5月, 2017 | 平和フォーラム
2017年05月30日
平和軍縮時評2017年5月号 核兵器禁止条約成立へ―この歴史的転換を北東アジア非核兵器地帯」設立の好機としよう!
3月27日の「核兵器禁止条約交渉」会議の第1日、日本代表は「禁止条約交渉に参加しない」理由を次のように(「時評」17年3月号)述べた。
―核兵器廃絶のためには、人道と安全保障の両方の認識が必要だ。「禁止条約」アプローチには北朝鮮の核の脅威に代表される安全保障課題への深刻な認識が欠落している。
同会議が開催された17年3月、昨年1年間で2回の核実験(通算6回)、10回の弾道ミサイル発射と1回の人工衛星打ち上げを行った北朝鮮は、ミサイルによる挑発を繰り返していた。3月6日に発射された4基の弾道ミサイルのうち3基は1,000キロメートルを飛び、日本の排他的経済水域(EEZ)内に落下した。北朝鮮はこれを「在日米軍基地への攻撃訓練」と呼んだ。日本の支配者たちはひたすら「恐怖」を煽った。
日本政府の論理は「このような脅威に対処するには米国による核の傘(拡大抑止)が不可欠。その脅威が解消されない限り日米同盟は核能力を手放すわけにはゆかない。したがって核兵器禁止条約は日本の安全保障にとって有害だ、というものだ。
ミサイル発射と米韓合同演習
―「挑発」と「圧力」の無限スパイラル
日本政府に言われるまでもなく、朝鮮半島を巡る軍事緊張はかつてないほど高まっている。
17年1月から5月に至る朝鮮半島の動きを日誌にまとめた(「朝鮮半島日誌」)。度重なる国連安保理の禁止・制裁決議や声明にも拘わらず、昨年1年間で2度の核実験、20回以上の弾道ミサイル発射と1回の人工衛星打ち上げを行った北朝鮮は、トランプ政権発足から間もない2月12日、今年最初の弾道ミサイルを発射した。これに対するトランプ政権の無定見な対応も緊張を高めた。
3月1日に始まった最大規模の米韓合同演習は4月30日までつづいた。四軍実動演習「フォールイーグル」(3月1日~4月30日)と指揮所演習「キーリゾルブ」(3月13~24日)が複合・連動する演習である。昨年は「斬首作戦」と呼ばれる政権打倒シナリオを含むことが注目されたが、これとともに今年の演習には15年11月に韓米間で合意された「4D抑止戦略」―北朝鮮の核・ミサイル施設から防衛(defend)し、それらを探知(detect)、妨害(disrupt)、破壊(destroy)するシナリオを含むと韓国当局は話している。危機が差し迫っているときには、先制攻撃を行うことも想定されている。
演習には戦略爆撃機、空母打撃団を含むあらゆる戦略的資産が投入されているほか、かつてアルカイダの指導者ウサマ・ビンラディンを殺害した米特殊部隊が1,000人規模で参加と言われている。総戦力は30万人を超えるとされているが具体数は公表されていない。
当然のことながら、北朝鮮政府と軍はこれらの演習が体制打倒をも狙うものとして極度の警戒心を抱いた。その警戒心は今も解かれず朝鮮人民軍には戦時に匹敵する態勢が下命されているだろう。演習開始後に弾道ミサイル発射実験ペースが上げられたことは警戒心の表れである。3月6日に4基の弾道ミサイルを発射(うち3基は日本の排他的経済水域:EEZ内に落下)したときには、北朝鮮から「在日米軍基地への攻撃訓練」であったとのコメントも発せられた。
膨らむ疑心暗鬼、偶発的衝突の可能性
一方、ミサイル発射には「あらゆる選択肢」で対応するとしているトランプ大統領がいう「きわめて恐ろしい結末」(3月7日)が何を意味し、究極的な行動に踏み切ることを判断する「レッドライン」がどこに引かれているのかは曖昧にされたままだ。このことが北朝鮮の不安と疑心を増大させる。彼我の間の通常戦力の圧倒的な差を思えば当然である。米国が中国に対して制裁強化を迫り、中国も一部それに応じていることも北朝鮮の不安と疑心をいっそう高めている。
米朝間に公式の外交ルートが存在しない中で、このような敵対関係が継続すれば、偶発的な軍事衝突がいつ起こってもおかしくない。朝鮮半島はまさに一触即発の状況におかれている。
