11月, 2009 | 平和フォーラム

2009年11月28日

第41回食とみどり、水を守る全国集会に全国から630人参加し松江で開催

091128.jpg平和フォーラムと消費者・市民団体、農民団体などの実行委員会(河田伸夫実行委員長・森林労連委員長)が主催する「第41回食とみどり、水を守る全国集会」は、11月27日~28日に島根県松江市の「くにびきメッセ」を会場に開催され、全国から約630人が参加しました。

「くらしと地域をつくる食・みどり・水 神話の国から自然の恵みに『だんだん、だんだん』」をスローガンとして、世界的な食料需給のひっ迫や国内の食料自給率の低迷、食品偽装や安全性などの食の安全、国内の農林水産業の衰退、森林や水などの環境問題が深刻になっている事態に対して、どう運動を進めるかを中心に討議しました。特に、民主党を中心とした新たな政権が動き出す中で、食・みどり・水の重要性を改めて見直し、食の安全・安定、農林水産業の再生、持続可能な循環型社会をめざした政策のあり方も課題となりました。

第一日目は、地元の松江を中心にコンサート活動を続けている、六子(ろこ)さんのさわやかな歌声でオープニングを飾った後、全体集会が開かれ、主催者あいさつに立った河田伸夫実行委員長は、日米の政権交代や経済不況、国内農林業の危機的状況について述べ「人間の生存に欠かせない食・みどり・水を見直し、地域にしっかり根をおろした運動を展開しよう」と訴えました。

矢倉淳島根県実行委員長(連合島根会長)の歓迎あいさつ、来賓として、溝口善兵衛島根県知事(代理)や松浦正敬松江市長のあいさつなどを受けた後、藤本泰成事務局長が基調報告として、集会の討議課題として、1)食・みどり・水・農林漁業を基軸に、地域からいのちと暮らしを守る運動を拡大する、2)新たな政権のもとで、地域において生産者・消費者・市民が連携して、具体的な施策や活動を提起し、その実現を求める、3)地域の資源を活用した食・エネルギーの自給向上、地産地消運動、市民による環境保全運動等を通じて、市場経済優先から循環型社会への転換を進めていくこと、などを提起しました。

一日目の後半は3つのテーマに分かれて分散会が開かれ、食の安全について、農と食の環境フォーラム代表の牧下圭貴さんは、現在の食をめぐる状況を様々な視点から捉え、地産地消や学校給食などを通じた食のあり方について訴えました。食料・農業政策について、東京大学教授の谷口信和さんは、民主党の農政下での日本農業の行方について、食料自給率や担い手問題を中心に考察しました。森林・水・環境については、国民森林会議の議長であり、名古屋大学名誉教授の只木良也さんが、「環境としての森林」を中心に、森林の持つ役割や温暖化問題、水との関わりなど幅広く提起しました。

第二日目は分科会討議を行い、「課題別入門講座」では、地元のJA雲南産直事業課長が「消費者と生産者の架け橋となる地産都商の推進」の経験を語りました。また、来年の名古屋での生物多様性条約国際会議に向けて、「生物多様性と環境・食・農の関わり」についての講演も行われました。  「食の安心・安全・安定をめぐって」は、島根県吉賀町で地域ぐるみの有機農業を進めてきた取り組み報告などを受け、生産と消費の現場での取り組み、食育と地産地消、有機農業推進などの課題を討論しました。 「食料・農業政策をめぐって」は、鳥取県選出参議院議員の川上義博さん(民主党)や、鳥取県畜産農協組合長なども交えて、農業・農村の実態を踏まえた新政権下の農政と課題を中心に討議しました。 「森林・水を中心とした環境問題をめぐって」は、松江市の象徴である宍道湖のシジミから見た環境問題や、いま話題になっているダム問題についての提起を受けて討論が行われました。 「フィールドワーク」は、日本で最初の低温殺菌牛乳を生産した、雲南市の木次乳業を訪ね、工場を視察しながら、その意義を学びました。

