声明・申し入れ、2013年
2013年07月23日
参議院選挙結果についての平和フォーラムの見解
参議院選挙結果についての見解
フォーラム平和・人権・環境
共同代表 福 山 真 劫
7月21日、第23回参議院選挙が行われ、民主党、社民党の惨敗、自民・公明党の大勝利、共産党の躍進、日本維新の会、みんなの党の伸び悩みという結果となりました。これにより、自公は、参議院でも3分の2には届かなかったが、過半数を獲得し「ねじれ」を解消しました。衆議院での3分の2議席と合わせて、巨大与党が誕生したことになりました。私たちは、この冷厳な事実を冷静に見つめ、その総括のうえに次の一歩を踏み出さなければなりません。
しかし、戦後レジームからの脱却をめざすとして「戦争する国づくり、憲法改悪、原発推進、沖縄切り捨て路線、歴史認識の見直し」の安倍自民党路線が国民から支持されたわけではありません。各種報道でもあるとおり、国民の意思との間のねじれも、東アジア平和共存をめざしての関係諸国とのねじれも解消されたわけではありません。
また国民が期待したアベノミクスについても、時が経過するにつけ、国内外の投資家と大企業のみが恩恵を受け、格差社会がさらに進行し、日本経済は破たんの危機に遭遇するという事実が明らかになりつつあります。こうした事態にも関わらず、対抗軸を作れなかった野党の責任は重大です。また投票率が約53%と戦後3番目の低さにも表れているとおり、国民の多くは投票すべき政党を見つけることが出来なかったのも事実です。
民主党は声明で「失った信頼を取り戻すことができず非自民の声を結集することができませんでした」としています。もちろんそれもありますが、基本的には党内における路線の対立の結果、最大の焦点であった憲法、脱原発、オスプレイと沖縄の基地課題、アベノミクスと格差社会、TPPで自民党と対抗する路線を鮮明に打ち出せず、これでは国民の支持が得られるわけがありません。
社民党は「発信力が弱まり、支持が広がらなかった」としています。政策は平和フォーラムの政策と重なり合う部分が多いのですが、反自公勢力の受け皿となれず、存在感の低下は深刻です。民主党、社民党には「再出発めざして」の後のない議論と奮闘に期待したい。
安倍自公政権は「勝利」を受けて、基本的に「新自由主義路線と改憲を視野に米国従属のもとに戦争する国づくりへ」突き進むことが予測されます。そして当面、改憲を視野に入れた集団的自衛権の合憲化、原発再稼働、オスプレイ訓練・沖縄への新基地建設推進、労働分野での規制緩和、TPP交渉推進、格差社会のさらなる進行などが最大の焦点となります。平和・社会民主主義・脱原発をめざす平和フォーラムはこうした安倍路線は絶対に許せません。
平和フォーラムの果たさなければならない役割はますます重要となっています。組織と運動をより一層強化し、安倍政権と全面的に対決します。民主党、社民党、立憲フォーラムなどの政党との連携、連合をはじめとする労働団体、平和団体、人権団体、市民団体などと全力で連帯の輪の拡大し、安倍自公政権を包囲しよう。
2013年7月23日