危険な「心理ゲーム」を早く終わらせねばならない。ボールを握っているのは明らかに圧倒的強者である米国だ。中国が提案した「合同演習とミサイル発射の相互中止」(3月7日)はその意味できわめて理にかなった提案だと思われる。この提案は米国から即刻拒絶されたが。
語られない「ミサイルの二重基準」
北朝鮮の1は国連安保理決議への違反であり、米、日、韓はこの国際法違反を止めさせるためには、経済制裁だけでなく軍事的圧力が不可欠であると主張する。しかし、その米国が07年以来の10年間で41回の弾道ミサイル発射実験を行っている事実はほとんど報道されていない。
世界には弾道ミサイル発射を包括的に禁止するルールは存在しない。国連安保理決議は北朝鮮に「弾道ミサイル技術を用いたいかなる発射」をも禁止しているが、それは同国の弾道ミサイルが核兵器開発と分かちがたく結びついているとの理由からだ。一方、米国が繰り返しているのは、まごうことなく核兵器を搭載するための「大陸弾道弾(ICBM)」の発射である。米国にゆるされるミサイル発射が北朝鮮にはゆるされない。この二重基準は、北朝鮮に、自らのミサイル発射を正当化する根拠を与えている。
この状況を打破するためには包括的で差別のない「弾道ミサイル」規制ルールが必要だが、「弾道ミサイル」と「衛星打ち上げ」をどう区別すするのかということも含めて問題が多く交渉は始まる気配はない。(「時評」2012年5月30日号)
「核兵器禁止条約」は、
「核兵器は誰がもっても、どこに有ってもならない」
という基準を確立する
朝鮮半島でこのような状況が続くなか、ニューヨークでの「核兵器禁止条約」交渉は順調に進み、5月22日は「議長草案」が公表された。(暫定的和訳はこちら。https://nuclearabolitionjpn.wordpress.com/2017/05/24/draftconvention/ 6月15日に始まる会期でいよいよ「核兵器禁止条約」のテキストが合意されようとしている。
皮肉なことに、北朝鮮と米国が現在、「よく似た基準」を共有している問題がある。それは「核抑止力」に関する原則だ。両国の「基準」は敵国の核を否定し、自らの核を正当化という意味で同質である。
まず、米国の基準:
―合衆国は、合衆国、同盟国並びにパートナーを攻撃することの代償として受ける結果が、攻撃することによって得られる利益を著しく上回るであろうことを潜在的敵国に確信させうる、信頼性ある核抑止力を維持するであろう。(13年6月9日・合衆国の核使用戦略に関する報告)
―日米同盟は日本の安全を確保する完全な能力を有している。米国は,あらゆる種類の米国の軍事力による自国の領土,軍及び同盟国の防衛に完全にコミットしている。(17年2月10日・日米首脳会談「共同声明」)
つづいて北朝鮮の基準(核兵器国地位確立法。13年4月1日):
―核兵器は、増大し続ける米国の敵視政策と核脅威に対処してやむを得ず保有することになった正当な防衛手段である。
―核兵器は、世界が非核化されるまでの間、DPRKに対する侵略と攻撃を抑止、撃退し、侵略の本拠地に対するせん滅的な報復打撃を加えることを任務とする。
重要なことは「核兵器禁止条約」が示そうとしているのが、このどちらとも異なる原理だということだ。それは「核兵器は誰の手にあっても、どこにあっても違法である」という「ひとつの基準」だ。禁止条約」の合意は、この基準を「拘束力ある法規範」として確立する歴史的な一歩だ。
当面は核保有国も日本や韓国、NATO諸国のような「核の傘依存国」は、条約に加入しないだろう。条約である以上、非締約国を直接縛ることはできない。しかし、国連加盟国の多数がこの条約を支持しているという事実から逃れられる国はない。米国であれ、日本であれ、北朝鮮であれ。
「核兵器禁止条約」の成立によって、世界の「光景」はまったく違うものになる。その新しい光景の中で、私たちには「安全保障」に対する考え方を根本的に見直すことが求められてゆくだろう。
世界的禁止と地域的禁止が共鳴する場―
「北東アジア非核兵器地帯」に進もう