第二日目の午後に開かれた総括集会では、特別報告として、島根大学名誉教授で、全国集会の島根県実行委員会顧問の平塚貴彦さんが「食・みどり・水をどう守るのか」と題して、改めて食とみどり、水を守る大切さと、島根県内での具体的な実践を中心に講演を受けました。 最後に、藤本事務局長の集会のまとめと、WTO交渉での農産物自由化に反対する特別決議、集会アピールを採択し、集会を終了しました。

なお、集会の翌日には、連合島根が主催して、地域の農産物などを紹介し、味わうことをテーマとした「地SUN地SHOWまつり」が開かれ、多くの人で賑わいました。

2009年11月28日

第41回食とみどり、水を守る全国集会アピール

 

 私たちをめぐる国内外の政治・経済・社会状況は、大きく転換しています。アメリカに続いて、日本でも本年8月の衆議院総選挙で新たな連立政権が誕生しました。これまでの日米政権による新自由主義経済や構造改革政策が、格差の拡大や地域における生活基盤・社会保障制度の破壊を招いてきたことは、昨年秋の金融経済危機によって明確に示されました。こうしたなかでの日米の政権交代であり、生活や雇用、地域社会の立て直しが強く求められています。
 
 一方、地球温暖化や水、森林などの環境の破壊、途上国を中心とした食料需給のひっ迫や中長期的な価格上昇、食の安全への不安・不信も高まっています。また、国内の農林水産業は、価格の低迷や担い手問題などから、経営の維持がますます困難になり、食料自給率向上も進んでいません。
 いま改めて、生きるために欠かせない食料や水、森林、そして健全な地域社会の大切さを見直すときです。
 
 こうしたなか、私たちは、島根県松江市に全国各地から600人以上の仲間が集い、「くらしと地域をつくる食・みどり・水~神話の国から自然の恵みに『だんだん、だんだん』~」をスローガンに、第41回食とみどり、水を守る全国集会を開催しました。多くの講師、助言者の提起と各地の実践報告をもとに、食の安全・安定、農林水産業の再生、持続可能な循環型社会への転換をめざした取り組みがいっそう大事な時を迎えていることを学び合い、新政権における新たな政策の展望もふまえて、取り組むべき課題を確認しあいました。
 
 これまでの市場経済万能の新自由主義、軍備増強、格差の拡大、環境悪化を招いた路線と決別し、平和や人権、環境が守られる社会に向けて、どのような運動を展開すべきかが問われています。
 私たちは、集会で学んだことを、地域の具体的な実践活動のなかで生かすため、自ら行動し、活動の輪を大きく広げていきましょう。そして、真の政策転換をかちとるために、全力で運動を展開しましょう。
 
2009年11月28日

第41回食とみどり、水を守る全国集会参加者一同

2009年11月28日

第41回食とみどり、水を守る全国集会特別決議

WTO・FTA交渉における農畜産物貿易自由化に反対する決議

 

