5月, 2008 | 平和フォーラム
2008年05月31日
「在日外国人の地方参政権・2008」公開セミナー(韓国YMCA)
日本の植民地支配に起因する在日コリアンをはじめ日本に暮らす外国籍住民は、いま200万人を超えます。 さまざまな国籍の、さまざまな文化を持つ人びとが地方自治に参加するなら、活き活きとした豊かな地域社会が生まれるのにちがいありません。 しかし、1998年10月6日に「永住外国人地方選挙権付与法案」が、日本の国会に提出されてから10年、いまだ法案は成立していません。 他方、2006年5月31日、韓国では地方選挙が行われ、外国人が初めて一票を投じました。アジア初のことです。 その5月31日に開いた公開セミナーには60人以上が参加。近藤敦名城大学教授を講師に「外国ではどうなっている外国人地方参政権」として、 1995年最高裁判決の意味、諸外国の立法例、国籍と市民権、国政と地方自治などについて、多角的に学習しました。 →チラシ(pdf)
2008年05月30日
国連人権理事会の普遍的定期審査(UPR)作業部会報告書草案への審査対象国政府としての対応について外務省申し入れ(pdf)
2008年05月27日
「原子力空母母港化の是非と安全性を問う住民投票条例」の横須賀市議会の不採択を受けての事務局長見解
フォーラム平和・人権・環境事務局長 福山真劫
「原子力空母母港化の是非と安全性を問う住民投票条例」を求めた横須賀市民の直接請求に対し、横須賀市議会は、5月16日、賛成8、反対33、棄権(退席)1で、直接請求を不採択としました。52,438筆の署名の重みと住民投票の意味を、市長および市議会はもっと真剣に考えるべきであり、有識者や住民投票を実施した経験を持つ地方自治体の意見を聴取するなど、慎重な対応が求められるべきであったと考えます。市長および市議会の「空母母港化など日米安保条約に基づく防衛問題は国の専権事項」として簡単に市民が求めた住民投票を認めないとした一方的な判断は、住民自治を基本とした地方自治の精神を否定し、「原子力空母が横須賀を母港とする」という市民生活に大きな影響を及ぼしかねない重大な課題に対する市民主権の行使を閉ざすもので、市民の付託を受けた市長・市議会といえども許されません。
しかし、一方で横須賀市議会は「原子力空母の配備に対し多数の市民が危惧していることの証左として、署名の重みは市議会として真摯に受けとめる」として「米空母の交代配備に伴う諸問題に対し横須賀市民の安全・安心を求める意見書」を、全会一致で採択し、原子力空母の安全性確保及び防災体制の強化や事故・事件発生時における迅速な情報公開及び事後における報告の徹底などを国に求めていくこととしています。
「住民投票条例」は不採択となりましたが、この意見書は4,088人の受任者をもって集めた署名、市民運動や労働運動、平和運動の成果であり、市長および市議会は、国がこの意見書に真摯に対応しない場合は、原子力空母の母港化撤回を国に迫る覚悟が必要です。 私たち平和フォーラムは、基地内の管理権を米国側が握る現在の日米地位協定の下では、地方自治体が安全対策などを求めて基地内および空母内に立ち入って定期的な安全検査を行うことなどは難しく、市民が求める水準での安全性の確保は困難であると考えます。横須賀市議会の意見書には一定の理解は示し得るものの、しかし、原子力空母の原子炉に関する安全性の日本側による審査が行われない中での母港化を許すわけにはいきません。
一方で、日米合意による米軍再編が国民の合意なしに進んでいます。MD防衛構想に基づくPAC3の配備が強行され、北朝鮮との平和交渉が行き詰まる中で、日本及びアジアの平和構築には、東北アジアの非核化そして各国間での信頼の醸成が急務となっています。しかし、原子力空母横須賀母港化は、東アジアでの米軍の戦闘力を一段と増強させ、各国間の政治的緊張をさらに強いる事は間違いありません。そのような意味からも、平和フォーラムとして原子力空母横須賀母港化を認めることはできません。
私たち平和フォーラムは、6月にも現地闘争本部を横須賀に構え、横須賀の市民および全国連帯のもとで7月19日の全国集会を中心に、原子力空母横須賀母港化に反対して全力で取り組みを進めることとします。
2008年05月23日
狭山事件の再審を求める市民集会(2008年05月23日 日比谷野音)
