2010年、沖縄コーナー、集会等の報告
2010年05月22日
150人参加し鹿児島市で普天間基地の即時閉鎖!沖縄県内の新基地建設・移設反対!九州ブロック集会
沖縄県では4月25日には9万人が参加しての県民大会、5月16日には1万7000人が参加した包囲行動など、普天間基地の県内移設に反対する強い意思表示が自治体首長を含む県民規模で示されています。基地機能の一部移転先とされている鹿児島県の徳之島でも、4月18日の1万5000人参加の反対集会につづいて、5月22日には島内の天城・伊仙・徳之島の3町で、それぞれ反対集会が開かれ計2100人が参加しました。
同じ5月22日、鹿児島市内では護憲平和運動フォーラムなどで作る「鹿児島に米軍はいらない県民の会」(荒川譲会長)が、鹿児島市・労働者福祉会館において「普天間基地の即時撤去・返還、沖縄や奄美・徳之島など九州への新基地建設反対、国外移設を求める九州ブロック集会」を開催しました。荒川譲県民の会会長の主催者あいさつ、重野安正社民党全国連合幹事長(衆議院議員)と川内博史沖縄等米軍基地問題議員懇談会会長(衆議院議員)の連帯あいさつにつづいて、沖縄からの報告を山城博治沖縄平和運動センター事務局長、徳之島からの報告を幸多勝弘徳之島の自然と平和を考える会事務局長が行い、前海満広平和・人権・環境福岡県フォーラム事務局長が決意表明した後、坂本浩長崎県平和運動センター事務局長が集会決議を提案、満場一致で採択採択し、最後に永田琢朗県民の会副会長のあいさつで閉会しました。
採択された決議は、「米軍普天間基地の即時閉鎖・返還、辺野古周辺はもとより沖縄や奄美・徳之島など九州への新基地建設反対、国外移設を断固求める決議」。その要旨は、「沖縄県民や奄美・徳之島のみなさんはもとより、九州各県民の意志が、『米軍は歓迎しない』ことは、これまで移転先の候補地にあげられた全ての地域で、移転反対の声が住民、議会、自治体から沸き起こってきたことで明らかです。アメリカ政府やアメリカ軍が自ら語っているように、住民から歓迎されないところに軍事基地をつくり、移転させようとするのは間違いです。」「私たちは、日米両政府が米軍普天間基地を即時閉鎖・返還するとともに、辺野古など沖縄県内はもとより奄美・徳之島など九州各県への移設を断念し、移設を歓迎しているテニアンなど国外への移設へ向けて全力をあげるよう強く求めます。」というもの。決議文は、翌5月23日、内閣総理大臣・外務大臣・防衛大臣・沖縄及び北方対策担当大臣・内閣官房長官・在日アメリカ大使に宛てて送付されました。
各発言者の話の概要
荒川 譲さん(鹿児島に米軍はいらない県民の会会長)
政府の対応は混迷を極めている。「少なくとも県外移設」という言い回しが今になって変更になっており、徳之島では大変混乱している。普天間基地は何と言っても、国外に持って行ってもらう以外に解決の仕様がない。海兵隊は日本の安全にとって必要とは言いがたい、という意見を確認するとともに、関係機関に趣旨を伝える会としたい。
重野安正さん(社民党全国連合幹事長)
沖縄に基地はいらない、これ以上沖縄に負担をかけてはいけない、本土復帰以降も以前と変わらぬ基地の重圧にあえいでいる沖縄県民と連帯する思いを共有しようという運動が全国で広がっている。官房長官には、「今の政府のやり方は逆だ。まづ沖縄県民の了解を得ることが第一だ。そして政権を支える3党の了解を得る。その先にアメリカの了解を得るという順番でことを運ぶように修正することだ」と申し上げてきた。福島党首も閣僚の1人として沖縄の負担軽減のことを総理に会うたびにめげずに主張し続けている。社民党はそういう立場で今後とも精一杯がんばっていく。
川内博史さん(沖縄等米軍基地問題議員懇談会会長)
私は、「沖縄に駐留する第三海兵遠征軍はそもそも米軍の意思によってグアム・テニアンに移駐をする。普天間基地の代替基地として位置付けられている辺野古は必要がない」ということを前から主張している。鳩山首相の二つの言葉、「5月末決着」と「できれば国外、最低でも県外」のどちらを選ぶべきかは一目瞭然であり、「できれば国外、最低でも県外」という言葉を鳩山首相は選ぶと私は信じている。クリントン国務大臣は岡田外相との会談の中で「地元の同意を重視してほしい」と言った。沖縄も徳之島も民意が明らかになっている通り、受け入れる訳にはいかないのだという意思がはっきりしていて、地元の同意はないということははっきりしている。グアム・テニアンの知事と議会は受け入れます、日米両国の架け橋になりますと決議している。両知事は親書にしたためて鳩山首相に届けている。今週この両知事はホワイトハウスに呼ばれている。テニアンの知事は海兵隊の更なる受け入れ準備はあるかと聞かれたそうだ。知事は喜んで受け入れると答えている。