日本の政府与党とメディア(特にテレビ)は、北朝鮮のミサイルにひたすら危機感を煽っている。タカ派政治家たちは、この機に乗じて軍拡を求める(https://www.jimin.jp/news/policy/134586.html)。いわく「ミサイル防衛を強化せよ」、「日本も敵地(北朝鮮)反撃力を持て」・・・。内閣府の「国民保護ポータル・サイト」(http://www.kokuminhogo.go.jp/shiryou/hogo_manual.html)へのアクセス数が3月は45万件、4月は22日現在250万件を超えたという。同サイトは「ミサイルから身を守る」方法を解説する。「攻撃当初は屋内へ避難し、その後、状況に応じ行政機関からの指示に従い適切に避難しましょう。屋内への避難にあたっては、近隣の堅牢な建物や地下街などに避難しましょう。」、その前には「着弾地の予想は困難なので、発射されたらサイレンをならす」などといっている。実際にはミサイルが飛んできたら身を守るすべなどないに等しいのに、これでは先の戦時中の「隣組」の回覧板と変わらない。
政府は、核兵器禁止条約を「安全保障課題への深刻な認識が欠落している」といって拒否したが、この程度のことしか考えられない政府の「認識」は甘すぎないか。発射されれば日本に10分で到達するミサイルを、北朝鮮はすでに百発単位で配備していると思われるのに。政府がやるべきことは、ミサイルが撃たれるような事態を回避するための外交交渉以外にない。
この国を、平和憲法を持つ唯一の戦争被爆国としてのあるべき姿に立ち返らせることはできないのだろうか。その手がかりは日本が16年の国連総会に提案し採択された「核軍縮決議」の1節にある。「関係する加盟国が、核兵器の役割や重要性の一層の低減のために、軍事・安全保障上の概念、ドクトリン、政策を継続的に見直しいくことを求める」。この一節が説得力をもつためには、日本自らが「政策を継続的に見直して」ゆかねばならないが、その様子はみられない。
日本、北朝鮮、韓国が非核兵器地帯を形成し、米国、中国、ロシアが3か国に「消極的安全保証」を提供する「北東アジア非核兵器地帯」(「非核兵器地帯の概念」)は、核兵器の役割や重要性を一層低減させる」ための現実的構想だ。それは核兵器の「地域的禁止」と核兵器禁止条約のいう「核兵器は誰がもっても、どこに有ってもならない」という原理を共鳴・共存させる仕組みだ。
「北東アジア非核兵器地帯」の形成プロセスは、「北朝鮮の核プログラムの放棄」を最初に求めるのではなく、北朝鮮の現状から出発する。そして、例えば「核・ミサイルプログラム」と「米韓合同軍事演習」を同時に凍結することから、「朝鮮戦争休戦協定を平和協定に変える」ことを含む朝鮮半島の平和のための懸案事項を段階的に解決してゆく、相互的で包括的なプロセスでもある。
社会のあらゆる場所、階層から「非核兵器地帯」設立の声を高めてゆこう。
これこそが「安全保障課題への深刻な認識」に基づき日本がとるべき行動ではないだろうか。◆◆
2017年05月29日
沖縄だよりNO.22(PDF)
2017年05月19日
衆議院法務委員会の「共謀罪」法案の強行採決に対する抗議声明
衆議院法務委員会の「共謀罪」法案の強行採決に対する抗議声明
フォーラム平和・人権・環境
事務局長 勝島一博
本日、衆議院法務委員会が、「共謀罪」法案(「組織的犯罪処罰法改正案」)の審議を打ち切り、強行採決を行なったことに、私たち平和フォーラムは強く抗議します。
政府・与党は、この「共謀罪」をめぐる法務委員会審議について、委員会審議30時間を基本に23日以降に衆議院を通過させ、6月18日までの今国会中の成立を目論んできました。
そして、本日の委員会の開催は、5月18日に開催された法務委員会理事懇談会で、野党は、充実した議論と問題点の解明に向けて十分な審議を保障するため19日中の採決を行わないよう求めたのに対し、与党は、「確約できない」と応じず、十分な審議よりも与党のスケジュールのみを優先した鈴木淳司委員長(自民党)が、職権で本日の委員会の開催を決定しました。
