2019年、新着情報各種、集会等の報告

2019年08月15日

千鳥ヶ淵「戦争犠牲者追悼、平和を誓う8・15集会」に300人参加

第二次世界大戦の敗戦、1945年から74年目の8月15日、「戦争犠牲者追悼、平和を誓う8・15集会」を、東京都千代田区の「千鳥ヶ淵戦没者墓苑」で開催しました。無名戦役者の遺骨を納めた納骨場所(六角堂)の前で、アジア・太平洋の人びととの和解と共生をめざして、非戦の誓いを新たにするためです。

正午に約300人の参加者全員で黙とうをした後、平和フォーラムの福山真劫共同代表は誓いの言葉として、栗原貞子さんの詩「ヒロシマというとき」を引用し「『ヒロシマといえば、ああヒロシマとやさしくは返ってこない、アジアの国々の死者たちや無告の民がいっせいに犯されたものの怒りを噴き出すのだ』とあります。いま『正しい歴史認識を欠落させた安倍政権』は、唯一国交のない朝鮮民主主義人民共和国から相手にされず、日朝国交正常化への展望はありません。日韓関係は、日本軍慰安婦課題や徴用工課題で、戦後最悪といわれる事態を引き起こしています。」、「市民運動、労働運動も、日韓・日朝連帯、9条空洞化・条文改悪阻止、沖縄新基地建設阻止、貧困・格差なくせの闘いに取り組みましょう。」と語りました。

各政党・団体の代表からは、立憲民主党の近藤昭一衆議院議員が、枝野幸男・立憲民主党代表の談話「74回目の終戦の日にあたって」を代読。吉田忠智・社会民主党参議院議員は「敗戦74年にあたって」の声明を、阿部知子・立憲フォーラム副代表(衆議院議員)は「慰霊と誓いのことば」を述べました。戦争をさせない1000人委員会事務局長の内田雅敏弁護士が「戦後74年8月15日」の言葉を語られた後、主催者、参加団体の代表、参加者が献花を行いました。



誓いの言葉

今年も暑い8月がやってきました。6日の広島、9日の長崎から始まり、15日、千鳥が淵国立戦没者墓苑、平和を誓う集会と続きます。大変つらく、申し訳ないのですが、今年もまたお詫びの言葉から始めなければなりません。「お前たちは一体何をしているのだ」という皆様の怒りと悲しみが胸に迫ってきます。広島の慰霊碑には、「安らかに眠って下さい。過ちは繰返しませぬから」と刻んであります。安倍は、戦後レジームからの脱却・9条改悪などに見られるように「この過ち」を繰り返そうとしています。戦争による唯一の被爆国でありながら、「核兵器禁止条約」に反対し、批准もしていません。沖縄辺野古には県民あげての反対運動を暴力で押しつぶしながら、米軍の新基地建設を強行しています。またヒロシマの被爆詩人栗原貞子さんの詩「ヒロシマというとき」に「ヒロシマといえば、ああヒロシマとやさしくは返ってこない、アジアの国々の死者たちや無告の民がいっせいに犯されたものの怒りを噴き出すのだ」とあります。いま「正しい歴史認識を欠落させた安倍政権」は、唯一国交のない朝鮮民主主義人民共和国から相手にされず、日朝国交正常化への展望はありません。日韓関係は、日本軍慰安婦課題や徴用工課題で、戦後最悪といわれる事態を引き起こしています。また米国大統領トランプは、INF条約を失効させ、「イラン核合意」からの離脱し、「使える核兵器の開発をめざす」「核態勢の見直し」と人類破滅への道・核戦争への危険な道へまた一歩踏み出そうとしています。世界終末時計は2分前です。もちろんこうした事態を引き起こしている責任は、安倍自公政権にあり、トランプ米国大統領にあります。しかしそれを許してしまっている私たちの責任も重大です。

しかし悲観的な事ばかりでは、ありません。参議院選挙では、私たちは改憲勢力の3分の2割れを勝ち取ると同時に自民党の単独過半数割れも勝ち取りました。さらにイージスアショアの秋田、辺野古新基地建設の沖縄、忖度の新潟、安倍の側近候補の大分などの選挙区で、立憲野党候補が勝ちました。

