2019年、トップランク、集会等の報告
2019年10月15日
朝鮮学校の子どもたちに学ぶ権利を!東京で集会
10月1日から始まった幼児教育・保育の無償化で、無償化の対象から外された朝鮮幼稚園をはじめとした各種学校の問題を問う集会が10月11日、朝鮮学園を支援する全国ネットワークなどが主催し、東京・連合会館で行われました。
平和フォーラムの藤本泰成共同代表は、開会あいさつの中で、朝鮮学校の無償化排除や愛知で開催された「表現の不自由展。その後」などの問題に触れ、非文化的、不自由な雰囲気が蔓延している今日の日本の社会状況を話し、人権や民主主義など憲法の理念について意識がない安倍首相が、社会を後押ししているのではないかと課題を投げかけました。
講演では、朝鮮幼稚園に通う子どもの保護者でもあるソン・ヘス(宋恵淑)さんが、幼保無償化が実施される経過で、当事者の意見を聞くことなく政策決定がされた問題点を指摘したうえで、朝鮮幼稚園など各種学校の幼児教育施設が意図的に排除されたものだとして、政府の対応を批判しました。そして、ブラジル人学校の幼児教育施設も排除されているところから、朝鮮幼稚園の無償化適用を求める運動を足がかりにして、マイノリティーの子どもたちの教育の権利、学ぶ権利を確立させようと訴えました。
つづいて、朝鮮高校の無償化を求める裁判で、東京の裁判の弁護団を務めているリ・チュニ(李春煕)さんが、朝鮮高校無償化裁判の最高裁決定について報告し、8月27日の東京裁判での上告棄却の決定に対して、少数者の人権保護の義務を果たしていないと批判しました。一方で、裁判を提起したことによって、政治家と文部科学省の関与による政治的判断で朝鮮学校を無償化から排除した実態などを解明することができた点など、記録を後世に残すことができたことなどを評価し、今後の運動に利用して、当事者、支援者とともに頑張っていく決意を述べました。
最後に、高校無償化からの朝鮮学校排除に反対する連絡会の長谷川和男代表が、マイノリティーの自由と人権をないがしろにする社会の雰囲気を変えていこうとよびかけ、集会参加者は拍手で意思を確認し合いました。