第46回護憲大会 ひろば「女性も男性も生きやすい新しい男女共同参画社会を〜ジェンダー平等社会へ」報告     2009年11月02日
   ひろば「女性も男性も生きやすい新しい男女共同参画社会を〜ジェンダー平等社会へ」は、サンパルテ山王3階千曲を会場に地元長野県実行委員会の自主企画として3つの柱で行われました。第1に、人形劇を使って「性=人権=生命のつながり」を子どもたちに発信している木島知草さんのお話、第2に「生きやすい社会」を求めるとして『子ども産む場所・産んでからの職場・子どものかよう保育園の課題・問題点』など現場からの報告を受け、現実の生きづらさをしっかりつかむこと、第3にその状況から前へ踏み出すため、ひろばのテーマの演題に朝日新聞編集委員の竹信三恵子さんの話を聞く、という三部構成です。実効ある男女共同参画社会の実現に向けた議論を深めるための場でした。男女約半数の120名を越える参加者のもとで、盛り沢山の内容で時間が足り無くなる熱気ある交流のひろばとなりました。

人形劇 幼いときから性・人権・生命のつながりを知る−「がらくた座」人形劇屋の木島千草さん
   「がらくた座」人形劇屋の木島さんは、メモリアルキルトとの出会いがきっかけとなり、性・人権・生命に関する啓発活動を開始。現在、主に若年層を対象として、生命の大切さ、人権、そしてHlV/AlDSとの共生をテーマに活動中の方。ひろばは、まず、学校現場で真剣に楽しく、生命の誕生や性のことを生き生きと伝えている木島さんの様子をDVDで見、人形劇では、指人形あかちゃんとあおちゃん(HIVに感染した友達と人間)が、お互いにどう大切にしあえるかという「性・人権・生命」のテーマで演じ、元気の出るメッセージで会場内がホンワカ温かくなりました。

現場からの声 なぜ、こんなに生きづらいの?
   次に、実行委員会からの3人の方から「なぜ、こんなに生きづらいの?」の現場報告。「子どもを産む場所がない!」「子どもを産んだら働く場所がない!」「子どもの保育園があぶない!」との報告が行われました。
 はじめに「子どもを産む場所がない」。長野県飯田市周辺で、13施設あった分娩できる場所が2005年に6施設に、2006年には3施設となり、800件の出産が行き場を失ったこと。市長を中心とする「産科問題懇談会」が発足し、母親たちが立ち上げた「心あるお産を求める会」が県に陳情し、地域一体となって運動が巻き起こったこと。福島みずほ社民党党首、阿部知子政審会長らが「産声が聞こえる街づくりプロジェクト」で飯田市に視察に入り、地域の病院、住民、自治体が一体となった「地域医療を考える市民学習会」がもたれ、お互いの立場を本気で語り合う場となり、その後の地域連携へとつながったこと。
 2番目に「子どもを産んだら働く場所がない」。小さな村役場では職員数が減らされ、職員の負担が増大し、2人目を出産したい旨を上司に言い出せないこと。1人目のときには庁内勤務に戻れたが「2人目はないと思え」と言われていたこと。育児休暇をとった人は、外勤の休日出勤や超過勤務も当たり前の職場に回されていたこと。公務員監視の地域で、育児休暇中は、子どもと散歩にも出られず自信を失っていること。
 3番目は男性保育士の「保育所の現状から」。保育園職員の7割が非正規になり、賃金、休暇などでも大きい格差があるが、非正規もクラスをもって正規と同じ仕事をこなしていること。そのため正規職員は、それ以上の仕事をしなければという重圧で、体も心も壊していくこと。子どもたちに安心・安全を届けようとがんばり過ぎ、休暇もとらず体調を崩すという悪循環の職場になっていること。少数派である男性保育士の立場から「子育ては、女も男もいっしょ」、もっと男性が働ける職場になってほしいと訴えました。
 3人の現実のなかで本当に悩んでいる切実な思いが、会場のみなさんの共感を呼びました。

講演 女も男も幸せになろう−竹信三恵子さん
プロフィール  朝日新聞編集委員。東京都出身。1976年朝日新聞入社。経済部記者、シンガポール特派員、学芸部次長、総合研究センター主任研究員などを経て、2007年4月から朝日新聞編集委員。2009年、「貧困ジャーナリズム大賞」受賞。2005年まで内閣府男女共同参画会議専門委員。女性問題や労働問題を多く扱う。著書に『日本株式会社の女たち』(1994年、朝日新聞社)、『女の人生選び』(1999年、はまの出版)、『ワークシェアリングの実像―雇用の分配か分断か』(2002年、岩波書店)、『ルポ雇用劣化不況』(2009年岩波新書)など。共著として『「家事の値段」とは何か−アンペイドワークを測る』(1999年、岩波ブックレット)など。

 →講演などひろばの資料

   竹信三恵子さんは「女も男も幸せになろう」のテーマで歯切れの良い講演。人間の生きる根本が揺らいでいる社会、貧困問題を追求してきた竹信さんは、この10年間、政府、企業が規制緩和のもと、会社の都合でいつ切り捨ててもいい派遣労働者を大量に作り出したこと。一夜にして仕事も家も失うという貧困層を生み出したが、その半分以上が女性であること。この構造を具体的な現場の取材をもとにしっかり示してくれました。
 「私たちは何の情報もなく落とし穴だらけの広い草原を歩かされているようなもの。だれでもいつでも突然この穴に落とされる。落とし穴がどこにあるのか、その真実、現実をしっかりと見据え、そこから落とし穴をふさいだり、落ちた人に縄梯子を降ろしたり、互いに助け、支え合い、この草原を通り抜けましょう」と、力強いまとめされました。を連帯の言葉でした。

まとめ −清水澄子さん

   最後に平和フォーラム副代表でI女性会議常任顧問の清水澄子さんが「政権交代したいまこそ政治を揺り動かし、女性も男性も平等となる政策を政治に突きつけていきましょう」とまとめ、参加者それぞれが学んだことを持ち帰り、足元から力をつけていく、勇気が湧くひろばを閉会しました。

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