狭山事件の再審を求める市民集会が5月23日午後、東京・日比谷野外音楽堂でひらかれました。 第3次再審で事実調べ―再審開始決定を、と全国から3000人が参加しました。 集会で基調に立った部落解放同盟の松岡徹書記長は、参議院で取り調べ過程の録画・録音、証拠開示を含めた「可視化法案」が可決する見込みであることを報告しながら、 事実調べを求める狭山のたたかいと司法民主化のとりくみとを結合し、100万人署名達成のさまざまな点を面へと広げ、世論を構築し、 再審開始へみなさんとともにがんばりたい、とたたかいの方向をのべました。 また、石川さん夫妻は、このたたかいが激流となって、この力で第3次の壁を打ち破るためにも多くの支援を、と訴えました。 集会まとめで鎌田慧・市民の会事務局長は、この45年間の石川さんの悔しい思いをみずからのものとし、運動をさらに広げよう、 あらゆる場で狭山を訴え世論のうねりをつくろう、狭山の勝利なくして日本の民主主義はない、とよびかけました。 集会では、狭山弁護団がこの日提出した新証拠を説明。政党あいさつ、袴田事件の無実の訴え、「可視化法案」の意義の説明、労組、宗教界からのアピールなどが続きました。 集会後は、国会へ向けデモをし、えん罪をなくせ、「可視化法案」の制定を、と訴えました。
2008年05月22日
「宇宙基本法」の成立に関する声明
フォーラム平和・人権・環境事務局長 福山真劫
「宇宙基本法(案)」が、自民・公明・民主3党の合意のもと、衆議院に提案され、僅か2時間ほどの審議で5月13日、本会議において可決し、同日参議院に送付されました。参議院においても、自民・公明・民主3党は、社民・共産両党の反対を押し切って5月21日、本会議において同案を可決成立させました。
米ソ主導で行われてきた宇宙開発競争は、現在、多くの国の参加を見て、軍事・民事の産業資本の本格的参入を待つ巨大市場と化しています。人類の発展に期すべき宇宙開発は、大きくその姿を変えようとしています。
このような情勢の中にあって、日本は、1969年に衆・参両院において全会一致で決議された「宇宙の開発・利用は、非軍事・平和の目的に限定する」との条項に従って、宇宙開発を、宇宙航空研究開発機構などの公益法人主導で行ってきました。今回の「宇宙基本法」は、第3条及び第14条において「宇宙開発利用は、我が国の安全保障に資する」と規定され、これまでの日本の宇宙開発への原則的姿勢を大きく変え、逆戻りさせるものとなっています。
平和フォーラムは、この「宇宙基本法」の制定は、第2条に「日本国憲法の平和主義の理念にのっとり、行われるものとする。」との規定があるものの、「宇宙の軍事利用」に道を開くこととなり、決して許されないと考えます。米軍再編という名の日米の軍事一体化の中で、MD(ミサイル防衛)が現実化し、SM3やPAC3の設置が進んでいます。この実効性に乏しいMDは、宇宙衛星の探査能力と一体となることで、防衛という名のもとでの軍事的緊張を高めることとなります。「宇宙基本法」は、「宇宙の軍事利用」を具体化する重大な危険性をもつものです。
また、第16条に民間事業者の投資を促進する優遇税制の施策を規定するなど、商業目的の利用に大きく道を開くものとなっています。宇宙開発には、まだ未知の分野や克服すべき課題が多く科学探査や学問的研究の分野であり、純粋に研究対象として人類の進歩に寄与すべきものと考えます。研究分野として未開拓な「宇宙」に、産業資本の安易な参入を許すことに、大きな危惧を抱かざるを得ません。
平和フォーラムは、「宇宙基本法」が有識者の意見表明の場もなく、国民的議論もないままに決定されたことに抗議の声を上げるとともに、宇宙開発・利用については、憲法理念に基づきあくまでも人類の進歩に寄与する平和利用を追求するとともに、軍事利用への道に踏み込むことのないよう取り組みを一層強化することとします。
2008年05月21日
日弁連/共謀罪に反対する院内集会(参議員会館)
5月21日、日弁連は、共謀罪に反対する集会を国会内で開き、市民や法律家、国会議員など50人が参加しました。 主催者の角山正日弁連副会長は、犯罪の実行がなくても謀議だけで処罰することを可能にする共謀罪新設法案について、 「鳩山邦夫法相が積極姿勢をとっており、法案の行方は不透明で予断を許さない。引き続き国会の審議に備えたい」として、 同法案に強く反対することを表明しました。 海渡雄一日弁連国際刑事立法対策委員会副委員長は、日本政府が共謀罪新設に固執する背景にアメリカ政府との密約が存在する可能性を指摘し、 「いまのところ今国会での審議入りを食い止めているが、日米両政府の捜査当局の強い意思は一貫しており、警戒を解くことはできない」とのべました。 米ニューヨーク州弁護士でもある喜田村洋一さんは、三浦和義元社長が米国で逮捕された事件にふれ、 「事件さえあれば、だれでも『共謀した』という理由でひっくくられかねなくなるのが共謀罪だ」と、その危険性を強調しました。 国会議員は、民主党の平岡秀夫衆議院議員、松岡徹・松野信夫参議院議員、社民党党首の福島みずほ参議院議員が参加・国会報告しました。
