3月, 2016 | 平和フォーラム - パート 2

2016年03月01日

話にもならない-人権侵害政権!

たるみきった政権の稚拙な政治家の話だ。島尻安伊子沖縄・北方領土担当大臣が、日本の領土と主張し返還を要求する歯舞諸島の名前が読めなかった。領土返還の責任者が、北方四島の成り立ちについて学んでいなくては交渉も何もできないだろう。政治家としての資質が問われる。

この間、安倍政権の議員の妄言が止まない。国が除染目標とする被曝線量に科学的根拠がないとした丸川珠代環境大臣、丸山和也自民党法務部会長は、オバマ米大統領を「黒人の血を引く、奴隷の子孫」と発言、桜田義孝文科副大臣は、日本軍「慰安婦」に関して「売春防止法が成立するまでは、娼婦は職業だった。これを犠牲者とする宣伝に惑わされている」とした。

どちらも真実を理解しない、人権に関わる妄言だ。50万円の入った封筒を受け取っても記憶に残らない甘利明経済再生担当大臣と、それを「はめられた」などと擁護するお仲間たち。この人たちは何なのか、あきれて言葉が出ない。

しかし、もっと問題なのは、高市早苗法務大臣の報道の自由を侵害する発言だ。過去に彼女は、ユダヤ人協会やニューヨークタイムスなどからの抗議が殺到して絶版になった「ヒトラー選挙戦略」(永田書房)に、推薦文を寄せた。この本は、「ヒトラーの政治・組織・宣伝論のなかから、現代選挙必勝法を考察してみました」として、「1人が反対したら3人の賛成者を作ることが大切」「説得できない有権者は抹殺せよ」「それは殺すことではなく政治活動を一切させないこと」と主張している。

この主張は、報道機関に圧力をかけ、政府批判を許さないとする高市大臣の主張と一致する。彼女は「日本民族の優秀性を確認し血の純潔を保持」「民族浄化を推進せよ!国家社会主義闘争に立ち上がれ!」などと主張する「国家社会主義日本労働者党」代表とツーショットの写真を撮って問題にもなっている。麻生太郎副総理の「ナチスの手口に学べ」との発言も記憶に新しい。

安倍政権の知的疲弊は甚だしい。何も学ばないところに、この政権の本質がある。

(藤本泰成)

2016年03月01日

ニュースペーパー2016年3月



止めよう!辺野古埋め立て 2.21国会大包囲
 2月21日、沖縄県名護市辺野古への米軍の新基地建設に反対する行動が全国各地で行われました。東京では、辺野古の美しい海をイメージした青い服や布などを身に着けた約2万8000人が参加し、国会を囲み「新基地建設絶対反対」「辺野古を守れ」と訴えました。沖縄からの訴えでは、名護市の稲嶺進市長が「政府は『辺野古しかない』と強引に埋め立て工事を進めようとしているが、正義と道理はわれわれにある。力を貸してほしい」と呼び掛けました。また、現地で座り込み闘争を続けるヘリ基地反対協議会・共同代表の安次富浩さんも駆けつけ、「民主主義や地方自治をないがしろにする政権を許すことはできない。沖縄の民意に従え」と声をあげました。さらに、沖縄選出の野党の全国会議員や、民主、社民、共産、生活の各党代表も登壇し、安倍政権と対決をし、安保法制廃止とともに、新基地建設反対でも国会内で共闘すると決意を表明しました。
 平和フォーラムからは勝島一博副事務局長が「この国会行動に呼応し、札幌、仙台、富山、名古屋、大阪、岡山、高知の全国各ブロックでも集会や街宣行動が行われている」と報告しました。最後に、宜野湾市出身でシールズ琉球の中心メンバーの元山仁士郎さんのコールに合わせて、稲嶺市長などが国会前で”人間の鎖”をつくり、「辺野古の海をつぶすな!」などとアピールしました。(写真)

インタビュー・シリーズ:110
「飯舘村は怒ってんだぞ」と声をあげることが大事
飯舘村民救済申立団 団長 長谷川 健一さんに聞く

はせがわ けんいち さん

はせがわ けんいち さん
1953年、福島県飯舘村生まれ。福島原発事故前は酪農業を営んでいた。2010年から飯舘村前田地区の前田行政区長、福島県酪農業協同組合監事を務める。2011年8月に伊達市の仮設住宅に避難し、現在も避難生活を余儀なくされている。著書に『酪農家・長谷川健一が語るまでいな村、飯舘』(七つ森書館)ほか。

―飯舘村は「日本一美しい村」と宣伝してきました。この村で、長谷川さんが酪農を始めたのは、どのくらい前だったのでしょう。
 もともと実家は新規開拓で入ったわけだが、親父が次男坊だったので、ここ(飯舘村前田地区)に出てきた。酪農については、俺が一から始めたことだ。この周りで酪農をやっている人はもともと多かったんだ。今の村長の菅野典雄さんが中心となって、みんなで酪農を盛り上げていこうとグループを作ってたんだ。その絆というか、仕組みがとても良くて、俺もそれに飛び込んだという感じだったな。ここまで来るのに35年くらいかかったわけだけれども、それが原発事故によって一瞬にしてなくなってしまったわけだ。

―村長を含めて、自分たちが作り上げてきたこの村を手放したくないという相当強い気持ちがあるのではないでしょうか。
 今から20年前、村長をもちあげたのが俺らだから。みんなで手作りの村を造ろうということで、村長を支えながらやってきた。みんなで作り上げたこの美しい村、それをゴーストタウンにしたくないという思いは、俺らも村長も強い。原発事故がなければ素晴らしい村長だった。残念なのは原発事故での対応だ。これは絶対まずいと俺は思ったね。とりあえず飯舘から出るべきだろうとも進言もしてきたが、一切話を聞かなかった。

―東電の飯舘村に対する対応はどうですか。
 事故の加害者だという意識がないと俺は思う。国が後ろについて除染をやるわけだが、元になんか戻らないですよ。国なんかは、除染をすれば大丈夫だ、農地だったら5㎝の表土を剥いで、そこに5㎝の覆土をすれば大丈夫だと言っているわけだけれども、放射能はどんどん中に入っているわけよ。大学の先生がモニタリングをしているけれども、30㎝くらい掘らないとだめだね。除染をして覆土したって、いったん放射線を遮蔽するだけ。半年たつと、周りと同じになる。除染やんないよりはましというくらいだ。毎月1回、前田地区内を測ってんだけれども、そんなに大きく変わっていないね。モニタリングポストがあるのだけれども、機械があるところはきれいにしてあるから、12月28日の数字は0.15マイクロシーベルト。ところがその周辺を測ってみると2.64だ。
 山の除染だって堆積物の除去だけだから、数値は下がんないですよ。山の木は放射能を吸い上げて、それが木の葉になって落ちて、それをまた吸い上げる。そこにある杉の木なんて全く使えない。木の皮が一番放射能が高いのだけれども、皮の次の白い部分は少ない。ところが真ん中の赤い部分はすごく高いんだ。東京電力は賠償もするけど、1本10万円もする杉の銘木だって、10アール当たり10万円でしかない。本数じゃなく、面積で計算される。飯舘はシイタケ栽培の原木の産地で、その原木となる木の賠償額は10アール当たり3万円。とんでもないことだ。

