集会等の報告
2012年07月16日
速報 17万人が参加して「さようなら原発集会」おこなわれる
脱原発運動では、日本でこれまで最大の17万人が参加して「さようなら原発集会」が7月16日、東京・代々木公園で開かれました。猛暑にも関わらず、会場には北海道から九州まで全国からの参加者、家族連れや団体、グループ、個人の参加者が、朝早くから続々と集まりました。
11時過ぎには早くも会場が参加者で埋め尽くされ、12時過ぎからメインの第1ステージは小室等さんなどによるオープニングライブからスタート。続いて集会が開かれ、まず7人の呼びかけ人からあいさつがありました。作家の鎌田慧さんは、政府が今行っている2030年のエネルギー政策のあり方の検討について「絶対に原発ゼロにさせなければならない。そのためにどんどん意見を言っていこう」と呼びかけました。
音楽家の坂本龍一さん(写真下)は「たかが電気のために、なぜ命を危険にさらさなければならないのか。お金よりも命が大事だ」と訴えました。経済評論家の内橋克人さんは、一部で起きている脱原発運動への中傷などを批判し「合意なき国策の上に、日本中に原発が作られてきたことに、はっきりと“さようなら”の声をあげよう」と語りました。
作家の大江健三郎さん(写真下)は、昨年来の1千万人署名などの原発反対運動の高まりのなか「この運動は勝つと確信した。しかし、大飯の原発再稼働を許してしまった。これは私たちが侮辱されているということだ。しっかりやり抜こう」と強調しました。また、作家の落合恵子さんも「原発はいりません。再稼働もいりません」と、再稼動を容認した野田首相を厳しく批判しました。
澤地久枝さんは、集会に子どもたちも多く参加していることをあげ、「この未来に続いていく命のために、私たちが今できることをやろう」と訴えました。東京での「さようなら原発集会」に初めて参加した作家の瀬戸内寂聴さんは「これまでも日本で政府に文句を言う自由が奪われた時代があった。人間が生きるということは、自分以外の人の幸せのために生きていくことだ。悪いことはやめさせるよう政府に言い続けよう」と、90歳とは思えない元気な声で呼びかけました。
賛同人から、原発問題の講演・著作も多い評論家の広瀬隆さんが「政府の言う電力不足は全くのウソだ。大飯原発は巨大地震に見舞われる危険な地帯にある。国民に一時的な負担があっても、まず原発を止めよう」と具体的に提起しました。再稼動された大飯原発のある福井から中嶌哲演さん(福井県小浜市の明通寺の住職)が参加し「大飯原発再稼働は死刑判決を受けたようなものだ。住民を無視した巨大な利権構造がある。第2のフクシマにしてはならない」と訴えました。
集会の最後に、昨年の9月19日の明治公園での6万人集会のスピーチでも感動を呼んだ武藤類子さん(ハイロ(廃炉)アクション福島原発40年実行委員会)が立ち、「1年余にわたって、1人ひとりが考え、様々なことをやり遂げてきた」ことを讃えようと呼びかけながら、「絶望こそ希望だ、という言葉もある。声なき声をともにあげ、分断されることなく、ともに歩んでいこう」と力強く訴えました。
この他にも、3つのステージが設けられ、それぞれ関係者や全国、そして韓国からの参加者も含めてのトークや、ライブが行われました。
集会と併行しながら、パレード行進が3つのコースに分かれて行われました(写真上)。参加者は思い思いにプラカードや横断幕、うちわなどを掲げて、「原発反対!」「再稼動を許すな!」などとアピールしながら、元気よく行進しました。