 2001年から始められた世界貿易機関(WTO)交渉は、農業分野を中心として、先進国と途上国、輸出国と輸入国の対立が続き、当初の予定を大幅に越えて交渉が続いています。昨年7月にもインド・中国とアメリカの対立から決裂し、中断していましたが、アメリカの政権交代による交渉体制が整ったとして、11月30日からジュネーブで閣僚会合が開かれます。そして、2010年中に最終決着をめざすとしています。
 しかし、依然として各国の対立の溝は深く、交渉の行方は不透明なままとなっています。昨年来の金融経済危機が続く中で、経済立て直しのためにもWTO交渉推進が唱えられています。しかし、これまで自由化の恩恵は、米国など一握りの国にしかもたらされず、多くの途上国の農業や様々な産業が破壊されてきました。そうした問い直しをすることなく、自由貿易一辺倒の交渉を再開させようとしていることに、私たちは強く反対します。
 とくに農業分野においては、関税率の大幅削減、重要品目数の制限など、日本等の輸入国にとって極めて厳しい交渉が予想されています。しかし、途上国を中心とする人口増加、中国やインド等の経済発展による食料需要の増大、地球規模の気候変動による干ばつなどの多発、バイオ燃料の原料としての穀物の需要増大、農地面積の縮小、水不足の深刻化、土壌の劣化等により、世界は明らかに食料不足の時代に入っています。いま世界には10億人以上の食料不足に苦しむ人々がいます。穀物価格の高騰は今後も中長期的に続くと予想されています。こうした地球規模での食料問題を解決するためには、自由貿易の拡大ではなく、各国が生産資源を最大限活用して自給率を高めながら、共生・共存できる「新たな貿易ルール」が必要です。
 WTO交渉が停滞する一方で、二国間自由貿易協定(FTA・EPA)交渉が進められてきました。日本はこれまでの東南アジア諸国との協定締結、農業大国のオーストラリアとの交渉継続に加え、今後はアメリカ、EUとの交渉開始が主張されています。FTAはWTO以上に、市場経済の論理をむき出しにして自由貿易を進めようとするものです。また、低開発国を排除することで、世界の貧富の格差拡大を招くことも指摘されています。
 新政権の中心の民主党政策では、食の安全・安定、食料自給率向上を念頭に置きながらも、アメリカやEUとのFTA交渉推進を掲げています。しかし、農業大国のアメリカなどとのFTAは、日本農業に壊滅的な打撃を与えるものであり、それは、食料や地域経済にも大きな影響をもたらします。
 こうしたことから私たちは、日本政府に対し、WTOやFTA交渉に臨むにあたって、自由化が世界の食料・農業問題の解決に逆行してきたことなど、これまでの貿易自由化がもたらしてきた影響について徹底的に検証し、改めて貿易のあり方について問い直すことを求めます。
 また、安全な食料を安定的に供給するには、国内農業の維持発展が欠かせません。そのため、WTOやFTAによる農畜産物の市場開放に反対してともに運動を進めることを、広く消費者・市民のみなさんに訴えます。
 以上、決議します。
2009年11月28日
第41回食とみどり、水を守る全国集会参加者一同

2009年11月27日

普天間基地の辺野古への移設に関する平和フォーラムの見解

                                                フォーラム平和・人権・環境事務局長 藤本泰成

 日米政府は、普天間基地の辺野古移設に関する協議を進めています。10月20日に来日したロバート・ゲーツ国防長官は、「普天間代替施設なしでは、グアムへの移転はない。グアムへの移転なしでは、沖縄において基地の統合と土地の返還もない」と発言しました。また11月13日に来日したオバマ大統領も、辺野古移設を前提として早期の決着を求めました。一方、鳩山由紀夫首相は県外移設を含めた計画の見直しを表明していますが、北澤俊美防衛大臣は辺野古移設を容認し、岡田克也外務大臣は嘉手納基地との統合を視野に県内移設を提言しています。
 辺野古では、多くの人々が基地移設に反対し、抗議行動が行われています。また辺野古の沖合にはサンゴを始め希少生物が生存し、絶滅危惧種のジュゴンも確認されています。開発の進んだ沖縄本島の中では自然が残る貴重な地域です。沖縄県では昨年6月に県議会選挙が行われ、辺野古移設反対の議員が多数になりました。今年8月の総選挙でも、小選挙区の全てで辺野古移設反対の議員が誕生しました。世論調査では6割を超える県民が辺野古移設に反対しています。県民の意思は明らかです。平和フォーラムは日米政府に対して、沖縄県民の声を尊重すること、普天間基地を閉鎖すること、県内移設を行わないことを要求します。