安倍政権の外交政策も内政政策も八方ふさがりで、いたるところから矛盾が噴き出し、大きく揺れています。森友・加計に代表されるウソの政治、辺野古新基地建設の強行、イージスアショアの配備、貧困格差の深刻化、年金と社会保障、日韓関係の泥沼化、有志連合への参加、トランプの牛肉など農産物の関税引き下げの強要、消費税のアップなどなどです。もうこれ以上安倍政権を続けさせるわけには、いきません。この秋の臨時国会では、野党共闘で安倍政権打倒めざしての奮闘に世論、市民の期待が高まっています。

市民運動、労働運動も、日韓・日朝連帯、9条空洞化・条文改悪阻止、沖縄新基地建設阻止、貧困・格差なくせの闘いに取り組みましょう。連帯の輪を拡大して、闘えば必ず勝てます。そして来年こそ、「安らかに眠って下さい 過ちは繰り返しませぬから」と報告させていただきます。

2019年8月15日
フォーラム平和・人権・環境
共同代表 福山 真劫

2019年8月15日

【代表談話】74回目の終戦の日にあたって

立憲民主党
代表 枝野幸男

本日、74回目の終戦の日を迎えました。先の戦争で犠牲となられた内外すべての人々に思いを致し、国民の皆さまとともに衷心より哀悼の誠を捧げます。

先の大戦では、国民を存亡の危機に陥れ、植民地支配と侵略によって、多くの国々、とりわけアジア諸国の人々に対して多大の損害と苦痛を与えました。私たちは、この反省を痛切に胸に刻み、再び戦争の惨禍が繰り返されることがないよう、未来への教訓としなければなりません。

しかしながら今日のわが国は、時代の大きな岐路に立たされています。集団的自衛権の行使容認と安保法制の成立を強行した安倍政権は、いま、ホルムズ海峡における有志連合への参加を求められ、後戻りのできない立場へと追い込まれようとしています。

また、専守防衛に関する従来の政府答弁から逸脱するおそれのある護衛艦「いずも」の事実上の空母化や、他の歳出項目と比し突出して伸び続ける防衛予算等、この数年における安倍政権の安全保障政策は、完全にその抑制を失っています。

さらにいま、安倍政権は、立憲主義、平和主義を無視した憲法の改悪に向けて突き進もうとしています。戦後、日本人が育てあげ、守り続けてきた「立憲主義」と「平和主義」が、大きな危機にさらされています。

戦後の日本は、憲法の平和主義のもと、焦土と化した国の復興に全力を傾注し、自由で平和で豊かな民主主義国家をつくり上げました。同時に、経済協力、人道支援、PKOなど諸外国の繁栄・発展、国際社会の平和と安定につながる日本独自の貢献を行ってきました。

わたしたち立憲民主党は、これら歴史の教訓を胸に刻みつつ、戦後日本が培ってきた外交・安全保障の基本姿勢である国際協調と専守防衛を貫き、国際社会の平和と繁栄に貢献していく決意をここに表明します。

2019年8月15日

敗戦74年にあたって(声明)

