2024年、集会等の報告

2024年11月22日

2024ピーススクールを開催しました

2024年10月18日から20日まで、2泊3日の日程で、「平和フォーラム2024ピーススクール」を開催しました。今回、5回目の開催です。
全国各地から22団体30人(通しで27人、うち女性5人、申し込みは18団体から)が参加してくれました。職種や世代が違う4~5人ずつで、6グループを基本の形としました。
残念ながら、当初予定していた政治家と直接対話する講座や国会見学などは変更せざるを得なかったのですが、座学・フィールドワークを組み合わせるという点は変更なく実施できました。(内容は下記表に記載)

 

初日、開校式ののち、緊張をほぐすためのアイスブレイク(自己紹介などのレクリエーション)を行いました。
講演一つ目は、人権課題でした。移住者と連帯するネットワーク・事務局長の山岸素子さんから「外国人移住者との共生」に焦点を当て、移住者がどのような生活を強いられているかということ、法律や制度など、多角的にお話しいただきました。
続いて、岩手大学准教授の本庄未佳さんから「平和主義と立憲主義」を主軸に憲法前文と9条の関係性に触れた憲法の講義が行われました。自身の研究で分かった憲法前文の制定過程などを熱く参加者に伝えました。
夕食交流会では、参加者同士の交流のほか、講義の感想を直接講師に伝えに行く姿なども見られました。

2日目は、「人権問題総論」として、ノンフィクションライターの安田浩一さんから、身近にある人種差別や歴史的な差別による悲劇などを学びました。前夜に取材した選挙中に行われていた差別の現場の様子を例に取り入れるなど、多くの写真を用いて講演していただきました。
続いて、平和フォーラムの染裕之代表より、「新しい戦前を考える」をテーマに労働組合の政治への関わりを歴史的な出来事と絡めながら、「政治課題」の講義が行われました。午後に予定しているフィールドワークの19日行動を主催する総がかり行動実行委員会の結成の経緯などにも触れ、労働者として「平和運動」に関わることについて考えるきっかけなったはずです。
昼食をはさんで、戦争させない1000人委員会事務局長で弁護士の内田雅敏さんから「靖国問題」についての講演をしていただきました。午後のフィールドワークで訪問する「靖国神社」についての事前学習です。「石がなぜこの形なのか」、「どこから持ってこられたものなのか」など、戦時中の歴史を含めた講演となりました。
その後、全員で議員会館前に移動し、総がかり行動実行委員会主催の「19日行動」に参加しました。屋外での行動ということもあり、10月も中旬を過ぎたにも関わらず気温が高かったことは、大変だったかと思います。その後移動して、内田弁護士を案内役に遊就館や靖国神社内を回りました。なんとなく眺めていたら見落としてしまうような標記であったとしても、戦前に何があったかの説明を受けた上で見学すると見え方が大きく変わります。靖国神社内を見学し、ピーススクール会場に戻り、「靖国神社」に関する講演の続きを受け2日目が終了となりました。


最終日、平和フォーラムの谷雅志事務局長が、「原水禁課題総論」という括りで、被爆や原発など、原水禁運動がどのような志の元に行われているかを語り、そして、参加者にどのように関わっていきたいかと問いかけました。
その後、ピーススクールの総集編としてディベートを行いました。「安全保障に関する防衛力の強化」「原発推進政策」「労働組合の平和運動」の3テーマを賛成・反対と分け、各グループで議論を交わしました。自分の思いとは違う主張をしなければならない葛藤からか、妙に口調が固くなってしまう参加者の姿もありました。ディベート後の「本心ではなく、苦しかった」という感想がある一方、「今後の交渉の場面で役に立ちそう」という感想もありました。
閉校式は、参加者が輪になって座り、感想を伝え合いました。

2泊3日という日程は、長いようであっという間だったかと思います。多くの講座が詰め込まれ、参加前に「理解できるのか」と不安な気持ちを持っていた参加者からも、終了後には「参加して良かった」と好意的な感想をいただいています。
短い時間では、なかなか砕けた関係になることは難しいかもしれません。厳しくも楽しい時間を共に過ごした仲間だからこその絆ができ、平和運動の場で再開することを期待しています。

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