この間、政府は、2013年の秘密保護法、2015年の集団的自衛権行使を盛り込んだ憲法違反の戦争法の強行成立、さらに、2016年には「盗聴法・刑事訴訟法」の改悪を通じ、「戦争できる国づくり」を進めてきました。そして、今回の「共謀罪」法案は、「戦争できる国づくり」に向けて、監視社会を強め、これに反対する発言や活動を委縮させ弾圧するものです。
また、この「共謀罪」法案は、実行後の処罰を原則としてきたこれまでの刑法の体系を根底から覆し、共謀段階で処罰するというもので、その対象や、どのような場合に適用されるかは運用次第で刑罰権が恣意的に行使される恐れがある法案といえます。
それゆえに、反原発、反基地など、政府の重要施策に異論を唱える団体や市民に対し、捜査当局の恣意的な運用や過剰な取り締まりがなされる懸念を打ち消すことができません。沖縄平和運動センター議長の山城博治さんが微罪にもかかわらず、152日間にもわたって拘留されたことはまさに刑罰権の濫用であり、共謀罪の先取りであることは明らかです。
この「共謀罪」法案の目的、及び、その対象やどのような場合に適用されるかについてが、審
議の焦点でしたが、審議を重ねるほどに明らかになったのは、テロ対策のためといわれた「共謀罪」法案が全くテロの役に立たないということであり、不信任決議案が出された金田勝年法務大臣の答弁矛盾、答弁不能、答弁放棄にも見られるように、本人の資質もさることながら、法案そのものが矛盾だらけの不法・不当な内容であるということでした。
私たちは、刑罰権が権力によって恣意的に行使される中、憲法で保障された内心の自由を侵害し、監視社会の強化につながる「共謀罪」法案を院内の闘いと連携し何としても阻止していかなければなりません。
今日の法務委員会での強行採決により、闘いは、衆議院本会議の場に移ります。
平和フォーラムは、中央加盟組織や全国の運動組織と共に、戦争させない1000人委員会、戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会に結集し、広範な市民との連携のもと、廃案に向けて引き続き全力で闘い抜くものです。
2017年05月19日
沖縄だよりNO.21(PDF)
2017年05月17日
声明 関西電力高浜原発4号機の再稼働に強く抗議する
声明 関西電力高浜原発4号機の再稼働に強く抗議する
さようなら原発1000万人アクション実行委員会
関西電力は、多くの市民が反対する大飯原発4号機の再稼働を本日17時に強行しようとしている。この暴挙に強く抗議する。
高浜原発(3・4号機)は、2016年3月9日に、大津地裁が運転差し止めを認めた原発であったが、今年3月28日、大阪高裁が、関西電力の訴えを全面的に認める決定を行った。これを受けて関西電力は高浜原発4号機を本日、3号機を6月にも再稼働しようとしている。
福島原発事故以降、多くの市民は原発の再稼働に不安を抱えている。特に原発周辺の自治体や市民にはその思いが強い。にもかかわらず十分な説明もないまま、関西電力の営利優先の再稼働強行は、民意を無視し、安全・安心をないがしろにするもので決して許すことはできない。
大阪地裁の判決では、「基準値振動700ガル」「耐震補強工事」、解析によって確認したとする「耐震性」、「津波は原発の重要施設に影響しない」など、関西電力の主張のほとんどを「相当の根拠に基づいている」として追認した。大津地裁が「福島第一原発事故の原因究明が不十分な中で作られた規制基準」として「基準を満たしただけでは不十分」とした国の定めた新規制基準についても、大阪高裁は「事故原因は一部未解明だが基本的なことは明らかであり、教訓を踏まえた新規制基準は合理的」との判断を下した。原発再稼働へ一点の曇りもないとする、新たな「安全神話」をつくり出そうとしている。
原子力規制委員会は、新規制基準は「最低限の条件」であり、田中俊一委員長自ら、新規制基準を満たしても「安全とは言わない」と度々表明してきた。新規制基準を絶対視するような司法判断とその上に立った関西電力の再稼働強行を許すことはできない。
