2011年、集会等の報告

2011年10月31日

10.31「TPPでは生きられない」市民集会に450人が参加 金子勝教授ら訴え

 

 

DSC00127.JPGDSC00122.JPG

平和フォーラムと協力して、TPP(環太平洋経済連携協定)の問題点を追求している、農民・市民による連絡組織「TPPに反対する人々の運動」は、10月31日の夜、都内で「やっぱりTPPでは生きられない─震災復興に乗じたTPPにNO!」を開催しました。会場一杯の450人が参加し、さまざまな側面からの問題提起を受け、討論しました。
基調講演を金子勝さん(慶應義塾大学経済学部教授・写真左)が行い、「野田首相は交渉参加をめざしているが、情報を隠したままのクーデターと同じだ。日本は外交能力もなく、アメリカの言いなりになるのは明らかだ。農業の問題だというのは全くの嘘で、医療や金融など暮らしに直結する問題が多い」と問題点を明らかにしました。その上で「私たちは今後、新たな地域分散型のネットワークを作り、食やエネルギーが自給できる新しい社会のあり方を提示していく必要がある」と訴えました。
意見提起では、非正規雇用・女性労働などに取り組む全国ユニオン労組の鴨桃代会長が「大震災によって、以前からひどかった非正規労働者の雇用がますます悪くなっている。TPPへの参加で、これらがさらに悪化する恐れがある」と述べました。TPPによる医療制度の崩壊を訴える佐久総合病院の色平哲郎さんは「世界に誇るべき日本の皆保険制度が、TPP参加で崩れてしまう。TPPは憲法よりも優先する恐ろしい協定だ」と強調しました。農民作家でTPPのもたらす問題を取り上げてきた佐賀の山下惣一さんは「TPPに関する様々な本が出版されているが、参加で暮らしが良くなるという本は1冊もない。農民の米価は大幅に下がり、やる者はいなくなるだろう。その時困るのは農民ではなく、都会の消費者だ」と訴えました。
最後に、「いま世界では富と権力が集中する1%に対する99%の異議申し立てが広がっています。TPPで打撃を受けるのは、その99%です。わたしたちは、今日のシンポジウムで明らかになったTPPの持つ問題点を、99%の人たちに広く訴え、TPP反対の大きな流れをつくりだします」との集会宣言を確認しました。
なお、同会は、ハワイで開かれるAPEC(アジア太平洋経済協力会議)に対して、各国の市民が集まって開く対抗討論会に代表団を送り、関係国とともにTPPに反対するアクションを行うことになっています。詳しくはこちら

TOPに戻る