─全村帰還という話も出てきていますが、昨年9月に避難解除になった楢葉町では住民の帰還率は1割未満ということも聞いています。
 楢葉町は線量低いんですが、それでも戻らない。避難解除した田村市や川内村と比べても飯舘村は線量が高いんですよ。国は来年3月に避難解除すると言っている。村当局もそのつもりだ。でも俺らはいろいろな諸条件がそろってからじゃないとだめでしょ、われわれが安心して帰れる環境が一番なんじゃないの、と言ってんだけれども。ましてや学校まで同時に再開しようとしているわけだ。避難解除と一緒に再開はとんでもないことだ。子どもたちの健康とか、親の心配とかが一切抜けている。村長は「飯舘村が子どものいない村になる」と言いだしてきているけど、それは逆でしょう。まずは子どもや親の不安や心配を取り除いてやることが先だろう。学校の再開は2年や3年後でもいいわけだ。
 健康被害ということでは、村当局は当初から抜けてんだよな。村長も危険性について全くわからないわけではない。というのは早々と自分の子どもと孫は避難させていたわけだから。そして村の子どもたちに対しては、長崎大学の山下俊一教授と高村昇教授を呼んで「安全だ」「大丈夫だ」という講話をやらしたんだから。村の子どもたちは止め置いたわけだ。俺はとんでもないことだと思うよ。俺は村長に対してはそれが一番許せん。人間としても人の親としても。今じゃみんな終わったことだからと、過去形にしたがる。俺はそれではダメだと思う。そんなことをやったら、また同じことが起きるよ。
 今、原発の再稼働が始まっているでしょ。避難計画の話はあっても、事故が起きて避難した後の対応については一切触れられていない。そこが問題だ。原発事故が起きたら、すべてのものがなくなる。俺だって、ここで長男夫婦と孫と住んでいたわけだ。今じゃ長男夫婦は福島市内に家を作って、もうここには戻ってこない。生業の酪農もできない。すべてがバラバラにされたわけだ。そういうことがまったく知らされていない。

―避難した人たちがその後どう生活していくのかという ことですよね。
 そう。国が恐ろしいなと思うのは、早く再稼働に同意したところには特別交付金をやるって、こんなとんでもないこと考えているわけだ。人は金には弱いからな。それと国の圧力があるのかも知らんけれども、マスメディアの報道もないでしょう。われわれが申立てとか、いろいろ行動してもメディアには流れない。今住んでいる仮設住宅に、たまにテレビカメラなんかが入るけれども、「がんばってます」とか、「こんなイベントやりましたよ」とかそんなものばかり。俺たちの心配とか、これからどうなるという将来の不安をつきつめることは一切やらない。取材には来るんだが、載ってもほんの少しだ。


牛舎 飯舘村

―飯舘村に帰ることができたとしても、酪農はできないじゃないですか。その保障などはあるのですか。
 営業損失に対しての賠償というものは受けています。ただ問題なのは、二度とここは事故の前の状況には戻らない。だからここで酪農を再開するのは無理。われわれの生業がすべて奪われたから。それに対してどうするんだということだ。

―いま救済申立(*1)というのを、飯舘村の相当数の方々でやられていますよね。
 3029人でやっています。最初はとりあえずADR(*2)をやろうとしたわけだ。それでダメな時は裁判だと。こんな山間の田舎だから、裁判というとみんな非常に抵抗を感じるから、その前の段階でADRをやろうとみんなに声をかけて、何か所にも集まってもらって説明して、よびかけたんだ。一番の目的は声をあげること、これが大事だろうってこと。俺がみんなに言って歩いたのは、お前らこれでいいんか、こんなことされて、こんな仮設住宅に押し込められて、被ばくさせられて、ふるさとを汚されて、もう二度と元に戻らないんだぞ、家族もバラバラなんだぞ、こんなことされて黙っているのか、これで満足しているのか、ということだ。
 放射能というものの怖さというのは、やっぱりチェルノブイリの情報なんか聞くとね、これから長い年月をかけていろんな影響が現れてくるんだろうなっていう思いをしているわけだ。そうなったときに誰が責任を取るんだ。そうなってからでは遅いでしょう。放射能災害というものは始末が悪い。すべてのものをだめにしていくわけだから。
(*1)救済申立飯舘村民の過半数以上で組織されている飯舘村村民救済申立団が2014年11月14日、原子力損害賠償紛争解決センターに対して申立てをおこなった。申立ての趣旨は、東京電力の事故に対する法的責任、村民への謝罪、損害賠償、慰謝料請求等の和解案の提示を求めている。飯舘村村民救済申立団は「「謝れ、償(まや)え、かえせふるさと飯舘村」をスローガンとしている。ホームページは「http://kyusaimoushitatedan.jimdo.com/
(*2)ADR裁判外紛争解決手続の利用の促進に関する法律で、「裁判外紛争解決手続」と規定されている。費用や手続き、解決までの時間などで通常の裁判にはないメリットがあるとされる。福島原発事故にかかわる東京電力に対する損害賠償請求等で、文部科学省が所管する原子力損害賠償紛争解決センター(原発ADR)が設置されている。

インタビューを終えて
 雪をかぶった大地は、人の営みを寄せ付けないように静かだった。雪は何もかもその中に隠そうとする。しかし、雪も隠すことができないほど高い放射線量を示す飯舘村、長谷川さんは自宅の広い居間で待っていた。大きな仏壇、立派な床柱、そして太い梁、その中にぽつねんと座る姿から、無念の大きさを思った。飯舘に根を下ろし、牛を飼い、少しずつ大きく酪農業を育ててきた、長谷川さんの、大きな大きな「無念」を思った。
(藤本泰成)

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オスプレイ横田基地配備を許さない─全国に拡大する特殊作戦部隊の危険な訓練
神奈川平和運動センター 副代表 金子 豊貴男 

 米海兵隊のMV-22オスプレイが、沖縄・普天間基地に強行配備された2012年10月以降、世界中でオスプレイの墜落などの事故が相次ぎ、事故率は上昇し続けている。
 この危険なオスプレイが、一昨年からは本土にも飛来し始め、昨年は岩国基地を中継点に、厚木基地、横田基地等に頻繁に飛来し、富士山周辺の演習場での訓練も目立ち始めた。さらに昨年5月、米空軍のCV-22オスプレイを米軍横田基地(東京都)に配備させると米国政府は発表した。また、アジア太平洋地域の米軍所属のオスプレイの定期機体整備のため、陸上自衛隊木更津駐屯地にある格納庫を貸し出す契約も、国際競争入札をしたうえで、民間企業の富士重工が落札している。この木更津駐屯地では、既に陸上自衛隊が購入を予算化しているオスプレイ17機の定期機体整備も行われるとしている。

