声明・申し入れ、2014年
2014年01月25日
国連・人権勧告の実現を!1.25集会・デモ アピール
「慰安婦」問題の解決を、と言えば、「売春婦だった」「強制はなかった」と返す。
「新基地建設反対」「オスプレイ配備するな」の沖縄の声は、「抑止力は必要」と無視する。
「子どもを避難させて」と求める福島の母親には、「風評被害を助長」「復興の妨げ」と陰口。
「朝鮮学校にも高校無償化を」との要請は、「北朝鮮が核実験したから」と退ける。
「表現の自由、知る権利を脅かす秘密保護法」との批判には、「批判は当たらない」の一言だけ。
政府が「人権先進国」を自認するこの日本には、深刻な人権侵害、差別が公然とまかり通り、それに苦しんでいる多くの人びとがいます。日本軍「慰安婦」被害者、ウチナーンチュ、福島原発事故被害者、在日朝鮮人、障がい者、アイヌ、セクシュアル・マイノリティ、被差別部落出身者、日の丸・君が代強制被処分者、子ども、難民・移住労働者、女性、…。しかし、その不当性を訴え、人権回復を求める声、要求には心ない罵声が浴びせられたり、無視されたりする現実が厳然と存在します。
何故でしょうか。その人権侵害、差別の多くが制度的に組み込まれ、政府自体によって実行されているという状況があるからです。そして、日本には権力から独立した人権機関がないからです。
しかし、それを国際社会は見過ごしてはいません。国連人権理事会、自由権規約委員会、社会権規約委員会、人種差別撤廃委員会、女性差別撤廃委員会、子どもの権利委員会、拷問禁止委員会、人権高等弁務官、ユネスコなど実に多くの国連諸機関が日本における諸々の人権侵害、差別を事実認定し、制度等の是正と被害を受けている人びとの人権回復を日本政府に繰り返し勧告しています。日本政府は確かにその一部を受け入れ、是正しましたが、多くを無視・放置しています。「従う義務なし」と閣議決定した例すらあります。
その結果、国際人権法に違反する人権侵害事例は減少するどころか後を絶ちません。ヘイト・スピーチすらも半ば野放しです。このような状況を変えていかなければなりません。安倍政権はいま、近隣諸国との緊張をあおって国民に「愛国心」を強要し、「積極的平和主義」の名の下に集団的自衛権行使を合憲化しようとしています。日本を「戦争する国」に変えていこうとするものと言わざるを得ません。しかし、戦争は「人権侵害」そのものです。
私たちは、この国を「戦争する国」ではなく、他国、世界の人々から尊敬される国、そしてそれを誇りに思える国にしていきたい。そのためには、この国から構造的暴力・差別を除去し、人権、人の尊厳が実現されている国に変えていく必要があります。本日、この集会に集った私たちは、国連・人権勧告の実現をめざしてともに闘うことを表明します。差別され、人権を侵されているすべての人びとと手を携え、人間の尊厳と人権の確立にむけて歩んでいくことを宣言します。
2014年1月25日
国連・人権勧告の実現を!集会+デモ参加者一同