2014年、集会等の報告
2014年11月29日
第46回食とみどり、水を守る全国集会に全都道府県から500人参加
平和フォーラムや消費者・市民団体、農民組織などで構成する実行委員会(石原富雄実行委員長)主催の「第46回食とみどり、水を守る全国集会」が、11月28日~29日に、東京・日本教育会館で開催され、全都道府県から500人以上が参加。「当たり前に生きたい!むらでもまちでも─地域の営みが変える未来」をスローガンに掲げ、食の安全・安心や農林業政策、環境問題などをめぐり、討議と交流を行いました。
主催者あいさつに立った石原実行委員長は、安倍政権の大義なき衆院解散・総選挙を批判し、「今回の総選挙は食・みどり・水に関わる取り組みにとっても大きな局面にある。持続可能な循環型社会を実現し、農林水産業の再生を図るためにも奮闘しよう」と訴えました。(上写真)
集会開催地の東京実行委員会を代表し、連合東京の須永謙治会長代理も駆けつけ、激励あいさつを行い、また、西川公也農林水産大臣と古賀伸明連合会長のメッセージも紹介されました。
情勢と運動の提起を道田哲朗・集会事務局長が行い、「TPPなど貿易自由化の動き」「食の安全・安心と食料・農業・農村政策」「森林・水を中心とする環境問題」を中心に動きと課題を提起し、「これらの課題を一体のものとして捉え、①大震災・原発事故を契機として政治・経済・社会構造の見直しを図る。②食・みどり・水、農林漁業を基軸に、地域からいのちと暮らしを守る運動を拡大する。③地域資源を活用した食・エネルギー自給、市場経済優先から循環型社会への転換をめざすために討議・交流を進めよう」と呼び掛けました。
「地域の営みが変える未来」をテーマにしたシンポジウム(上写真)は、山形県長井市で水田と自然養鶏を営み、地域の資源循環のレインボープランを推進し、現在は「置賜自給圏構想」を提唱している管野芳秀さんが、今年の生産者米価の暴落など農村の現状を訴え、さらに環太平洋経済連携協定(TPP)などに対抗した地域の自給圏構想運動、生産者と消費者の関係作りを提起しました。
また、太田区議員時代から、子育て、介護、障害、環境、財政、まちづくりなどに取り組み、現在、市民政策アナリストとして特に国家戦略特区問題に取り組む奈須りえさんは、「戦略特区とは、企業のためにルール無き無法地帯を作るものだ。自治体の権限も奪われてしまう。市民が作り上げる新たな公共が必要だ」と語りました。
こうした現場からの意見を受け、農林中金総合研究所常務などを務め、全国の農業・地域問題を調査・政策提言している農的社会デザイン研究所代表の蔦谷栄一さんが「行きにくい社会からの脱却と農的社会への転換」として、「グローバル化に対抗するのは地域の営みだ。生命を核とした自立・共生・あらたな協同をめざす関係性の紡ぎ直しを」と呼び掛けました。
第1日目の最後に、「衆議院総選挙の勝利をめざす特別決議」が提案され、「平和と民主主義、人権、食とみどり、水・環境を守る政治の流れをつくりだすために奮闘しよう」と確認されました。
第2日目は分科会が開かれ、第1分科会 「課題別入門講座」では、原子力資料情報室の上澤千尋さんから「原発問題入門 原発はなぜ危険なのか」、練馬区で農業を営み、体験農園園主の白石好孝さんから「都会と農業の楽しい関係」の講演を受けました。第2分科会の「食の安心・安全・安定をめぐって」では、食の安全・監視市民委員会の神山美智子代表などが食の安全行政、学校給食への地場産農産物導入、有機農業の推進と地産地消運動について討議しました。
第3分科会の「食料・農業・農村政策」では、農林水産省の大臣官房政策課長や東京農業大学谷口信和教授などが、所得補償政策、TPPなどの農政の問題について議論を取り交わしました。第4分科会の「森林・水を中心とした環境問題をめぐって」では、水ジャーナリストの橋本淳司さんなどが、自治体での水保全の動きや水循環基本法、水と森林の関係について提起し、討論を行いました。
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