開することを確認して1日の行動を終了しました。