 沖縄県には在日米軍基地の75パーセントが集中し、県土面積の11パーセントを米軍基地が占めています。また在日米軍兵士51,000人のうち24,000人が駐留し、米兵犯罪は後を絶ちません。昨年2月には、女子中学生が性暴力の被害を受け、オバマ大統領来日直前の11月7日には米兵によるひき逃げ死亡事件が起きました。昼夜を問わぬ米軍機の騒音、訓練に伴う事故、性暴力や殺人と、沖縄県民は米軍被害の中で生活しています。米軍被害の原因は、日本政府が締結した日米安保条約に基づき、米軍が駐留しているからです。日本政府には、米軍被害を早急に解決する義務があります。平和フォーラムは日本政府に対して、米軍基地の縮小・閉鎖に向けたあらゆる行動を開始するように求めます。

 普天間基地の辺野古移設に合意したのは、ブッシュ米大統領と小泉純一郎首相です。ブッシュ大統領は世界各地で「テロとの戦い」を進めました。小泉首相はブッシュ大統領に追従し、「戦争する国づくり」を進めました。しかしブッシュ大統領も小泉総理も、両国の市民から「NO!!」の審判を受けました。米国ではオバマ大統領が誕生し、戦争政策から多国間協調へと転換を行っています。日本でも初めて選挙による政権交代が実現しました。両国の市民が否定した古い時代の約束事に、新しい政府が囚われる理由はありません。また普天間基地の閉鎖には新しい基地の建設が必要という米国の要求を、無条件の前提にするべきではありません。鳩山内閣は発足に当たり、「米軍再編や在日米軍基地のあり方についても見直しの方向で臨む」とした「三党連立政権合意書」を発表しました。また鳩山首相は所信表明演説で、「沖縄の方々が背負ってこられた負担、苦しみや悲しみに十分に思いをいたし、地元の皆さまの思いをしっかりと受け止めながら、真剣に取り組んでまいります」と語りました。平和フォーラムは日本政府に、「三党連立政権合意書」、ならびに所信表明演説の誠実な履行を求めます。

 近現代を通して、米国は海外基地を拡大してきました。しかし基地を押し付けられた国の人々は、自国政府や米軍の弾圧を受けながらも、基地撤去を訴え続けてきました。そうした闘いによって、スペイン、ギリシャ、フィリピン、エクアドルをはじめとした世界各地で、米軍基地は閉鎖や縮小を余儀なくされました。世界は、国際協調を基調にした平和と安定の時代へ向かっています。必要なことは、東北アジア非核地帯構想や東アジア共同体構想を進めることです。終戦から64年、サンフランシスコ講和条約から58年、沖縄返還から37年、冷戦崩壊から20年が経過したいま、沖縄が米国から新しい基地の建設を強要されるいわれはありません。
 普天間基地の閉鎖を実現し、辺野古移設や嘉手納統合を阻止することは、平和フォーラムにとって最重要の課題です。そのために必要なことは、全国各地から沸き起こる大衆運動の力です。平和フォーラムは組織の一切を賭けて、普天間基地の閉鎖実現と県内移設反対に取り組みます。

2009年11月26日

日弁連/改めて取調べの可視化を求める緊急市民集会


091126b.jpg

 2009年10月、法務省は取調べの可視化に関する勉強会を立ち上げました。しかしながら,すでに取調べの可視化を含む刑事訴訟法改正案は参議院で二度も可決されており、富山・氷見事件や足利事件などのえん罪事件の発覚によって,取調べの可視化の必要性が改めて注目されています。政権交代後の初めての臨時国会に際し、改めて取調べの可視化(取調べの全過程の録画)の必要性を市民と一緒に考え、実現を訴えるための集会が、日本弁護士連合会の主催で、11月26日、弁護士会館で開催され、100人が参加しました。
 川崎達也日弁連副会長の開会あいさつにつづいて、当日衆議院第2議員会館で50人が参加した行われた「改めて取り調べの可視化を求める緊急院内集会」の報告を日弁連取調べの可視化実現本部事務局次長の池田綾子さんが行いました。その後、小堀隆恒・前枚方市副市長が「枚方談合事件の問題点について」、氷見事件でえん罪被害者の柳原浩さんが「富山・氷見事件の問題点」について、日弁連取調べの可視化実現本部事務局長の秋田真志さんが「オバマ大統領が実現したイリノイ州の可視化について」報告されました。