さらに判決では、一旦過酷事故が起きれば混乱必至の避難計画さえ「いまだ改善の余地がある」としながらも、検討していることを理由に追認している。そして、避難計画を規制対象にしていないことさえ合理的と言い切っている。関西電力には市民の「いのち」に対する視点は完全に欠如している。
2011年3月11日の東日本大震災と福島第一原発事故以降、全国全ての原発が停止しても電力不足は起こらず、企業活動への影響もほとんど見られなかった。一方で放射性物質の拡散した地域における経済活動や市民生活、文化とコミュニティーに対する影響は計り知れないものがあった。6年を経て、帰還困難区域ではいまだ避難生活を強いられ、帰還が許されたとされる地域においても、いまだに元の生活に戻ることはできない。その中で「脱原発」の声は市民社会を圧倒する意見として定着しつつある。 原発には、高レベル放射性廃棄物処分やプルトニウムを利用する核燃料サイクル計画など多くの問題が付随している。関西電力は、原発政策の全体を俯瞰し、日本社会の将来を展望し、そして真摯にフクシマと向き合って、市民の「いのち」を守るところから原子力政策を判断しなくてはならない。答えは明確である。
私たちは、今回の原発再稼働に強く抗議し、今後も「脱原発社会」を実現するよう、全力でとりくんでいく。
2017年05月16日
「共謀罪廃案、安倍政権の改憲暴走を止めよう!大集会」に4200人
共謀罪法案の衆院での強行採決が迫る中、5月16日、東京の日比谷野外音楽堂で「共謀罪廃案、安倍政権の改憲暴走を止めよう!5・16大集会」が開催され、会場に入れきれないほどの4200人が参加しました。
集会は、「戦争させない・9条壊すな!総がかり行動実行委員会」と、「共謀罪NO!実行委員会」の共催で開催され、主催者を代表して福山真劫さん(総がかり行動実行委員会共同代表)があいさつ、「安倍政権は悪事と悪行を重ねてきたが、ついに2020年までの憲法9条改悪を言い始めた。絶対に許してはならない。共謀罪ノー!安倍政権ノー!の力を結集すれば必ず勝てる!共にがんばろう」と呼びかけました。
各政党の国会議員も約40人が駆けつけ、民進党の枝野幸男衆院議員、共産党の山下芳生副委員長、自由党の山本太郎共同代表、社民党の吉川元政策審議会長、「沖縄の風」の糸数慶子代表が立ち、次々に共謀罪の危険性に触れ廃案に向け全力を出し抜く決意を述べました。(上写真はプラカードを掲げてアピールする参加国会議員等)
また、「安保法制の廃止と立憲主義の回復を求める市民連合」の中野晃一上智大学教授、海渡雄一弁護士、宗教者を代表して小野文珖さん、評論家の佐高信さんも登壇し、連帯のアピールを行いました。
集会後、参加者は、「共謀罪廃案!」「安倍政権を許すな!」とコールをしながら、銀座までデモ行進をしました(下写真)。
2017年05月16日
沖縄だよりNO.20(PDF)
2017年05月14日
5・15平和とくらしを守る沖縄県民大会宣言
5・15平和とくらしを守る県民大会宣言
沖縄は、45年目の復帰の日を迎えた。1952年サンフランシスコ講和条約により切り離され、1972年の復帰までの間、米軍の統治により、基本的人権が抑圧され苛酷な日々を強制されてきた。そして、「即時無条件全面返還、平和な島・沖縄」を強く望んだ復帰の思いとは裏腹に、日米安保条約により米軍基地が居座り続け、復帰から45年経った今なお、米軍基地は強化、拡大されている。
安倍政権は、圧倒的な「新基地NO」の民意を無視し、名護市辺野古に新基地建設を強行した。沖縄米軍基地の負担軽減と普天間飛行場の危険性の除去のためと国民、県民を欺き、滑走路の増設や軍港機能を併設し、耐用年数200年ともいわれる強固な米軍基地建設を推し進めている。隣接のキャンプシュワブ、キャンプハンセン、辺野古弾薬庫、さらに広大な北部訓練場と一体的運用を可能にする基地機能の強化である。さらに予定地の大浦湾は絶滅危惧種のジュゴンや多くの希少生物が生息し、世界に誇るサンゴ群落などの生物多様性の美ら海である。ここを埋め立てることは観光立県沖縄の未来を破壊することだ。また、東村高江では、全国から500人の機動隊を投入、権力で市民を弾圧し、高江住民を標的にしたオスプレイパッド建設を強行した。このような政府の傲慢なやり方は、憲法の原則を真っ向から否定し、民主主義の崩壊を意味する。