飛行ルート下の住民の暮らしと命を脅かす
 CV-22の横田配備について米空軍は、2017年から20年にかけて10機を配備すると通告(接受国通報)した昨年5月以降、10月になって、2月に作成してあった「CV-22の横田飛行場配備に関する環境レビュー」(以下横田環境レビュー)を発表し、国内4ヵ所(青森県・三沢対地爆撃場、群馬・新潟・長野にまたがるホテルエリアといわれる訓練空域、静岡・陸上自衛隊東富士演習場、沖縄県の演習場)、国外2ヵ所の訓練場所を発表した。
 訓練内容について横田環境レビューに記載はないものの、中谷元防衛大臣は「米特殊作戦部隊の輸送ため」、「低空飛行訓練や夜間飛行訓練を実施」と、接受国通報を受けた日の記者会見で述べている。
 特殊作戦部隊といえば、地形や気象条件、予測される敵からの攻撃などを考慮しながら、戦闘地域に先陣を切っていく高度に危険を伴う任務を遂行する部隊である。その部隊がオスプレイに乗り込み、訓練を行うというわけだ。しかもその訓練は人里離れたところではない。防衛省との話し合いの中で、米軍機の訓練飛行について、日米地位協定に基づいた訓練空域だけでなく、「提供区域内で行うとは限っておらず、(提供区域の)外で行うことも認められる」と明確に述べている。(補足1)
 つまり横田基地を基点として、上記4か所の訓練エリアへの往復の航路を含め、特殊作戦部隊として危険を伴う低空飛行、夜間飛行訓練等が、私たちが暮らす頭上で繰り広げられることを示している。訓練空域下のみならず、飛行ルート下の住民の暮らしといのちが脅かされることになる。


東日本連絡会の外務省・防衛省への要請(1月27日)

粘り強い要請行動をする配備反対運動
 オスプレイをはじめとした米軍機の飛行訓練に反対する運動体のネットワーク組織として、昨年1月「オスプレイと飛行訓練に反対する東日本連絡会」が結成され、防衛省や外務省との粘り強い交渉、および自治体への申し入れなどのとりくみを進めている。
 今年に入って1月27日に、「東日本連絡会」の防衛省・外務省交渉、続いて2月12日には横田基地周辺の市民団体で結成された「オスプレイ横田配備反対連絡会」も外務省・防衛省交渉を行っている。私たちの暮らしの安全に直結する問題でありながら、両省の発言は、米国政府が決めたことだから口は出せないというトーンが支配的になっている。「いったい日本は、独立国なのか!」要請行動の参加者から怒号があがる場面もみられるほどだ。
 私たちの追及に答えに窮して沈黙したり、矛盾する回答を行う外務・防衛両省ではあるが、様々な課題が山積しており、さらなる要請行動が必要だ。そして要請行動で得られた成果を、飛行訓練を懸念する自治体へ、地域住民へと伝えていき、配備反対の大きな世論を作り上げていく必要がある。
「追跡!在日米軍リムピース」に詳しい分析があるので、(http://www.rimpeace.or.jp)参照いただきたい。

(補足1)米軍機の施設・区域外訓練について
 そもそも、日米地位協定には明文化されていない。外務省の機密文書である『日米地位協定の考え方・増補版』においても「本来は、米軍の飛行訓練のための空域の設定について地位協定上の何らかの明文上のレジームが定められていることが望ましい」としている。現在外務省は「日米安全保障条約によって、米軍の我が国への駐留を認めている。米軍の目的を達成するために、軍隊としての機能に属する諸活動を一般的に行うことは当然」とし本文中で引用した「区域外訓練」も認めている。しかしながら、1962年4月25日の衆院内閣委員会では、米軍機の訓練は、地位協定の規定上、日米合同委員会によって合意された区域内ですべて行うべきものである、という趣旨の答弁をしているほか、1975年2月25日の衆院予算委員会第2分科会で、当時の宮澤喜一外相や三木武雄首相が、施設・区域外での米軍の演習は安保条約違反と答えている。その後、施設・区域外の訓練を「基地間の移動」で説明しようとするなどの変遷はあるが、明文がない以上、区域外の訓練はできないとするのが筋だ。
(かねこときお)

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平和的生存権を具体化させる安保法制違憲訴訟
立憲主義、憲法破壊の暴挙と闘おう
戦争をさせない1000人委員会事務局長・弁護士 内田 雅敏

あの夏を忘れない
 2014年7月1日の閣議決定による集団的自衛権行使容認、それを受けての15年9月19日未明の安保関連法制の強行「採決」は、専守防衛というこの国の戦後の安全保障政策を根底から覆す暴挙であった。立憲主義、憲法破壊の暴挙に、法律実務家、学者は勿論、多くの市民達が怒った。「この夏を忘れまい」として、安保法制の廃止に向けての闘いを継続することを誓った。
 安保法制廃止の闘いは二つの大きな柱からなる。一つは、来たる参議院選挙を睨んだ安保法制の廃止を求める2000万人署名運動であり、今一つが、安保法制の違憲訴訟である。集団的自衛権行使容認の閣議決定の直後から、とりわけ安保法制の強行採決後は、多くの市民から、違憲な安保法制を司法の場で糺すべきだとし、法律実務家に対して、「何故、違憲訴訟を提起しないのか」と厳しい突きつけがなされた。この突き付けを受けて、元高裁裁判長、元検事正を含む弁護士らによって「安保法制違憲訴訟の会」が結成され、違憲訴訟提起に向けての準備を進めてきた。現在約400名の弁護士が違憲訴訟の代理人弁護士に名を連ねることに同意し、約600名の市民が原告となるとしている。違憲訴訟の会は、代理人弁護士、原告をさらに拡大すべく活動中である。
 準備されている違憲訴訟は以下のようである。

  1. どのような裁判か─(1)差止め訴訟(安保法制に基づき自衛隊に出動命令を発してはならない)、(2)国家賠償請求(損害賠償請求)。
  2. どのような権利が侵害されたか(保護法益)─(1)平和的生存権、(2)人格権、(3)憲法制定権
  3. 原告の資格は、市民一般(国籍関係なし)。とりわけ、基地、原発周辺の住民、海外で活動するNGO関係者、報道関係者など。
  4. 提訴裁判所は可能な限り、全国各地の裁判所。
  5. 原告の財政的な負担は原則として無い。違憲訴訟を支える会を作る。支える会は原告(入会は任意)、および原告にはならないが裁判を支援したいという人々で構成し、3000円の年会費を負担する。この会費は、裁判の実費、通信費等に充てる。

集会で訴える内田弁護士(2015年6月23日・日比谷)

