| 第46回護憲大会 第7分科会「憲法−議会制民主主義の再生をめざして」報告 2009年11月02日 |
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| 第7分科会「憲法−議会制民主主義の再生をめざして」は、憲法問題の重要な焦点をともに考える場。2005年の総選挙で与党が衆議院の3分の2議席をこえ、他方、その後の参議院選挙は与野党逆転、今年9月には政権交代が実現し新たな連立政権が成立したなか、議会制民主主義のあり方が大きく問われています。それを踏まえて、長野市民会館集会室を会場に70人が参加して行われました。法政大学教授の江橋崇平和フォーラム代表が問題提起・助言者、吉田昭二さん(都市交)、太田武二さん(新運転)、近藤和樹さん(社青同)が運営委員、山田剛さん(北海道)、鈴井孝雄さん(静岡)が座長で、新運転の大田書記長のあいさつで開会しました。 | |||
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プロフィール フォーラム平和・人権・環境代表、法政大学教授。専門は憲法。ロンドン大学、ウィーン大学、北京外国語学院、上海外国語学院の研究員、客員教授、全国憲法研究会事務局長、国際人権法学会理事、自由人権協会理事長、神奈川県国際政策懇話会会長、川崎市ふれあい館運営委員、反差別国際運動日本委員会委員、国際在日韓国・朝鮮人研究会理事などを歴任。主な著書(共著・編著)に『グロ−バル・コンパクトの新展開』(法政大学現代法研究所叢書)、『「官」の憲法と「民」の憲法』(信山社出版)、『市民主権からの憲法理論』(生活社)、『人権政策学のすすめ』(学陽書房)など。 |
| まず、江橋さんからの最初の問題提起として、2009年8月総選挙の意義が数点にわたって述べられました。そこでは、はじめて市民が投票によって政権を選択した無血革命とも言える画期的なできごと(政権交代)、自民党の長老議員が多く落選し、民主党の若い議員の大量当選があったこと(世代交代)、官僚中心に発展してきた戦後日本社会の変革のチャンス(官から政へ)、議会制民主主義を無視してきた自民党に対する天罰、市民の勝利であること、地方主権・文献への流れなどが2009年8月総選挙の特徴として挙げられました。「政権交代はしたものの市民が勝ったという意識がない」と指摘。「民・社・国の実力があっての勝利ではなく、国民が自公政権にNOを突きつけ、国民が民主に政権を託しただけ。それを国民一人一人が忘れてはいけない」と強調しました。 | |||
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これを受けて会場から発言を受けました。「運動は楽しくやるべき。これから与党の立場としてどうやっていくか。護憲ソングを作ることを提案する」「自治体職場で道路行政に携わっている。地方では、首長が執行権を握っているはずだが、執行権を持たない議員が介入してくる。これは問題だと思う」「安倍元首相のように、積極的に軍を持って戦争すべきといって、国民生活をそっちのけで改憲を打ち出す政治家がいまも国会にいる。これからどうやってそういう流れを打ち消すのか」「総選挙のマニフェストで民主党は衆議院の比例代表部分を削減する主張をしている。議員は多い方が民意を反映できる。それを減らすのは反対。議会制民主主義の再生に向けてこれからどうすべきか討論したい」といった意見が出されました。
これに対して、江橋代表からは「護憲ソングは大賛成。いま、普通の人の文化のなかに平和・人権・環境が入っているか。今年の夏に女性誌を中心にソーシャルビジネスの特集がいっせいに掲載された。リサイクル、エコ、健康食品など、20〜30歳代の女性の文化としてそういう社会問題が定着している。憲法がそうなっていないことを自省したい。地方議会については、この3年間、議案提案で条例制定をしているのは全国で120くらいしかない。地方議会の議員が自分たちで条例を作ったり、主張から出される条例案を審議する力がないとダメだ。国政が変わるなかで、地方議会も今後何回か選挙を重ねていくなかで変化していくだろう。これからが面白い時代」「憲法について、一言一句変えてはいけないという社民党と、変えてもいいという民主党が連立を組んでいる。平和フォーラムはどうすべきか。アメリカでは、憲法の条文は変えない。後ろに条文を付け加えていくアメンドメンとというやり方。そういうやり方もある。また、憲法は衆参の3分の2以上の賛成がないと条文を変えられない。事実上変えられない」といった見解が出されました。 また、新運転の大田書記長から、「私は沖縄出身であり、基地をなくすことを目標に生きている。政権交代によって護憲運動を質的どう強化していくかを考えるのが今回の護憲大会。沖縄の基地問題は新政権にとっても最大の焦点」という意見が出されました。 江橋代表からは会場からの意見への返答も含め、「政権交代は良いこと。どんなにひどい政権でも、前政権の悪事は暴露できる。そこから、どうやって市民の声を政治に反映させるのかを考えよう。基地問題について、平和フォーラムは与党系の運動になった。これまではソマリアも米軍基地もイラクも、要求のデパートだった。これからは何でも、というわけにはいかない。この勝利をきっかけに何を求めるのか。どうしてもゆずれないのは沖縄の普天間基地の県内移設は認めない、ということだ」という発言がありました。 |
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| 休憩を挟んだ後、江橋さんから日本の国会につい提起。「日本は衆議院と参議院というように国民代表議会が2つある。小泉政権の際には、大統領的な強い権限を首相が持ち、議会はそこに従うべき、という論調があったが、参議院で与野党逆転したためにそうならなかった。いまのポイントは参院をなくすことではなく、二院制をどう活用していくか。たとえば、参院での問責決議は憲法に定められたものではないが、これまで2回出され、その3カ月後に首相は辞任している。参議院は重要な役割を果たしている。他にも、国会からの行政の監視、予算は衆院に先に提出し、決算は参院でまず中身をしっかりチェックするといった役割分担ができるのではないか。また、人事案件についても、参院の方が内閣から遠いので、冷静な議論ができるはず」「私たちは議会の力を強めないといけない。平和フォーラムのような団体は、運動として意見を集約して、運動体として意見を発言すべき。そして、国会議員を通じてモノを言っていくべき」と指摘しました。 | |||
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会場からも「市民の立場から政治に関する改善点を指摘して変えていくのは重要。また、この分科会で提起された案件については、座長と運営委員のみなさんで提言してほしい」という意見が出されました。そこで、沖縄の基地問題、とりわけ普天間基地の県内移設反対について、ここだけはゆずれない課題として、分科会として今回の護憲大会全体に提起していくこととなりました。
座長の小林さんから「民意が反映する政治の仕組みをつくるための議論を今後も積み重ねよう」という呼びかけがあり、まとめとして都市交の吉田書記次長から「圧力団体としてではなく、市民の運動として政策を実現していくことをこれからの私たちの運動のあり方としたい。このなかで、沖縄の基地問題は私たちのゆずれない課題として今後もとりくみを強化していく」というまとめがあり、分科会を終了しました。 |
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