 このうち、開会あいさつをしたの川崎日弁連副会長は、「すでに民主党は、可視化法案を参議院で2度にわたって可決したにもかかわらず、いろいろな意見がでて機運が削がれている感じだ。究極の人権侵害といえるのがえん罪だ。可視化されると治安が悪化する。おとり捜査、司法取引の導入が必要との意見もあるが、これらの意見は誤りだ。次期通常国会で成立を」とのべました。
 談合事件に関わって逮捕され、否認をつづけると人権無視の対応で自白を強要された過程を報告した小堀・枚方市前副市長は、「否認すると『ごみ野郎、くず野郎、ばか野郎』と罵声を浴びせつづけられ、椅子を蹴りつけ壊すほどの暴力的な自白強要だった。医者に処方された薬も飲ませてくれずに、持病が悪化した。紙おむつをあてがわれたが、釈放まで1枚だけだった。それを渇かしては使った。こんな屈辱は決して忘れない」と証言し、「今後は警察の人権無視の捜査について多くの人に伝えていきたい。使命を感じている」と述べました。
 柳原さんは、暴力的な威圧で取り調べ官のいいなりになった状況を報告。現場検証で向かう車のなかでも自白の誘導と強要があること。可視化はこうした車内にも適用されるベきだと述べました。
 秋田事務局長は、イリノイ州の可視化は、2003年8月にオバマ大統領がイリノイ州議員だったころ実現させた法案であること。共和党だけでなく、民主党内の慎重派も説得して実現したものだとのべ、「取り調べ室に入ると同時に記録が始まり、肉親や弁護士の立ち会いがされている。法案成立直後の訪問では、『まだ、成果がでていない』と慎重な意見もあったが、ふたたび訪問するとみな好意的な反応だった」と報告しました。

2009年11月26日

永住外国人の地方参政権法案の早期立法化を求める緊急院内集会


091126s.jpg

 いま日本には、190カ国の外国籍住民221万人が暮らし、そのうち、特別永住者が42万人、一般永住者が49万人にものぼっています。日本に住む住民の約50人にひとりが外国籍住民であることからも、日本社会のグローバル化が進んでいることは明らかですが、住民の意思を地方自治に反映するはずの地方参政権は、永住外国人を含む外国籍住民に一切認められていない状況です。
 最高裁は1995年、外国籍住民に地方参政権を付与することは憲法上禁止されるものではないとし、措置を講ずるか否かは国の立法政策に関る事項、すなわち国会において議論し決めるべきであると判示しました。1998年には国会に初めて永住外国人の地方参政権付与法案が提出・審議されましたが、11年を過ぎた現在においても立法化は実現していません。
 OECD(経済開発協力機構)30ヶ国の中で、外国籍住民に地方参政権を与えず、出生地主義を取らず二重国籍を認めないのは日本だけ。一方、韓国では2006年5月31日に、韓国国内に住む19歳以上の永住外国人約1万人が、地方選挙で初めて一票を投じました。このなかにはもちろん日本人永住者も含まれています。
 外国籍住民は当然地域社会を構成している一員であり、地域社会の発展に応分の寄与をしています。外国籍住民の基本的人権を保障し、差別のない共生社会実現のためにも、地方参政権は必要不可欠です。民主党を中心とした連立内閣へと政権交代が起こり、第173回臨時国会への永住外国人の地方参政権付与法案の提出が取りざたされたなか、一刻も早く永住外国人の地方参政権を確立しようと、11月26日、衆議院第1議員会館で、定住外国人の地方参政権を実現させる日・韓・在日ネットワーク、在日本大韓民国青年会中央本部、民団東京本部の主催で「永住外国人の地方参政権法案の早期立法化を求める11・26緊急院内集会」が行われ、100人以上が参加しました。集会には民主党から、末松義規・渡辺浩一郎・手塚仁雄・初鹿明博の衆議院議員、白眞勲・小川敏夫の参議院議員、社民党から近藤正道参議院議員、公明党から魚住裕一郎・鰐淵洋子の参議院議員、共産党から笠井亮衆議院議員の10人の国会議員が出席しました。
 集会は金宗洙民団青年会会長の開会あいさつにつづいて、参加国会議員がそれぞれあいさつと法実現に向けて決意表明、「論点は尽くされたと考えている。いつ政治が決断を下すかにある」(初鹿明博衆議院議員)、「(通常国会で)閣法として出すといわれている。しっかりがんばりたい」(末松義規衆議院議員)と述べました。つづいて参政権ネット代表の田中宏一橋大学名誉教授が「疎外する社会から共存する社会へ-外国人地方参政権問題とは何か」と題して基調講演。民団東京本部の羅基祖監察委員長からのアピールなどを行い、院内集会を終えました。

