声明・申し入れ、2011年、人権コーナー

2011年02月26日

「2.26朝鮮学校への「無償化」即時適用を求める大集会」決議

○ 「高校無償化」手続き停止に怒りをもって抗議する!
 2011年2月4日、文部科学省は、朝鮮高級学校への「高校無償化」適用手続きを「凍結」している理由について、2010年11月の軍事衝突を挙げ、「不測の事態に備え、万全の体勢を整えていく必要があることに鑑み」手続きを停止していると、学校側に通知した。これでは、朝鮮学校を敵視しているも同然です。また、法に基づく異議申し立てに対し、なんら合理的な説明になっていません。朝鮮半島における砲撃戦と朝鮮高級学校に「高校無償化」を適用するかどうかは、何の関係もないことです。朝鮮学校を差別し、子どもの人権を侵害し、「法の下の平等」を踏みにじるこのような措置は、断じて許されるものではありません。私たちは、怒りをもって抗議します。

○ 朝鮮高校に「高校無償化」即時適用を!
 そもそも制度発足の当初から、朝鮮学校にも「高校無償化」を適用すべきでした。そして、民族教育への弾圧の歴史を断ち切るための第一歩とすべきでした。すでに31校の外国人学校やインターナショナルスクールが「高校無償化」の対象となっているなか、朝鮮学校を狙い撃ちして排除することは、差別以外のなにものでもありません。文部科学省が設置した検討会議の報告書にも「外交上の配慮などにより判断すべきものではなく、教育上の観点から客観的に判断すべきものであるということが法案審議の過程で明らかにされた政府の統一見解である」と明記されています。政府は自らの言葉に責任を取らねばなりません。即時に、「高校無償化」を朝鮮高級学校に適用するよう日本政府に要求します。

○ 差別の歴史を断ち切り、朝鮮学校への権利保障を!
 日本政府はこれまで、植民地支配の責任を省みることもなく、在日朝鮮人の民族教育を否定してきました。朝鮮学校は、義務教育段階を含めた学校教育を担っているにもかかわらず、法律上「各種学校」とされ、国からの公的な助成は一切ありません。それどころか、学校への寄付金に対する税制上の差別すらあります。これらの差別については、日本弁護士連合会や国連の委員会から、繰り返し是正勧告が出されています。本来なされるべきは、朝鮮学校をはじめとする外国人学校に対する差別的な処遇を改め、日本に暮らすすべての子どもに学ぶ権利を保障することです。

 ここに集まったわたしたちは、日本政府による悪辣な差別と取り返しのつかない愚行を、満腔の怒りとともに糾弾します。そして、心ある全ての人々に、それぞれの場所、それぞれの立場から、あらゆる手を尽くして、この差別と闘うことを呼びかけます。

2.26朝鮮学校への「無償化」即時適用を求める大集会 参加者一同

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