社会民主党

  1. 第二次世界大戦の終結から74年目の8月15日を迎えました。戦争の犠牲となって斃れ、傷つき、苦しめられた国内外のすべての人々に、心から哀悼の誠を捧げるとともに、遺族の皆さまにお見舞い申し上げます。悲惨な戦争体験による深い傷は、74年を経てもなお消えることはありません。わたしたちは、大戦の反省から得た「政府の行為によつて再び戦争の惨禍が起こることのないやうにする」決意と、「全世界の国民が、ひとしく恐怖と欠乏から免れ、平和のうちに生存する権利を有する」ことを前文に謳う平和憲法の意義と価値をあらためて胸に刻み、「恒久平和」の実現をめざします。
  2. 今、日本の「平和国家」としての歩みは、安倍政権によって閉ざされようとしています。「戦争法」の成立を強行した安倍政権は、南スーダンPKO部隊への駆けつけ警護や自衛隊による米軍の武器等防護、弾道ミサイル警戒にあたる米イージス艦への洋上給油、シナイ半島の「多国籍軍・監視団」への派遣など、「戦争法」に基づく自衛隊の任務拡大を進めています。また、防衛費は7年連続増額で過去最高を更新するとともに、長距離巡行ミサイルやイージス・アショアの導入、攻撃型空母や次期主力戦闘機F35、オスプレイの購入、電子攻撃機の導入検討など武器を「爆買い」し、「専守防衛」を大きく逸脱する軍拡に踏み込んでいます。さらに中東ホルムズ海峡などを航行する民間船舶を警備する有志連合への参加が検討されており、自衛隊が海外派兵され、アメリカとともに戦争する危険性が増しています。「戦争法」の既成事実をつくり、米国との軍事一体化を加速する安倍政権に、一人の命も預けるわけにいきません。平和を希求する多くの人々とともにたたかい、「戦争法」を廃止に追い込んでいきます。
  3. 日本の侵略戦争と植民地支配が引き起こした太平洋戦争は、多くの国々に多大な苦痛と損害を与え、日本も存亡の危機に陥れました。戦後の爪痕は、現在も人々の暮らしを脅かしています。沖縄では、本土「復帰」から47年経った今もなお、日米安保条約や日米地位協定が優先する「反憲法」下の日常を強いられ、日米軍事一体化の最前線に置かれています。日米両政府は、「辺野古新基地建設」の賛否を問う県民投票で明確に示された民意を真摯に受け止め、移設計画を断念すべきです。安倍首相は、今年の平和祈念式典でも、「核兵器禁止条約」の批准に言及しませんでした。国際社会の潮流が核廃絶に向かっているなかで、原爆の悲劇を体験した日本こそが「核なき世界」の主導的役割を果たすべきであり、戦争による唯一の被爆国として、長崎・広島の思いにしっかり応えなければなりません。また、第二次世界大戦の空襲で被害にあった民間人の補償や援護は放置されたままです。戦争被害の責任を認め、差別することなく救済を急ぐよう強く求めます。
  4. 南北首脳会談や米朝首脳会談が行われ、世界情勢も大きな変化を迎えようとしています。社民党は、東アジアに残された冷戦構造を終結させるためにも、2005年の6か国共同声明に立ち戻り、粘り強い外交努力による米朝間の平和協定の実現、そして2002年の日朝平壌宣言に基づく日朝間の緊張緩和と関係改善に取り組むよう政府に求めていきます。また、日韓関係は最悪と言われるまでになっています。その背景には、安倍首相の誤った歴史認識と、人権問題である徴用工問題を韓国への輸出規制や「ホワイト国」除外で封殺しようとする姿勢があります。本当の意味でアジア諸国との和解を果たしていかなければなりません。
  5. 今夏の参院選は、アベ政治の暴走を止め、改憲発議を阻止する極めて重要な選挙でした。与党に過半数を許したものの、野党共闘によって改憲勢力を3分の2割れに追い込むことができました。しかし、安倍政権は憲法9条を軸にした「明文改憲」をあきらめてはいません。選挙戦を通して、社民党に「平和憲法だけは守り抜いてほしい」との多くの声が寄せられました。「戦争で領土を奪還」する妄言を発した国会議員がいましたが、政治の最大の役割は絶対に戦争をしないことです。社民党は、憲法の平和主義こそが他国との信頼の礎であり、日本を守る「抑止力」となってきたことを確信する多くの人々とともに、憲法改悪を断固阻止します。8月15日にあたり、戦争犠牲者の想いを偲び、平和の尊さに深く思いを致し、「戦争する国」にさせないために努力し続けることを誓います。

慰霊と誓いのことば

戦後74年目の8月15日に、先の苛烈な大戦によってその人生と生命を奪われ、ここ千鳥ヶ淵に眠る無名となった37万余の戦没者の方々と、5,000万人とも8,000万人ともいわれる第二次世界大戦による犠牲者のすべての御霊に、心より哀悼の誠を捧げます。そうした皆様の犠牲の上に築かれた「戦後」という言葉が当たり前に続くと思っていた私たちは、いま新たな戦間期を予感させられるような事態に直面しています。

わが国でも戦争を体験された方々がご高齢となり、その苦難の記憶は十分に語られぬまま、鬼籍に入られる方も増えています。ちょうど2011年の東日本大震災が、78年前の昭和8年の大津波の記憶が消えかけた頃、三陸の地を襲ったように、「二度と軍事力を行使しない」ことを誓ったはずの日本国憲法は、手を変え品を変えて形骸化の攻撃にさらされ、安倍政権にあってはこの憲法を明文改悪することによって正々堂々、軍事力行使を認めていこうとしています。

既に1972年の沖縄返還以降、本土から沖縄への米軍基地移転が進められるとともに、本土の基地もまた、米軍の指令の下一体的に運用されるようになり、ついには戦後74年を経たにもかかわらず沖縄辺野古﨑には「新基地の建設」が着々と進められています。日本全体が新たな出撃拠点となり、さらには遠く中東の地ジブチにも自衛隊拠点が置かれるようになりました。