2009年11月22日

差別と拘禁の医療観察法の廃止を!全国集会

 

091122.jpg

 

2003年7月に衆参両院の強行採決で成立され、2005年7月から施行された「心神喪失者等医療観察法」は、誰にも予測できない「再犯のおそれ」を理由に無期限に人を拘束し自由を奪う予防拘禁法。制定前から内外の精神障害者当事者組織、障害者団体、日弁連や平和フォーラムが、憲法、近代刑法の原則、国際人権規約などに抵触する人権侵害法として反対しました。現在、施行から4年を経ましたたが、すでに872人(2008年8月末)が強制医療下に置かれ、政府が認めただけでも13名が自殺に追い込まれるなど、さまざまな問題が引き起こされています。批准間近いとされる障害者権利条約には、すべての障害のある人は「その心身がそのままの状態で尊重される権利を有する」と定め「いかなる場合においても自由のはく害が障害の存在によって正当化されないこと」と定めています。また、この法律に反対した民主党、社民党などによる新政権が誕生した今こそ、2010年の医療観察法「見直し」にあたって、医療観察法の現状を正しく検証し、差別と拘禁の法をなくそうと、11月12日に東京南部労政会館に全国から76人の参加者を得て、「差別と拘禁の医療観察法の廃止を!全国集会」が開かれました。
集会は最初の基調報告で、「医療観察法は『精神障害者』差別立法。池田小事件で勢いづいた保安処分の流れ。2003年7月に強行採決で成立、05年7月に施行された。この法律によって『精神障害者』は危険で何をするか分からないというイメージが拡大された。医療は本人の利益のためにあるべきだが、観察法では他人の利益が目的だ。この法の下で13人が自殺しており、『本人のための医療を行なうから保安処分ではない』とは言えない。入院施設は700床が予定されていたが実際には450床しかできていない。『精神障害者』は危険きわまる存在だと政府自身が宣伝したものだから、地域住民が『危険な者に近くに来てもらっては困る』と反対しているためだ。政府の自縄自縛だ。10%の収容者は入院が長期化すると厚労省も認めている。2010年に法で定められた見直し時期が来るが、法に見直し規定があっても無視されることは今までもあった。民主党の『障がい者制度改革推進法案』では『精神保健福祉法に定める医療保護入院、措置入院を見直す』としているが、医療観察法の見直しとは言っていない。『見直し』には『現状維持・拡大』路線、保安処分純化路線、日弁連医療観察法部会の『現状維持・改革』路線、私たちの廃止路線の4つの動きがある。分かりやすく悪法廃止を広く訴えよう。『目に見える』たたかいで本気で潰す流れを作り出そう。執拗な大衆運動の力で民主党政権に廃止を迫ろう。厚労省・法務省との交渉で法の実態を暴露し、国会院内集会を継続発展させよう。新たな施設建設の流れとたたかおう」などが提起され、全体で確認されました。
大阪からの発言に続き、弁護士の足立修一さんは、「日弁連刑事法制委員会医療観察法部会の見解は、いい面を評価すべきという意見と保安処分的側面をなくしたいという意見の妥協の産物だ。法を積極的に評価していると取られても仕方ない。内心じくじたるものがある。廃止されるようにがんばる。」