5月28日に政府がどのような態度を取るのか。国内移設は絶対に無理です。この問題を解決するのは唯一地元同意のあるグアム・テニアンしかあり得ない。鳩山総理もおそらくそう思っているが、関係5閣僚のうち総理を除く4人は、現行案でいくと最初から言っていた。ここまで鳩山総理は粘ってきていると私は見ている。明日(5月23日)、沖縄で「沖縄は絶対だめだ」という集中砲火を浴びていただいて、これはもう国内は無理だという断念する日にしていただかないといけないと思います。日米の合意文書である「ロードマップ」(2006年5月)には移駐部隊はキャンプコートニー・キャンプ瑞慶覧・牧港などと並んで普天間基地のヘリ部隊はグアムに移転すると書いてある。しかし、普天間のヘリは日本に残ると思い込まされている。日本に残るとはどこにも書いてない。思い込まされてどこかに基地を作らないといけないんじゃないかと、まるで不動産探しのように旧政権下からやらされてきている。もしヘリ部隊が日本に残るのだったら、説明してくれよとアメリカに言わなければならないし、何機残るのですか、何のために残るのですか、どういう訓練をするのですか、ということをしっかり確認して、そして国民の皆様に情報公開をするということが民主党政権の正しいやり方ではないかと思います。まだ遅くないと思います。鳩山総理は国外移設を頭の中に置いています。グアム・テニアンのことも総理に報告しています。解決策はグアム・テニアンだということを声を大にして主張していきたい。
山城博治さん(沖縄平和運動センター事務局長)
5月13日からの沖縄平和行進と普天間基地包囲行動にはたくさんの仲間に結集いただきました。17、000人で普天間基地を包囲した。私は10の市町村長を訪ねて「伊波市長を孤立させるな」と要請し、包囲行動実行委員会の共同代表に就任してもらった。鳩山首相の辺野古沖回帰発言は沖縄県民を愚弄する発言だ。腹の底から怒っている。明日(5月23日)9時に多くの県民が県庁に集まって抗議行動を行う。県議も超党派で総理との面会を断って抗議する。首相は燃え上がる県民の決意を知るべきだと思う。5月4日に来た時は、勉強すればするほど海兵隊の大事さが分かったということを言った。そこまで言ってしまってはおしまいです。総理失格というよりも議員バッジをはずすべきだと思う。明日やってきてもう一回沖縄に基地を作らせてほしいと言いに来るわけだから、これ以上の怒りはありません。明日はもう沖縄に基地は作れないという認識を持ってもらう日にしたいと思います。
15日に安保の見える丘で抗議集会をしました。クラスター爆弾という一瞬のうちに何千発という爆弾をばら撒いて、落とした後は意図的に不発弾として残して地雷として敵を殺傷する恐ろしい兵器を搭載したF18・ホーネットが岩国からやってきて訓練をしていました。「普天間基地移設」が訓練の一部移設となって徳之島ではどうですかという議論に傾いています。普天間も移設がなくなったから良かったと思っている方もいるかもしれません。一部の訓練移転だったら受け入れていいかもしれないと思うかもしれません。徳之島の一部の町長は話は聞こうとおっしゃっているようですが、大事なことを現地から申し上げます。
1点目は、2年後の2012年にCH-47型という今飛んでいるヘリの替わりにオスプレイという新型兵器を普天間に投入すると言っています。ヘリと飛行機の合作のような飛行機です。飛び上がるときはヘリのように上がります。上がると推力で前進します。バランスがおかしくていつも墜落しています。大変危険極まりない兵器です。そのオスプレイが(訓練移転の場所である)徳之島に来るということです。米軍は一部受け入れたら、一部訓練移転だろうが、一部駐留だろうが、同じです。なぜなら米軍の運用については一言も言わないというのが日本政府の姿勢じゃないですか。嘉手納基地の惨状を見てください。夜も昼も年中、轟音をとどろかせて戦闘機が飛び交います。いくらアメリカでもドーナツ状に広がっている普天間基地にオスプレイを配備することは躊躇するでしょう。両端が海に面している徳之島に配備しようと考えるのは当然のことです。この基地を受け入れてはならんですよ。来るようだったら身体を張って止めなさい。命をかけて闘うのです。後々まで悔いを残しますよ。そういう闘いをぜひ鹿児島の本土の皆さん、徳之島の皆さんと一緒に闘って下さい。
