声明・申し入れ、2011年

2011年11月21日

日朝国交正常化を求める連絡会全国総会・記念講演会集会アピール

   「韓国併合」から100年目にあたる2010年、朝鮮半島では哨戒艦事件や砲撃事件をきっかけに、これまでになく緊張が高まりました。私たちは、朝鮮戦争停戦以来、半世紀以上の歳月が流れたにもかかわらず、戦争が平和協定により終止符を打たれることもなく、今日に至っている現実をあらためて思い知らされました。この節目の年にあたって、日本が朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)と国交を正常化し植民地支配の歴史を謝罪する作業を具体化することもできませんでした。
   2012年は関係各国の政権交代期にあたり、東北アジアの将来が左右される年です。また、北朝鮮では金日成主席生誕100年を迎えます。日本の植民地支配と戦ったことを原点として北朝鮮が国づくりをしてきたことを思う時、朝鮮半島の平和に向け、みずからの役割を果たすべき機会としてこの年を生かそうとすることは、日本社会にとって重要なことではないでしょうか。
   2011年には南北対話、米朝対話が開始され、これ以上緊張を高めることがないよう関係各国の努力がなされつつあります。中国は六者協議議長国として引き続き東北アジアの安定に努力しており、ロシアも南北朝鮮とのパイプライン連結をてこに地域の平和に関与しようとしています。
   この間、日本政府は北朝鮮に対して制裁措置を継続するだけでなく、在日朝鮮人に対する監視や抑圧を強め、朝鮮高校を無償化措置の対象から除外してきました。地方自治体においても朝鮮学校に対する補助金を削減するなどの動きが進んでいます。在日朝鮮人が国際的に認められた民族的権利さえ無視される状況では、日朝関係を前進させ諸懸案を解決する糸口をつかむすべもありません。
   日朝交渉が始まってすでに20年です。来年は、小泉首相が訪朝し日朝平壌宣言が合意されて拉致被害者6名が日本に戻ってから10年になります。日朝交渉を再開し、日朝国交正常化に向けて前進することで、東北アジアの平和に向けて日本がその役割を果たすべき時です。私たちは以下のように呼びかけます。

  1. 2012年4月15日までを機会として、日朝国交正常化交渉を再開するよう日本政府に働きかける。
  2. 日朝交渉の成果に基き、日朝平壌宣言10周年に際して野田佳彦首相が訪朝して、新たな日朝共同声明により関係正常化(制裁解除と国交樹立)を行なうよう世論に訴えていく。
  3. 北朝鮮にいる原爆被爆者、日本軍「慰安婦」に対する個別的措置が行なわれるよう日本政府に働きかける。
  4. 日本メディアの北朝鮮バッシングを批判し、建設的な問題提起がなされるよう市民社会に訴えていく。
  5. 朝鮮学校に対する高校教育費無償化措置を一日も早く実施するよう日本政府に働きかける。
  6. 地方自治体の朝鮮学校支援削減や打ち切りに対し抗議し、国際的規範にのっとり在日朝鮮人の権利の拡大を図る。
  7. 12月10日から16日の北朝鮮人権週間に際し、「拉致問題解決のために日朝交渉を再開せよ」「日朝国交正常化を実現し諸懸案の解決に向けて前進せよ」と訴え、さまざまな形で広報宣伝活動を行なう。

TOPに戻る