訴訟を阻む壁を突破する「保護法益」の充実
 日本弁護士連合会などの法律実務家集団、ほとんどの憲法学者、元最高裁長官、元最高裁判事、元内閣法制局長官らが、こぞって憲法違反であると述べていることから明らかなように、今回の安保法制が違憲であることは明々白々である。政府は、1959年の砂川事件の大法廷判決まで持ち出し、安保法制の合憲性を主張したが、これが効なしとみるや、「安全保障を巡る環境の変化」ということを言いだした。環境の変化が本当にあるのか、仮にあったとして、それに対して集団的自衛権をもって対処し得るのかなどについて検証がなされなければならない。
 安保法制の違憲性が明白であっても、それを裁判の場で争い確認させるためには「法律上の争訟」(裁判所法3条)、すなわち事件性《権利がどのように具体的に侵害されたか》ということが必要である。この「法律上の争訟」の要件の故に、違憲性を確信しながらも提訴に慎重な法律家が少なからずいる。
 この「事件性」の壁を突破するには、裁判官に立憲主義を破壊する閣議決定による集団的自衛権行使容認、違憲な安保法制が放置されるとどのような社会を招来させるか、想像力を働かせるようにすることである。
 次に大切なことは保護法益の中身を充実させ豊かにすることである。訴訟の中で訴える保護法益は、(1)平和的生存権、(2)人格権、(3)憲法制定権の三つである。平和的生存権は憲法前文に規定されている。権利は憲法典に書き込まれることによって、当然に実現するものではない。憲法12条が「この憲法が国民に保障する権利は、国民の不断の努力によって保持しなければならない」と、権利のための闘争の義務を課しているように、権利は実践活動を通じて、具体的に実現される。
 このことは平和的生存権について一層強く言える。「平和的生存権」は戦後の平和運動の実践の中で形成されて来た。具体的には、反核、反基地運動の他、「日本側は過去において日本国が戦争を通じて中国国民に重大な損害を与えたことについて深く反省する。両国間の国交を正常化し、相互に善隣友好関係を発展させることは両国国民の利益に合致するところであり、またアジアにおける緊張緩和と世界の平和に貢献するものであるとした」とした日中共同声明(1972年)や、植民地支配と侵略戦争について「痛切な反省」と「心からのお詫び」を表明し、アジアとの和解を求めた村山首相談話(1995年)などだ。今はまだ形成途上にある権利だが、辺野古米軍基地建設反対、脱原発、戦争法廃止に向けての2000万人署名、そして本違憲訴訟などは、平和的生存権を具体的に形成させる闘いである。
(うちだまさとし)

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問題だらけのTPP協定
各国の主権を奪い多国籍企業の利潤優先

 環太平洋経済連携協定(TPP)は、2月4日にニュージーランドで12ヵ国の代表による署名式が行われました。今後は、各国の議会等で協定の承認(批准)が行われ、その発効をめざすとされています。こうした中で、元農林水産大臣の山田正彦さん(TPP阻止国民会議副代表)を中心に、弁護士や活動家などによる「TPPテキスト分析チーム」が、協定文の翻訳と問題点の分析を行い、農産物や食の安全、投資、金融、サービス貿易などで、多くの問題点が浮かび上がりました。(分析内容はj.mp/tpprep2から入手可)

農産物は全面的関税撤廃 脅かされる食の安全
 農産物については、関税撤廃率が95.1%と、これまで日本が結んだ自由貿易協定(FTA)を大きく上回る自由化度の高い協定です。しかし、これで終わりではなく、協定文ではさらに、全面的な関税の撤廃に進む規定が折り込まれています。これまで日本が結んだFTAには、コメなど特定の農産物は関税撤廃の対象にはしない「除外」規定が明文化されていましたが、TPP協定にはありません。今回は関税撤廃の対象にならなかった農産物も近い将来は撤廃される恐れが強いのです。
 しかも日本は7年後に、アメリカやオーストラリア、ニュージーランドなど農産物輸出5ヵ国との間で全面的な見直し協議をすることが義務づけられています。また、「農業貿易に関する小委員会」が恒常的に設けられ、農産物貿易が促進される仕組みも作られています。政府が「聖域は守られた」というのは欺瞞でしかありません。
 また、食の安全に関しても、安全基準を各国が策定する場合、グローバル企業を参加させた上で検討が行われ、そこでは予防原則が排除されます。食品表示ルールを策定する際にもグローバル企業が関与できる制度となり、企業意見が反映されそうです。これまでのFTAにはなかった遺伝子組み換え(GM)農産物の貿易拡大に結びつく条項も新たに作られました。
 TPP交渉と併行して進められた日米二国間協議では、ポストハーベスト農薬の承認、食品添加物の迅速な承認、米国産牛由来のゼラチン・コラーゲンの輸入解禁などを、日本は米国に約束しました。農薬残留基準の緩和、食品添加物の大幅容認、牛海綿状脳症(BSE)のリスクの拡大が起きる可能性が高まります。


TPP問題での国際シンポ(1月30日、東京・田町交通ビル)

郵政、交通、病院も規制対象に 国会での徹底審議を
 投資家が相手国政府を訴えることが出来るISDs条項について、政府は、環境や健康に係わる政策はこの対象外だと説明しています。しかし、協定文では必ずしも例外として認められていません。その仲裁裁定は紛争解決国際センターの仲裁人が行い、仲裁人は多国籍企業を顧客とする弁護士が多く、企業寄りの判断がされる恐れがあります。また、国内法が外国に設置される仲裁廷で判断されることから、国の司法権が侵害されます。
 農産物や工業品などのモノの貿易以外のサービス関連貿易も大きな分野です。この特徴は、世界貿易機関(WTO)の規定では、自由化する部分を列挙するポジティブリスト方式がとられましたが、TPPでは自由化をしない分野のみを列挙するネガティブリスト方式をとっていることです。これでは、リストに記載されないものは自動的に自由化と見なされます。さらに、一度自由化した後は元に戻すことが出来ない規定もあり、将来も含めて各国は独自の政策を取る事ができなくなります。
 通商協定の中で、TPPで初めて設けられたものが「国有企業」に関する規定です。そこでは、国有企業と一般企業との無差別待遇、政府の貸し付けなどの優遇措置の規制をしています。しかし、ベトナムやマレーシアなどは国家体制の仕組みから国有企業の存在が欠かせません。また、日本の郵政のような全国一律のサービスが望ましい事業や、過疎地での交通や病院などインフラ維持のための自治体の支援も、協定違反になる可能性があります。
 一方、アメリカの大企業の利潤につながる医療分野では、新薬の特許期間の延長、特許期限切れ後に作られるジェネリック薬製造に障壁を設けるなど、薬の価格高騰の恐れがあります。著作権でも保護期間の延長、著作権侵害の非親告罪化、法廷賠償金制度の採用で、より多国籍企業が儲かる仕組みがとられようとしています。
 平和フォーラムなどが1月30日に東京で開いたTPP問題の国際シンポジウムでは、マレーシア、ニュージーランド、韓国の活動者などが異口同音に「TPPは市民の権利、国家の主権を奪い、グローバル企業が利益を得る仕組みを作るものだ」と指摘をしました。今国会でTPP協定の批准をめぐる論議が行われます。多岐にわたるTPP協定の内容を明らかにさせ、批准に反対する運動がますます重要になっています。
(市村忠文)

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いま福島第一原発で何がおこっているか
汚染水と高濃度放射性廃棄物
原子力資料情報室 上澤 千尋