京都、青森、兵庫から「精神障害者」が発言。兵庫からは「今こそ『殺すな!』と声を上げよう。自殺者が13人も出ているのに、厚生労働省はなんらの対策も立てずに情報隠しばかりをしている。締め付けはしても、本質的改善は一切しない。『精神障害者』の命はそんなに軽いのか。1970年代に『脳性まひ者』の全国青い芝の会が『障害者』殺しに対して『殺すな』と声を上げた。今こそ『精神障害者』自身が『殺すな!』の声を上げよう」と訴えました。
全国精神医療労働組合協議会の有我譲慶さんが経験を報告。「私たちは治安のために働いているのではない。岩波書店から本を出している大熊一夫さんの講演会が3月にあった。そこでイタリアのバザリア医師の取り組みに触れ、実際にイタリアに行ってきた。バザリア医師らのトリエステ地方をはじめとしたとりくみで、強制入院のための単科の病院はなくなった。トリエステでは、『他害』(他人に危害を加えること)のために強制入院となることはない。『精神障害者』の尊厳が損なわれることはない。力で抑え込んでも、より悪い形で反動が来る。警察の介入は、『精神障害者』が医師や看護師から暴力を受けないためにのみ行なわれる。そういうとりくみを社会全体でささえている。それを支える政治がある。トリエステ地方では司法精神病院の解体が進んでいる。対象者は司法精神病院には送られない。地域から切り離されては医療にならない。地域のなかで医療はできる。司法精神病院の廃止法案を出している、などということだった。それを題材にした映画のタイトルのように『やればできるさ』と希望をもってとりくんで行きたい。」
DPI日本会議の三澤了代表から連帯のあいさつの後、まとめとして、大賀達雄さんから、通常国会初日から国会行動を行なうこと、署名運動に取り組むことが提起されました。弁護士の池原毅和さんの音頭で「差別と拘禁の医療観察法を廃止するぞ!予防拘禁法を廃止するぞ!医療観察法を廃止するまで闘うぞ!」とシュプレヒコール。銀座マリオン前で宣伝と署名集めに移りました。

2009年11月13日

故金大中韓国大統領を追悼する集い


091113.jpg

 8月18日に亡くなられた韓国の金大中(キム・デジュン)元大統領を追悼する集いが9月13日、東京都中央区の浜離宮朝日ホールで開かれ約400人が集まり、韓国の民主化や日韓関係の発展のために大きな役割を果たした同元大統領をしのびました。集いでは、呼びかけ人の河野洋平前衆議院議長が「日本とのかかわりで大きな困難にあったが、英断を持って日本文化を開放し、草の根の交流を進められた」とあいさつ。韓国の民主党の丁世均(チョン・セギュン)代表らが追悼の言葉を述べ、金元大統領の生涯を映像で振り返りました。仙谷由人・行政刷新相も訪れ、「東アジア共同体は、金先生が提起された未来志向の道のわずかな実践になるのではないか」と話しました。集いは、最後に夫人の李姫鎬(イ・ヒホ)さんが「隣人を愛せというのが夫の遺言だった。夫の遺志を継いでいくことに残りの生涯をささげたい」との話しを受けました。
 14日には大阪で関西追悼集会が行われました。

2009年11月12日

チラシ「オバマさん 沖縄に基地はいりません」

(more…)

TOPに戻る