声明・申し入れ、東北アジア平和キャンペーン
2016年04月06日
[戦後70年 新しい東アジアへの一歩へ!市民連帯 声明]「朝鮮民主主義人民共和国への制裁強化に反対し対話による東北アジアの平和実現を求める声明」
朝鮮民主主義人民共和国への制裁強化に反対し
対話による東北アジアの平和実現を求める声明
朝鮮民主主義人民共和国(以下、朝鮮)による核実験・人工衛星の打ち上げを受け、国連安全保障理事会は同国への制裁強化を図り、日本政府も独自制裁の強化を行っている。この制裁は東北アジアの平和を脅かすものであると同時に在日コリアンの人権を著しく侵害するものであり、わたしたちは憤りを禁じ得ない。
日本政府は2月10日「拉致、核、ミサイルと諸懸案を包括的に解決するために何が最も有効な手段かという観点から真剣に検討してきた結果」として、ヒト・モノ・カネの移動に厳しい制限を課すことを決定した。これによって朝鮮籍者は再入国が厳しく制限され、朝鮮への現金の持ち出しや送金にも厳しい制限がかけられることになった。また朝鮮国籍の船舶はもちろん朝鮮に寄港した第三国籍船舶さえも入国が出来なくなり、資産凍結の対象となる関連団体・個人の範囲も拡大されたという。
さらに文部科学省は3月29日「朝鮮学校に係る補助金交付に関する留意点について」を通知した。馳浩文部科学大臣は「(補助金の)減額、自粛、停止を指示する内容ではない」としているが、自民党内からはかねてより朝鮮学校への補助金支給中止を求める声が上がっており、この通知も制裁措置の一環と捉える報道もなされている。
制裁の名を借りた人権侵害・差別は到底看過できない問題だ。日朝国家間の関係と在日コリアン個々人の人権は無関係である。国連人種差別撤廃委員会のユエン委員も2014年8月の日本審査において、朝鮮や朝鮮総連との関係を口実に朝鮮高校を「高校無償化」制度から排除することは「差別という人権侵害の問題」であるとしている。国際社会からの批判は必至である。
昨年10月1日、国連総会において朝鮮のリ・スヨン外務大臣は「朝鮮半島での戦争を回避するための建設的な対話をする意思がある」とし、「朝鮮戦争の休戦協定を平和協定へ」転換することを国際社会に呼びかけている。しかし日米韓3国はこうした訴えを黙殺するのみならず、軍事同盟の強化や合同軍事訓練による挑発を繰り返している。こうした姿勢が国際社会における朝鮮の孤立化を進め、核武装の道へと追いやったことは否めない。制裁は日朝関係を悪化させるだけである。
日米韓が中心となって進めている制裁はむしろ東北アジアの平和を脅かし、非核化への道を閉ざすものである。わたしたちはただちに制裁を解除し、朝鮮との不断の対話によって平和と友好の東北アジアを構築することを呼びかける。特に日朝関係においては日朝平壌宣言・ストックホルム合意に基づいた交渉を再開させることを求める。
2016年4月6日
戦後70年 新しい東アジアへの一歩へ!市民連帯
<構成団体>
フォーラム平和・人権・環境、ピースボート、日韓つながり直しキャンペーン、日韓民衆連帯全国ネットワーク、「高校無償化」からの朝鮮学校排除に反対する連絡会、村山首相談話を継承し発展させる会、東京朝鮮人強制連行真相調査団、6・15共同宣言実践日本地域委員会、朝鮮学園を支援する全国ネットワーク、朝鮮の自主的平和統一を支持する日本委員会、日本朝鮮学術教育交流協会、「戦争と女性への暴力」リサーチアクションセンター(VAWW RAC)、全日本建設運輸連帯労働組合(13団体・順不同)