凍土壁とHIC

ようやく運用される凍土式遮水壁
 2月15日の特定原子力施設監視・評価検討会(事務局:原子力規制庁)の会合で、陸側遮水壁(いわゆる凍土式遮水壁)を東京電力が運用開始することを原子力規制委員会がおおむね了承した。地面を凍結させるための設備(1700本以上の凍結管と複雑な配管)の設置は2月9日までに完了しており、東京電力が実施計画を提出して規制委員会の審査を経て認可が出ると、早ければ3月上旬にも凍結作業をスタートさせるとみられている。福島第一原発の建屋群の中に対流している水の起源には2種類あり、ひとつは原子炉へ注入される冷却水、もうひとつは建屋地下にまわりから入り込む地下水である。周辺から建屋へ地下水が流れ込めば、それがただちに高濃度の汚染水となり、くみ上げて貯留しなければならない。地下水が建屋の中に入り込むのを抑え、汚染水の発生を減らすために立てられた対策が遮水壁の設置である。
 1~4号炉の建屋群をとり囲むように総延長1.5キロメートルの遮水壁を「凍土式」でつくることを決めたのは、原子力災害対策本部福島第一原子力発電所廃炉対策推進会議のもとに設置された汚染水処理対策委員会である。凍土式遮水壁については、技術的な問題がいくつも指摘されている。たとえば、暫定的な凍結が本来の使い方であって7年以上の長期凍結運転はかつてないこと、凍結をすすめていく際に流速が速くなり凍りにくくなる地下水などの流れがある場所では不向きであること、また、単なる凍土の壁であるので耐震性にも大きな疑問がある。(技術的な内容を含め、凍土式遮水壁の問題点には浅岡顕「凍土壁が抱え込んだ1F汚染水問題の困難」『世界』2016年3月号に詳しい)。
 東京電力は当初の凍土式遮水壁の運用計画として、地下水流の上流にあたる西側(山側)の壁から凍結作業をはじめることで、まず建屋内への地下水の流入を減らすと、特定原子力施設監視・評価検討会で説明していた。これに対して、規制委員会側からは「山側の壁を凍らせて地下水をせき止めた結果、建屋のごく周辺の地下水位が下がって、建屋内の水位の方が高くなり、建屋内の汚染水が周辺の地中に漏えいする危険性がある」との指摘を受けていた。このため、東京電力は2月15日の会合で方針を変更して、凍土式遮水壁の海側にあたる部分から凍結運転をはじめ、山側の部分については様子をみながら段階的にすすめていくと運転の計画について説明し、規制委員会からおおむね了解されたものだ。
 誤解してはいけないが、凍土式遮水壁の運用開始を遅らせていたのは規制委員会が汚染水の規制に対して厳しくしていたからではない。むしろ逆で、田中俊一委員長は2月13日に福島第一原発を視察した際、報道陣に対して「汚染水を浄化処理して海に捨てるという持続性のある形を作らないと廃炉は進まない」と言っており、東京電力は勝手に必要以上に保守的な排出基準を作ったおかげで、みずから汚染水を溜めこみ危機をまねいていると思っているのだ。

問題だらけの廃スラッジの高性能容器
 汚染水を処理して漉しとった廃スラッジについても問題点を指摘しておきたい。熔融燃料を冷却するために、原子炉に注入している水は汚染水となって戻ってきており、キュリオン、サリーなどと名付けられたセシウム吸着装置(現在はストロンチウム吸着装置も装備されている)を通ったのちに、多核種除去設備(ALPS)で処理されてストロンチウムやセシウム、ルテニウム、カドミウムが吸着されたり、沈殿除去されたりする。
 非常に高濃度の放射能のかたまりである廃スラッジのうち、ALPSで発生するものは「高性能容器(HIC)」と呼ばれるポリエチレン製のタンクに保管されている。(高性能ALPSの廃スラッジ容器はステンレス製に変更された)。HICの容積は約2.8m3で、最大100兆ベクレルを超える放射能を20年間保管することになっている。強度や耐放射線性能、紫外線に弱いことなど問題だらけだ。
 これは、米国のバーンウェル低レベル放射性廃棄物処分場で処分容器として使われているものを流用している。補強材や遮へい材で補強しているが、それでも表面の線量率は5mSv/hに達し、遮へい体なしだと500mSv/hを超えるものもある。2015年7月の段階で、こういう容器が1600体以上あり、4号炉の南側にコンクリートブロック様のボックスの中に保管が続けられている。保管する20年の間に処分方法を検討すると言う。しかし、その目処は立っていない。
(かみさわちひろ)

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2016年、電力自由化元年の幕開け
市民電力の創る再生可能エネルギーを市民に届けることができるのか
NPOこだいらソーラー 都甲 公子

 3.11事故によって、遠くの巨大な発電所からくる電気に頼って暮らしていたことを思い知らされた私たちは、地域のエネルギーシフトをめざし、再生可能エネルギー固定価格買取制度を追い風に、市民による創エネ活動を開始しました。それら市民自ら創エネ事業を行う、または志向する人・団体による「市民電力連絡会」を結成し、課題を共有しともに解決を図ってきました。
 一方、これも3.11事故によって、事故後の電力の逼迫を背景に、緒につきながらなかなか進んでこなかった電力システム改革が、一気に加速することとなりました。

電力システム改革とは
 改革の中心は、電力自由化です。ひらたくいえば、誰でも自由に電気を販売することができ、誰でも自由に大手電力会社以外の電力会社を選んで電力供給を受けることができるしくみに変えることです。電力市場に新規参入と競争を促し、電気料金の引き下げやサービス多様化に繋げることが目的です。一極集中的、独占的なシステムから、地域分散的、自治的なシステムへの変革がめざされていることから、再エネ拡大の後押しにもなるし、市民が原発を選ばないことによって、原発をなくすこともできるはずです。
 2013年、2014年、2015年と3段階にわたって電気事業法が改正され、第二弾にあたる電力完全自由化の施行が2016年4月1日。ここから大手10電力と新電力は同じ小売電力事業者として競争することとなり、数年後、総仕上げの発送電分離が実施されることとなります。
 4月からの一般家庭への電力供給に向けて、事前の環境整備や技術面での対応、電力取引や小売り売買のルールなどの案が出され、ようやく制度のあらましが見えてきました。これまでも50kW以上の大口需要家で、電力市場の6割はすでに自由化されていましたが、新電力のシェアは数%にとどまっていました。残りの4割8兆円の市場が新たに開放されるわけですが、完全自由化で新電力のシェアはどこまで増えることになるのでしょうか。

再エネ小売電力事業者の挑戦
 4月からの小売電力事業者登録は、2月時点で169社。1月から供給契約の受付が可能となり、マスコミ等でも宣伝活動が目立ってきました。ガス会社、通信会社、鉄道会社など多様な担い手が参入し、電力とのセット販売など提携の動きも活発化しています。中之条町やみやま市など自治体が電力会社をつくる事例も出てきました。
 しかし、再エネ小売をめざす電力会社は多くありません。再エネ小売事業は、変動電源の需給調整にかかる負担(インバランスリスク)や、高圧に比べ割高な送電線の使用料(託送料金)、後に補填されるとはいえ固定価格買取制度(FIT)での買取費用の資金繰り、再エネ電源調達競争など山積みの困難に加え、さらに設けられた新たなハードルを越えての挑戦となっているのです。
 まず、みんなの賦課金で賄われているためにFIT再エネのクリーンエネルギーであるとの付加価値を標榜してはならないという表示の制約が設けられました。次に、FIT再エネの後で補填されない費用(回避可能費用、仕入価格に相当)の算出方法が市場連動の変動制と変わり、再エネ小売事業の採算性をおびやかすこととなります。
 もう一つ、FIT法改正の方向として、買取りを送電事業者の役割とすることが打ち出され、改正後は小売事業者がFIT再エネを調達できなくなる懸念が生じました。改正の方向案には売れ先の決まっている再エネは送電事業者から小売事業者に引渡すようにするともあり、再エネが市民に届かない絶体絶命の事態は免れそうではありますが、その引渡し方法などは未定であり油断できません。