昨年12月にオスプレイが名護市安部の海岸に墜落し、県民の不安が現実のものとなった。さらに、読谷村のトリイ通信施設での吊り下げ訓練や嘉手納基地での夜間を含むパラシュート降下訓練は、戦場そのものである。県議会をはじめ多くの自治体で抗議決議をし、米軍に訓練中止を求めたが改善されるどころか、恣意的に訓練を強行している。パラシュート降下訓練については、96年のSACO合意に違反すると政府が米側に抗議をしたが、このような状況は同盟国とは言えず、もはや米国の属国である。米軍の対応は米軍統治下の復帰前と変わらない。米国追従の安保体制を見直し、日米地位協定の抜本的改定以外に解決策はない。
他方、アジアの緊張を煽り、与那国島への自衛隊の監視部隊や宮古島、石垣島への地対艦ミサイル部隊の配備は、沖縄が軍事基地の要塞になることであり、捨て石にされた72年前の惨烈な戦が県民の心に蘇る。
安倍政権は、安保法制に続き、テロ等組織犯罪準備罪・いわゆる共謀罪法案を成立させようとしている。話し合うだけで罪になり、市民を監視し、管理社会を策謀している。独善的な安倍政治を許してはならず、国民が団結し廃案に追い込むまで取り組みを強化しなくてはならない。
私たちは、このように米軍、自衛隊基地が強化され、訓練が激化するなか本島2コース、宮古、八重山コースを含め4コースで復帰45年目の5・15平和行進を力強く貫徹した。政府の米国追従と差別的な沖縄政策によって押し付けられる不条理に厳しく抗議し、県民と全国の仲間が一丸となって取り組む決意を示してきた。
今年の5・15平和行進を締めくくるこの大会において、平和行進と本大会の成功をともに確認し、日米両政府によって推し進められる米軍、自衛隊基地の強化、拡大に強く反対することを表明する。さらに続発する米軍関係者による凶悪犯罪を糾弾し、日米地位協定の抜本的改正を強く要求する。また、東日本大震災、熊本地震の早期の復興を心から願い、すべての原発の再稼働を許さず、脱原発社会の実現を確認する。最後にアジアをはじめ世界平和のために闘い抜くことを確認し、本大会において強く宣言する。
2017年5月14日 復帰45年 5・15平和とくらしを守る県民大会
2017年05月14日
復帰45年 第40回沖縄平和行進に5370人が参加
日本に復帰して45年を迎える沖縄で、5月11日から14日までの4日間、「第40回5・15平和行進」が開催されました。沖縄県民にとって「屈辱の日」であるサンフランシスコ講話条約が発効した1952年4月28日から65年、沖縄が日本へ復帰した1972年5月15日から45年目を迎え、節目の今年の行進には沖縄県内・全国から延べ5370人が参加しました。(上写真)
昨年までの3コースから、今年は「中部・基地コース」と「南部・戦跡コース」の2コースで開催されました。5月12日にそれぞれのコースで出発式を行い、中部コースは、読谷村役場から北谷町役場までと沖縄市役所から宜野湾市立グラウンドまで、南部コースは、那覇市役所からひめゆりの塔までと平和祈念公園平和の火から南風原町役場までをめざし、炎天下のなか「辺野古新基地建設反対」「戦争放棄の9条を守ろう」と訴えながら平和行進が行われました。
最終日の14日、両コースの平和行進団は、名護市瀬嵩海岸に結集し、「復帰45年 5・15平和とくらしを守る県民大会」(参加者2000人)が開催されました。県民大会では、日米両政府によって推し進められる米軍、自衛隊基地の強化・拡大に反対し、米軍関係者による凶悪犯罪を糾弾、日米地位協定の抜本的改正、アジアをはじめ世界平和のために闘い抜くことを基調とする大会宣言を全体で確認しました。(下写真、あいさつをする山城博治・沖縄平和運動センター議長)
県民大会後、参加者は平和行進の締めくくりとして、瀬嵩海岸からわんさか大浦パークまで平和行進を行いました。
県民大会宣言はこちら