2点目は、私たちは沖縄は徳之島を同胞だと思っております。徳之島はかつて私たちの同胞でした。(沖縄の基地を)徳之島に持って行けとは言っていません。沖縄は県外移設だと言っているじゃないか、と思うでしょうが、私たちは国外に持って行け、基地は日本国内どこでもイヤと言っている、アメリカが持って帰れと言い続けてきました。アメリカの言う一部移転は真赤な嘘です。受け入れたら死ぬまで、島から住民が出て行くまで米軍は無謀きわまるでしょう。鹿児島の本土の皆さんも理解して、徳之島の皆さんと連帯して闘い抜いてください。私たちも徳之島に決して基地を持って行かせないような闘いをします。この国に本物の主権を回復するまで、米軍基地がなくなって日本人がわが国の将来を決定するようなシステムをつくる時まで声を上げ続けていきたいと思います。
幸多勝弘さん(徳之島の自然と平和を考える会事務局長)
徳之島の住民は、沖縄の県民が65年間ずっと突きつけられた銃剣を、今まさに、のどもとに突きつけられた思いがしています。この4か月間、眠れない、あらゆる活動が停止している、未来に夢がもてない状況です。今若い夫婦は家を作ることをためらっています。そして島に帰って来よう、故郷に帰ろうという人たちが徳之島に帰ることをためらっています。農業をしている人たちがこれからの徳之島の農業に未来はあるのであろうか、と感じています。この島で子どもを育てられるのだろうかという、本当に閉塞状態・停止状態になっています。
私たちは思想・信条を越えて、超党派という形で「徳之島の自然と平和を考える会」を1月27日―あのNHKで報道された日―に、まず40人がぱっと集まり結成しました。私たちには徳之島の自然と平和しか残せないのです。私たちの自然も平和も全て預かり物です。一部利権者のものではありません。徳之島は先祖から受け継いできたまさに琉球弧としての、琉球文化圏内に属しています。沖縄の普天間の問題が出てきまして、国外・県外という話になった時に、「県外」がすぐ鳩山首相から腹案として徳之島ということが出て参りました。その中で私たちが県外ということだけで胸をふさいで疲れる思いをして、4か月間生活をしてきたということを思うとき、沖縄県の基地問題に対して65年間何もしなかった政府の対応のことを今、私たちはまさに真剣に考えています。そして基地はいらない、徳之島にももちろんいらない。沖縄にも基地はいらないんだという思いを強くするとともに、徳之島の苦しみを日本全国にばら撒くことは絶対に許されないという思いです。
5月29日には奄美群島民大会を奄美市名瀬で計画しています。更に燃え盛ります。泉芳朗が祖国復帰を成し遂げた名瀬小学校に集まります。徳之島のみならず、奄美全体の問題として絶対に許してはいけない、徳之島に作ることは、一つの針の穴の先から島全体がまさにテロ攻撃の対象にされるという、危険な奄美や鹿児島県や日本を作るという状況になることだということを国民は知っています。
グアム・テニアンということを首相は知っているのに、なぜここまで沖縄に基地を作り、徳之島にも作ろうとするのか、そこまでの首相の弱みはどこにあるのか、基地は国外へ、基地はいらないという声をこれからも大にしていきたいと思います。私たちは反対といい続けます。鳩山首相と平野官房長官という人たちはわれわれの敵です。ニュースに出るたびにお年寄は戦時中のことを思い出し、若者は憎しみを込めて見ていますよ。絶対に許せません。このように私は静かな声で言っていますけれども、本当に震えています。この状況を徳之島が許すことは、鹿児島に許し、日本全国に許し、今の米軍再編という名で日米合同の訓練がどんどんエスカレートして行き、日本のどこかにローテーションで訓練しているということで形を変えながら、彼らはちゃんと青写真を描いており、訓練を更に強化していく、そして拡張していく計画です。基地の強化・拡張は絶対に許すべきではないと思います。ぜひ徳之島の思いを共有していただきたいと思います。そのことが日本を守ることだと思います。小さな島の徳之島の思いが世界につながれば、これこそが抑止力だと思います。