声明・申し入れ、2015年

2015年11月27日

第47回食とみどり、水を守る全国集会 特別決議

   TPP交渉の情報公開と「合意」からの撤退を求める決議

 環太平洋経済連携協定(TPP)交渉は、10月5日、アメリカ・アトランタで開かれた閣僚会合で「大筋合意」に至ったとの発表がなされました。その後、11月5日には条文案(暫定)が公表されました。しかし、交渉の過程における情報公開や市民参加は極めて不十分であり、有権者の代表である国会議員への情報公開すらほとんど行われないまま、交渉が進められてきました。また、条文案の日本語訳も極めて簡略化されたものでしかなく、他国での公表内容とは大きく異なっています。
 2013年4月に、日本の交渉参加にあたって衆参農林水産委員会で行われた決議では、農林水産物の重要品目の関税撤廃を認めないことや、食の安全・安心・安定生産の確保、企業が相手国を訴えることが出来るISDS条項(投資家対国家間の紛争解決条項)反対などを決議し、それが確保できない場合は、脱退も辞さないものとしました。しかし、日米協議で譲歩を重ね、コメの輸入枠設定や牛・豚肉の関税大幅引き下げなどを受け入れました。また、食の安全や医療、ISDS条項など、国会決議を踏みにじる内容であるという懸念が高まっています。
 安倍政権は、自らの公約や国会決議、さらには「説明不十分」という国民世論も無視して秘密交渉を続け、終始、交渉の合意に前のめりの姿勢を取り続けました。また、安倍政権は安全保障政策とTPPをリンクさせることをめざしています。これは、戦争法案とともに、米国追従、日米同盟の強化を目論んだものと言わざるをえません。
 今後、各国では協定の発効に向け、署名と議会批准などの手続きが行われます。また、日本政府は早々に関連政策大綱を打ち出しています。しかし、それらに先だって、TPP交渉の過程を含めて、情報公開の徹底、市民参加の政府説明会と対話、新たな影響試算、パブリックコメントの実施、国会における徹底した審議を行うことを求めます。そして、国会決議に違反する場合は「合意」から撤退するよう強く要求します。
 私たちはこれまで、全国で多くの人たちと力を合わせて、宣伝や集会、学習会、フォーラムや国際シンポジウムなどを展開してきました。また、世界の人たちとも連帯し、不公正な通商交渉に反対してきました。今後とも、国内外の関係団体とともに、TPP交渉の問題点を追及し、国会決議違反、民意を無視したTPP協定の発効を許さない取り組みに全力をあげます。
 以上、決議します。

                                                              2015年11月27日
                                  第47回食とみどり、水を守る全国集会 参加者一同

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