2025年、集会等の報告
2025年02月13日
「民主主義と憲法を考える集会 深夜の戒厳令 あの日、韓国で何が」を開催
平和フォーラムは2月11日、東京・日本教育会館で「民主主義と憲法を考える集会 深夜の戒厳令 あの日、韓国で何が」を開催し、約160人が参加しました。
12月3日夜、ユン・ソクヨル(尹鍚悦)大統領が「非常戒厳」を宣布したものの、多くの市民と国会議員の抵抗によって6時間で解除に至りました。権力の暴走を止めた韓国市民のたたかいは、憲法理念に基づく民主主義確立をめざす私たちにとって学ぶところが大きいと言えます。いっぽう、日本では「韓国で起きることは日本でも起きる。だから緊急事態条項の創設が必要」などといった転倒した理屈を振りかざし、改憲発議へと結びつけようとする改憲勢力すら存在します。
こうした状況を踏まえ、イ・キョンジュ(李京柱)さん(韓国・仁荷大学法科大学院教授)と飯島滋明さん(名古屋学院大学教授)から講演を受けました。
イ・キョンジュさんは「戒厳令は民主主義のためになるのか」と題して提起。韓国における国家緊急権の位置づけの歴史的変化なども解説しつつ、今回の「戒厳」が要件を満たさず、手続き上も瑕疵があるものであることだったことを指摘。今回のユン大統領の戒厳宣布の背景には韓国社会の社会勢力の交代に対する危機感があったのではないかとしました。そして、戒厳とは戦争と一体で、令状もなく身体拘束し生命を奪うものであり、民主主義を破壊する「トロイの木馬」であると述べました。
飯島滋明さんは衆参憲法審査会での「緊急事態条項」をめぐる議論の様子を紹介。権利保護がいっさい念頭にない政治家たちによる緊急事態条項導入がもたらす危険性に言及。また、日本政府の災害対応の実態なども例示しながら、災害対策上も改憲は必要なく、災害対策基本法などで十分対応可能だとしました。
その後、参加者から寄せられた質問や意見への応答を行い、講演内容への理解を深めました。