再生可能エネルギーで暮らす未来は来る!
 電力自由化で、市民は再生可能エネルギーを選ぶことができるのでしょうか。私たち市民電力は、生み出した珠玉の電気を市民に届けることができるのでしょうか。
 再エネ供給を実現させるためには、まずはたくさんの再エネをつくりだすことが必要です。私たち市民電力も、力小なりといえども、その一翼を担います。次に、再エネを仕入れて小売する事業者が登場すること、3つ目には再エネを選んで契約する消費者がたくさん現れることです。そしてこの三者が連携することこそが重要です。
 電力自由化をチャンスに、市民団体が結集して、電気の質や出自を選んで電力会社と契約できる制度を求めて、パワーシフトキャンペーンを展開しています。市民には再エネを選ぼうと呼びかけ、同時に再エネ小売をめざす事業者をエンパワーしようという取り組みです。市民が価格の安さだけでなく、どのような電気を使い、どのような社会をめざすのかを考えて選ぶことに資するよう、電源表示の義務化なども求めていきます。
 市民電力、再エネ小売事業者、市民・消費者の連携で、再生可能エネルギーで暮らす未来を切り拓いていきます。
(とこうきみこ)

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大本営発表の空白の2分間─政府表現コピペのマスコミ
北朝鮮が「人工衛星」と称する弾道ミサイル

 北朝鮮は、2月7日、ロケット「光明星(クァンミョンソン)号」を打ち上げて地球観測衛星「光明星4号」を軌道に投入することに成功したと発表しました。ロケット打ち上げから約2時間後、米「統合宇宙運用センター(JSpOC)」は、二つの物体が軌道に乗っていると発表しました。人工衛星とロケットの3段目で、それぞれ「北米航空宇宙防衛司令部(NORAD)」の識別番号41332と41333が与えられました。同日、日本政府は、内閣官房長官声明で「本日午前9時31分頃、北朝鮮が『人工衛星』と称する弾道ミサイルを発射した」と発表。マスコミ各社はほぼそのまま報じました。

人工衛星:北朝鮮の発表と米発表の比較
 朝鮮中央通信は朝鮮国家宇宙開発局の発表として次のように報じました。「キャリア・ロケット『光明星』号は・・・2月7日9時、平安北道鉄山郡西海衛星発射場から打ち上げられ、9分46秒後の9時09分46秒に地球観測衛星『光明星4』号を軌道に正確に進入させた。『光明星4』号は、97.4度の軌道傾斜角で近地点高度494.6km、遠地点高度500kmである極軌道を回っており、周期は94分24秒である。『光明星4』号には、地球の観測に必要な測定機器と通信機器が搭載されている」。
 米JSpOCは軌道を466×501km、傾斜角を97.5度としています。南に向かって発射されたロケットで投入された衛星が極周回の太陽同期軌道に乗ったことにより、地球上のそれぞれの目標地点を毎日同じ現地時間に通過して、太陽光の入射角が常に同じになる状態で観察することが可能になったというのが北朝鮮の主張でしょう。しかし、JSpOCの方が正しければ、衛星はちょっとだけ外れたことになるが、それでも有用だろうと米国のNGO「38North」のミサイル専門家ジョン・シリングは言います。同じシステムを弾道ミサイルとして使い、1万km先の目標を狙った場合は50kmほど飛距離が足らず、西に約10kmずれるとの分析です。
 米国での報道によると、人工衛星は未だに姿勢が安定しておらず、地上との通信も行われていないと米政府は見ているようです。2012年12月に軌道に乗ったが機能していない「光明星」3号と同じ運命に終わるかどうか確定するにはもう少し時間がかかります。

大本営発表をそのまま使う日本のマスコミ
 日本のマスコミ各社はこぞって以前から慣習となっている「事実上の長距離弾道ミサイル」というような表現を使っています。
 ロケットに弾頭を載せればミサイルになり、ミサイルに人工衛星を載せて飛ばせば打ち上げロケットとなります。例えば1960年代に開発された米国の大陸間弾道ミサイル(ICBM)タイタン2は、改造型が米国2番目の有人宇宙飛行計画「ジェミニ計画」に使用されたし、1987年に退役したICBMタイタン2自体も、その後改修され、2003年まで衛星打ち上げ用に使われました。米国の「憂慮する科学者(UCS)」のミサイル問題の専門家デイビッド・ライトは「北朝鮮はロケットの開発を25年以上も行ってきている──衛星打ち上げ用と弾道ミサイルの両方である」と状況を説明します。
 何処の国であれ人工衛星打ち上げを続ければ、同時に弾道ミサイル技術の能力を高めることができますから、核兵器の開発を続け、1月に4度目の核実験をしたばかりの北朝鮮が弾
 北朝鮮の大陸間弾道ミサイル技術のレベルです。ライトが作成した下の図は、2012年の人工衛星打ち上げに使われた銀河3号と射程1万2000kmの液体燃料ICBMの初期の軌道の違いを示しています。(今回の打ち上げに使われたのは前回とほぼ同じロケットとライトは見ます。)「人工衛星と称する弾道弾ミサイルの実験」という表現は、ロケットがICBMのような高度に達し、人工衛星の軌道への投入も行われない実験を意味すると理解するのが普通でしょうが、今回の実験はそうではありません。
 銀河3号/光明星号を1000kgの核弾頭を搭載するよう改修した場合、アラスカやハワイには届くかもしれないが米本土には届かない。500kgの弾頭なら米本土のほとんどの部分に届く、とライトは見ます。しかし、長距離弾道ミサイルの実用化のためには、高々度に打ち上げたミサイルの先端部分が大気圏に再突入するときの摩擦熱に耐える熱シールドの飛翔実験が必要になります。

発射時刻は?米29分、南北朝鮮30分、日本31分
 韓国の中央日報紙日本語版(2月7日10時54分)は国防部当局者による「午前9時30分ごろに北朝鮮の発射場から発射され、9時31分に韓国海軍の駆逐艦に捕捉されてから1分余り後にミサイル(ロケット)と最終判断された」との説明を報じています。米国のNORADの発表文は若干曖昧ですが、一つの解釈は「宇宙空間配備赤外線システム(SBIRS)」でロケット噴射の熱を即座に探知したのが9時29分頃、実際の離昇が9時30分、韓国のレーダーで捕捉されたのが9時31分。ミサイル防衛システムではSBIRSの情報を地上のレーダ-網に伝えて補足させます。日本政府はレーダーの補足時刻9時31分を間違えて発射時刻と発表し、日本のマスコミはそれをそのまま報じ続けたということでしょう。ミサイル発射だ、ミサイル防衛だとあれだけ騒いでおいて、日本政府にミサイル防衛のシステムを理解している人がいなかったということでしょうか。そして米国からも情報が提供されず、日本から問い合わせもしなかったということでしょうか。
(田窪雅文:「核情報」主宰)