誰を敵として何と戦うのか、国民には一貫して語られることなく、むしろ最も重要な東アジアの隣国との関係は悪化の一途を辿っています。「武力によらない紛争の解決」の為の外交・交渉力は極めて貧しく、イデオロギーが先行して排外的、敵対的対応がもてはやされる風潮に大きな危機感を覚えます。

京都アニメーション襲撃事件のような無差別の社会的テロが憲法21条の個人の幸福追求権を打ち砕き、芸術・文化に代表される思想信条の自由すら揺らいでいる今日、何よりも国民の知る権利、そして主権者国民の責任ある選択が可能となることこそが重要です。立憲フォーラムでは、まず行政が肥大となり形骸化した国会論戦をしっかりと取り戻すことによって、主権者国民と共に戦後を真に戦後として今後とも定着させていくために全力を挙げていきたいと思います。

以上、慰霊と誓いの言葉といたします。

2019年8月15日
立憲フォーラム副代表
阿部 知子

戦後74年8月15日

今年もまた、8月15日がやって来ました。

2019年8月15日、戦後74回目の8月15日です。

今、世間では、天皇代替わりにより令和元年という云い方もなされています。

しかし、私たちは、2019(戦後74)年8月15日にこだわり、非業・無念の死を強いられた方々の声に耳を傾け、この国の来し方行く末を考えてゆきたいと思っております。

74年前の敗戦を経て、私たちは、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起こることのないようにすることを決意し」、主権在民、戦争の放棄、基本的人権の尊重を原理とする日本国憲法を制定し、戦後の再出発をしました。この日本国憲法は未完の憲法であると言われています。

未完とは、戦後、私たちが担ってきた護憲、平和運動が、戦争責任の追及・植民地支配の清算、米軍基地の重圧に呻吟する沖縄について十分に向き合わず、今日に至るまでこれらの問題が解決されないまま放置されてきたことを云います。

私たちは、この二つの問題に取り組み、解決を図ることによって未完の日本国憲法を補完しなければなりません。

皆様方も憂慮されていることと思いますが、今、隣国韓国との関係は、元徴用工問題に関する韓国大法院判決を巡って悪化の一途をたどっています。

安倍政権は、韓国について、国家間の合意を反故にした、ちゃぶ台返しだと、口を極めて非難していますが、1965年の日韓請求権協定では日本側の拒否によって植民地支配の清算問題は封印され、その意味では、そもそも、ちゃぶ台に載っておりませんでした。この事実を直視すれば、元徴用工問題について、安倍政権の云う、国家間の合意とは別な解決もあり得るのではないでしょうか。

元徴用工問題は、加害者としての私たち日本が、慎みと節度を持って植民地支配の問題に向きあい、誠意を以って解決する以外ありません。同質の中国人強制連行・強制労働問題では、数社ではありますが、被害者と加害者との間で和解が成立しており、この事例を参考にすれば、韓国人元徴用工問題についても、同様な解決を為すことが可能であると思います。

安倍政権は沖縄県民の反対を無視し、辺野古米軍新基地建設を強行しています。ここでもまた国家間の合意が強調されています。しかし、辺野古米軍新基地建設についても、「日米は合意しても沖縄は合意していない」のです。数度に亘って表明された「辺野古米軍新基地建設ノー」の沖縄県民の意思がそのことを明らかにしています。「土地に杭は打たれても心に杭は打たれない」。かつて、砂川闘争で語られた言葉です。その砂川闘争に米軍基地に呻吟する沖縄県民の代表団の姿もありました。

土砂によって沖縄県民の米軍新基地建設反対の声を埋め立てることは出来ません。

憲法破壊をし、米軍と一体となって、再び日本を戦争出来る国にしようとする安倍政権に対する闘いは、三つの共闘です。一つは非業無念の死を強いられた皆様方、そして戦後の護憲平和運動を担いながら、亡くなっていった方々の声に耳を傾けながらの死者達との共闘、二つ目は戦争をしない国を私たちの子供、孫、まだ生まれて来ていない子供達に伝えるための、未来との共闘、そして三つ目が、各地で強権政治に抗しているアジアの人々との共闘です。

平和運動は、例えて見ればゴールのない駅伝のようなものです。各々がその託された期間を走り続け、次の世代に平和のタスキを手渡す、ゴールにたどり着ける人は稀、いやゴールそのもののない永久の連続運動だと思います。私たちは皆様方死者から託された平和のタスキを次の世代に手渡すまで走り続けます。

2019(戦後74)年8月15日
戦争をさせない1000人委員会事務局長
内田雅敏

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