声明・申し入れ、2017年

2017年10月06日

第48回衆議院議員総選挙にあたって

 フォーラム平和・人権・環境
共同代表 福山真劫

 9月28日、安倍首相は、森友・加計学園問題の究明を求める野党の要求に応じないばかりか、臨時国会冒頭で衆議院解散を行いました。森友・加計学園問題などの市民社会の不信に向き合おうとせず、東北アジアにおける平和外交への議論も放棄し、自らの政権の維持を目的とした解散は、憲法に反する首相権限の濫用とも言えるものです。国会解散は、憲法第7条の天皇の国事行為における内閣の助言と承認を根拠にしたものですが、第7条は「国民のために」と規定されており、このような解散に大義はなく、主権者の権利を侵害し政治を私物化するもので、決して許されません。
 総選挙を前にして、小池百合子都知事を代表とする「希望の党」に、野党第一党の民進党が合流しました。民進党の前原誠司代表は、合流の理由を「政権交代」に求め、すべての民進党衆議院議員の合流を示唆しましたが、小池代表は、候補公認のための政策協定書に「現行の安全保障法制については、憲法にのっとり適切に運用する」「憲法改正を支持し、憲法改正論議を幅広く進める」「外国人に対する地方参政権の付与に反対する」などの条件を付し、意見の相違を認めずに民進党の一部議員を排除するとして、大きな政治的混乱をきたしました。前原代表の責任は重大です。
 小池代表が示したこれらの条件は、憲法の平和主義を踏みにじり、排外主義を肯定するものです。小池代表は「しがらみのない政治を行い、日本をリセットする」と述べ、希望の党を「寛容な改革保守」としていますが、その政治主張はむしろ極右的なもので、安倍政権と何ら変わるものではありません。自民党の補完勢力でしかない維新の会と連携し、安倍首相との連携は否定するものの、小池代表は選挙後の情勢の中では、自民党との連携にも含みを残しています。私たちはこうした希望の党の方針を、支持することはできません。
 希望の党が示した政策協定を拒否し、これまで民進党が進めてきた政策を支持する枝野幸男民進党代表代行は、あらたに「立憲民主党」を立ち上げました。「まっとうな政治」を掲げて、9条改憲を許さず、原発ゼロを実現するなどの公約を掲げ、民主リベラルの旗を掲げました。
 戦後日本の市民社会は、日本国憲法の平和主義、民主主義、基本的人権の尊重という理念の実現に向け努力を重ねてきました。この歩みを、道半ばにして止めてはならないと考えます。その立場から、私たちは立憲民主党の発足を歓迎するとともに、社民党などとの野党共闘の枠組みをいっそう強化し、安倍政権退陣に向けて、たたかいを進めていかなくてはならないと考えます。
 改憲を主張する自民党、希望の党、維新の会の伸長は、改憲への一気呵成の道を開くものであり、そしてまた戦争への道を開くものです。平和フォーラムは、平和と民主主義、そして一人ひとりのいのちの尊厳を守ろうとする全国の仲間に対して、改憲と戦争への道を阻むためにも、総選挙勝利に向けて全力を尽くされることを呼びかけます。

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