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《投稿コーナー》
アララガマ魂で宮古島への自衛隊配備阻止を
新産別運転者労働組合書記長 太田 武二

日本軍がこなければ沖縄戦の被害はなかった
 私は宮古島に生を受け、3歳で沖縄県那覇市に移住し、その3年後に那覇から東京に移り60年間首都圏で暮らしてきた。私の母は、生まれて間もない兄を抱えて宮古島が戦場になった時、防空壕や自然壕に避難したという。沖縄戦当時、米英軍は宮古島で地上戦闘をせず、艦砲、空爆攻撃をした。住民と兵士約5000人が戦闘だけでなく餓死や病死した。
 多くの被害を出したのは、3万3千人の住民が住んでいた狭い島に日本軍3万人が駐留してきたためだ。そもそも敗戦が必至となっていた1944年の3月、突然に大本営が沖縄に第32軍を配備しなければ、その時まで日本軍がいなかった沖縄の島々は一時占領されても、米軍の軍事行動は国際法違反で戦争にはならなかったはずだ。実例がある。慶良間諸島の中で日本軍のいなかった前島では、戦死者はもとより集団強制死も起こっていない。
 私は以前から、沖縄戦は国体護持のための捨て石作戦に止まらず、戦後から今日まで続く日米共同の軍事植民地とする為に、天皇を中心とする大本営、財閥らが裏取引をして仕組んだ戦争だと確信している。この確信は、安倍政権による無法極まりない集団的自衛権行使と戦争法強行から、辺野古への新基地建設、自衛隊の奄美、宮古、石垣、与那国への配備の動きを見る時、近未来の沖縄戦再現につながる危機感となっている。
 宮古島は沖縄島から300キロ南西に離れ、石垣島などの八重山諸島からは約150キロ北東に位置している。その沖縄からの300キロは、北のアリューシャン列島から日本列島、南の台湾、フィリピン、インドネシアに至る海の道の中で最も離れていて、旧石器時代の人類が渡る事のできない距離だった。従って、宮古の北端に位置する池間島が南からの遺跡群の北限、沖縄慶良間諸島が北からの南限となっている。
 こうした地理的独自性に加えて、宮古島は琉球王国における人頭税などの差別支配下での農民一揆、明治政府の琉球併合に叛乱したサンシイ事件、明治時代まで残った人頭税の弾圧に屈せず、10数年がかりの廃止運動で勝利した等の民衆史が輝く島だ。その闘魂をアララガマ魂という。

戦争法の最前線になることを止めよう!
 現在公表されている宮古島への陸上自衛隊の配備計画は、実弾射撃訓練場、弾薬庫、宿舎、グランドなどが建設され、駐屯地には地対艦ミサイル・地対空ミサイル部隊、南西諸島全域の司令部を覆土式の地下に建設し、700人から800人規模の部隊になる。これが実現したあかつきには、宮古島は平和な島から軍事要塞と変貌する。石垣島も同じだ。
 安倍政権の沖縄に対する軍事化の攻撃は、辺野古新基地建設強行に加えてより危険なものとなっている。3月に予定されている戦争法発動に照準を合わせているとしか思えない。防衛省は、1月31日に航空自衛隊那覇基地で第9航空団を新編成すると決定した。何と1964年の第8航空団編成以来52年ぶりのことだ。この結果、那覇基地のF15戦闘機は倍の40機体制となり、人員も約300人増えるという。今や軍民共用の飛行場は全国で那覇空港だけだ。沖縄への観光客が増えている状況の中、滑走路が一本だけで日本一危険な空港で、こんなことが許されてよい訳はない。
 今や安倍政権は、対米隷属路線の下で琉球諸島における対中国軍事行動に突き進んでいるとしか思えない。公表されている米国統合参謀本部の国家軍事戦略では「日本の自衛隊が海外(国外)で活動する能力を向上させることを支援する」と明記され、この間、日米合同軍事演習、米海兵隊と陸上自衛隊の島嶼への上陸演習が米本国や日本で行われてきた。その延長線上に、「動的防衛力」から「積極的平和主義」と「集団的自衛権」「島嶼防衛」「与那国、石垣島、宮古島への実戦部隊、地対艦ミサイル配備」などが強行されようとしているのだ。この流れは2007年のリチャード・アーミテージとジョセフ・ナイの報告に沿って、民主党政権時代から進められてきたことなのだ。
 宮古島では、既に「止めよう!自衛隊配備宮古郡民の会」や「てぃだぬふぁの会」を中心に、反対署名(昨年10月、16439筆を市長に提出)、公開質問状、沖縄防衛局への要請行動などが取り組まれてきた。その合言葉は、「宮古島が戦争法の最前線になることを止めよう!」だ。
 今年は文字通り平和と戦争の分水嶺となる。辺野古新基地阻止・琉球諸島への自衛隊配備阻止・参議院選挙勝利・安倍政権打倒に向かってがんばりあいをしよう!
(おおたたけじ)

集会案内「沖縄の自衛隊基地強化を許さない」(仮称)
3月29日(火)18:30~20:30東京・渋谷区「千駄ヶ谷区民会館」(JR山手線「原宿駅」下車徒歩10分)
主催:平和フォーラム/沖縄・一坪反戦地主会関東ブロック
内容:宮古島、石垣島の現地報告を受け、基地の新設・強化の実態を学ぶ。

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各地の1000人委員会の活動から
「戦争法」廃止・憲法改悪阻止に向けて
「戦争をさせない1000人委員会・大阪」事務局 中前 明男


「1000人委員会・大阪」の学習会(1月31日)

 「特定秘密保護法」制定と「集団的自衛権閣議決定」などに対して、大阪の市民団体や弁護士会とともに学習集会を開催し運動を進めるなかで、2014年11月9日の平和集会で「戦争をさせない1000人委員会・大阪」を発足しました。その後、「大阪市分割」(いわゆる「都構想」)を問う住民投票と、大阪府・市首長選挙の厳しい状況のなか、大阪の市民団体などと協同で15年6~7月に「戦争法反対」と「辺野古新基地建設反対」の多くの集会・学習会を開催してきました。
 また、平和フォーラム関西ブロックなどとともに、滋賀県高島市あいば野での日米合同軍事訓練や京丹後市のⅩバンドレーダー基地建設に反対する集会に参加、6月には奈良市で講演集会を近畿の「1000人委員会」主催で開催しました(1200人参加)。
 8月30日には、東京の12万人集会に呼応して、大阪・扇町公園に3万人近い労働者・市民・学生等が結集して、安全保障法=「戦争法」反対の声をあげました。また参議院での強行可決直前の9月13日に「とめよう戦争への道めざそうアジアの平和」集会(デモあり)を1300人参加で開催し、11月、12月にも学習集会を実施しました。年が明けて1月31日、平和フォーラムの福山真劫共同代表を講師に学習会を開き、「2000万人統一署名」活動など「1000人委員会・大阪」の今後の運動展開について意思統一をしました。(写真)
 当面、2月21日の「辺野古新基地建設反対全国同時アクション」の近畿ブロック行動を大阪で実施、3月27日には「イラク開戦―廃止しよう!戦争法とめよう!辺野古新基地建設関西集会」の開催を計画しています。
 今後、「19日行動」として「戦争法」廃止・憲法改悪阻止に向けて、一般市民への街頭活動を強化しつつ「統一署名」活動に全力で取り組みます。その集約の一つとして、2万人規模を目標に多くの市民を結集して、5月3日(予定)の憲法集会の成功にむけて準備を進めています。
 平和・人権と民主主義への攻撃に対する闘いは、いっそう厳しい状況になりますが、安倍政権の歴史修正主義的姿勢と憲法改悪=平和を壊す政策に抗する全国の闘いに連帯して、大阪での「戦争をさせない1000人委員会」の運動をこれからも力強く展開していきたいと考えます。
(なかまえあきお)

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〔映画の紹介〕
「福島原発作業員の記」
池田実著 八月書館刊

 本誌「NewsPaper」811号(2015年12月号)のインタビューに登場した、元福島第一原発作業員の池田実さんが、福島での除染作業や福島第一原発(フクイチ)で働いた体験をつぶさにまとめたルポルタージュです。
 池田さんは、長年、郵政労働運動にかかわり、震災後、定年退職を機に、復興に役立ちたいということで、福島に向かいました。当初、フクイチで働くことを希望し職安通いを続けましたが、60歳を過ぎた素人にはなかなか働く機会が恵まれず、浪江町での除染作業に就くことで福島での生活がスタートしました。初めての経験に戸惑いながらも、除染作業がどのように行われているのかが書かれています。パワハラの横行や杜撰な被曝管理、手抜き作業など、現実の姿を見せつけられます。このような除染作業の上に帰還事業が進められようとしていることを改めて考えさせられます。
 その後、念願のフクイチに就労することができました。現場では便利屋のように使われ、数々の仕事を渡り歩き、その中で様々なことを目撃、体験してきました。労働運動で培った感覚で、就労問題、安全衛生、職場環境などの問題点を的確に指摘しています。死亡事故の問題では、原因や東電の対応など、現場からの貴重な証言です。事故が起これば、救急搬送に60㌔離れた総合病院に2時間以上もかけて運ばねばならないこと、アスベストの問題など労働安全の面からみたフクイチの実態は興味深いものがあります。
 また、ゴミの分別作業で見つけた東電社員のボーナス(2010年)が267万円で、下請けのボーナスが27万の給料明細書の話を読むと、いかに下請けが安く使われているかがよくわかります。その東電社員はほとんど現場ではみかけず、下請けからすると神様のような存在であり、事故を起こしてもなお、そのあり方は変わっていないようです。
 ルポでは、作業員は使い捨ての駒のように、労働条件や雇用が不透明・不安定なことがつぶさに報告されています。そこに原発(事故)の非人間性が垣間見えます。原子力産業が重層的な下請け構造なしには成りたたず、ピンハネや差別を前提に非正規の労働者によって支えられているという根本的な矛盾を、幾度となく本書の中に見ることになります。それが非人間的なものであるかぎり、早晩このような産業は衰退するであろう。そのことを確信させるルポルタージュです。
(井上年弘)

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核のキーワード図鑑


地球に買い取らせるつもり・・・

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福島原発事故5周年の取り組み

 2011年3月の福島原発事故から5年目を迎えようとする中、さよなら原発1000万人アクション実行委員会などは様々な取り組みを行います。
 問合せは原水禁まで(電話:03-5289-8224)

  1. 2016原発のない福島を!県民大集会
    日時:3月12日(土)13:10~
    場所:郡山市・開成山陸上競技場
    内容:あいさつ/県民のリレートーク/集会アピール/デモ行進
    主催:「原発のない福島を!県民大集会」実行委員会
  2. つながろう福島!守ろういのち!―原発のない未来へ!3.26全国大集会
    日時:3月26日(土)11:30~(メインステージは12:30~)
    会場:東京・代々木公園
    内容:あいさつ/訴え/ライブ/集会後、デモ行進
  3. 講演会「さようなら原発─世界から」
    日時:3月27日(日)14:00~16:30
    場所:東京・千代田区「星陵会館ホール」
    内容:「福島原発事故裁判」「チェルノブイリ原発事故被災者」「台湾の脱原発」の講演など
  4. フクシマ連帯キャラバン
     3月12日、開成山陸上競技場をスタートし、関東各都県で集会や自治体要請、街頭宣伝を行い、3月26日に東京・代々木公園にゴールする。短期間でも参加可能。

2016年03月01日

被災62周年 3.1ビキニ・デー集会を静岡で開催

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1954年3月1日にアメリカがビキニ環礁で行った水爆実験によって、日本の第5福竜丸など多くの漁船が被曝をしたビキニ事件が起きてから62周年を迎え、原水爆禁止日本国民会議(原水禁)や東海ブロック原水禁連絡会議などの主催による「3.1ビキニ・デー集会」が静岡で開催され、200人以上が参加しました。
まず、第5福竜丸の無線長で、被曝から半年後に亡くなった久保山愛吉さんの墓前祭が焼津市の弘徳院で開かれ、参加者が久保山さんのお墓に焼香を行った(上写真右)後、寺の中で、講談師の田辺一乃さんによる講談が行われました。ビキニ事件のあらましや、その後の経過を追った「第5福竜丸物語」と、水爆実験をヒントに作られた映画のゴジラにちなんだ「ゴジラ誕生秘話」の2作が迫力をもって語られました。

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夕方からは静岡市内で集会が開かれ、主催者の川野浩一・原水禁議長が「ビキニも広島・長崎の原爆も、福島原発事故も政府によって風化させられようとしている。そして、安倍政権によって、再び戦争の出来る国にしようとしている。集会を機に改めて憲法改悪阻止、戦争法の廃止にたちあがろう」と呼びかけました。また、渡邊敏明・静岡県平和・国民運動センター会長も地元歓迎あいさつを行いました(上写真左)。
講演は、元広島市長として長年、核廃絶を訴えてきた秋葉忠利さん(ヒロシマ・ピース・オフィス代表)が「ヒバクシャと共に『核にない日』を迎えよう」と題し、広島市・長崎市が中心となる国際的な「平和市長会議」が目標とする2020年までの核廃絶を現実のものとしようと訴えました。そのために具体的な発想として「国家的思考から都市的思考へ、被害者同士の横のパートナーシップ、人間中心の脱イデオロギー、世界規模の民主主義」の確立が必要と、秋葉さんは提起をしました(写真左)。
「福島原発事故から5年─現地からの報告」では、福島原発告訴団団長の武藤類子さんが立ち、いまだに10万人もが避難生活を余儀なくされ、除染によって110万個のフレコンバッグが散在する中で、政府や自治体が住民の帰還を強要しようとしている現状を、写真をもとに報告しました。そして、原発事故の責任を問う原発告訴団や「原発事故被害者団体連絡会」の活動を紹介し、連携を呼び掛けました(写真中)。
また、静岡県選出の高校生平和大使などの女子高校生が核廃絶を訴え(写真左)、さらに、「戦争をさせない1000人委員会・静岡」からも戦争法廃止を求める2000万署名の呼びかけがありました。最後に「平和と民主主義を守り、核兵器廃絶、脱原発、ヒバクシャの援護・連帯に向けて運動を強化しよう」と集会アピールを採択し、集会を終了しました。

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