→ご案内
2008年05月18日
復帰36年「平和とくらしを守る5・15県民大会」アピール
復帰36年平和とくらしを守る5.15県民大会
復帰から36年。一向に整理が図られない広大な米軍基地は、今なお、島のど真ん中に居座り、県民の暮らしに耐え難い重しとなってのしかかっている。
県民が復帰に託した「基地のない平和な沖縄」の実現は、日米両政府によって踏みにじられ、それどころか、政府が、県民感情沈静化のために、常套句として用いる「基地の負担軽減」や「基地の整理縮小」が何の実効性もあげていない中で、今、新たな基地建設を伴う米軍再編が強行されようとしている。
10年余に及ぶ長い住民の反対運動によって白紙撤回された辺野古新基地建設・海上案は、2006年5月の日米最終合意によって、あらためて辺野古崎V字案として復活し、ついに、去る3月15日から、沖縄防衛局が、辺野古海域での環境アセス調査に強行着手している。また、東村高江では昨年7月に、沖縄防衛局が強行を図ろうとしたヘリパット群建設工事が、阻止団によって工事中断を余儀なくされた時期をはさんで、あらためてこの7月に工事が再開されようとしている。地域住民は昨年の7月以来、山中にテントを張ってヘリパット建設阻止のため身を挺している。
他方で、嘉手納基地や普天間基地、またキャンプ・ハンセンやキャンプ・シュワープ、北部ゲリラ訓練場など主要な米軍基地での軍事訓練は、イラクやアフガニスタン情勢の泥沼化を受けて、実戦さながらの激しい訓練が昼夜をたがわず実施され、住民生活は破壊の危機に瀕している。
また、さる2月に立て続けに発生した、米兵による女性への性暴力事件などの凶悪事件が後を絶たない。さらに神奈川や山口など米軍基地を抱える地域で同様な事件が相次いでおり、米軍当局の発表する「再発防止」や「綱紀粛正」が実効性のない単なる方便でしかないことは、もはや誰の目にも明らかだ。米軍犯罪の温床となっている日米地位協定の改正に踏み出そうとしない日本政府の無責任外交とあいまって、今や県民の怒りは頂点に達している。
このような米軍基地を取り巻く緊迫する情勢下で、私たちは、今回31回目を数える『5・15平和行進』を実施した。沖縄本島3コース、宮古、八重山コースを含め計5コースで、3日間、力強い行進を展開した。政府の米国追随と差別的な沖縄施策によって押し付けられる不条理を厳しく告発し、そして各地で歓迎と激励を受けながら、日米両政府に対して県民が一丸となって闘う決意を交換する実り多い行進となった。
また、今回の平和行進にも全国各地から2000人近くに上る多数の県外参加があり、随所で沖縄側との交流、また全国交流を展開し、反戦平和運動の力強い創造を確認しあった。そして、この平和行進を大きく盛り上げる原動力となった。実行委員会として心から敬意を表するものである。私たちは、今年の5・15平和行進を締めくくるこの県民大会において、平和行進と本大会の成功をともに確認し喜びを分かち合うとともに、あらためて、日米政府によって進められる米軍再編、それによってもたらされる、米軍基地のさらなる強化・拡大に反対することを表明する。さらには、続発する米兵による凶悪犯罪を糾弾し、日米両政府に対し犯罪の温床となっている日米地位協定の抜本的改正を断固たる決意で要求する。また、憲法改悪・集団的自衛権行使の解釈改憲等によって戦争への歯止めなき道に踏み出そうとする政府の戦争政策に反対して闘い、わが国と東アジア近隣諸国、そして世界の平和のために闘抜く決意であることを表明する。
以上、アピールする。
2008年05月18日
復帰36年5・15平和行進3日目(東=沖縄市~宜野湾・西=北谷町~宜野湾・南=浦添市~宜野湾)
5・15平和行進は、5月18日最終日を迎えました。西コースでは朝、1000人が集まって北谷町役場前で出発式が行われ、 野国昌春北谷町長が、返還後の跡地利用の難しさなどを説明し復帰36年たっても続く基地負担を訴え、参加者を激励しました。
2008年05月18日
復帰36年平和とくらしを守る5.15県民大会(宜野湾市)
平和行進は5月18日午後、3コースから宜野湾市の宜野湾海浜公園屋外劇場に集結し、「復帰36年 平和とくらしを守る県民大会」を約4000人で開催しました。 集会は、沖縄県労働者音楽協議会と韓国の「トヌム」「希望の歌コッタジ」のメンバーによる舞踊や音楽演奏でオープニング、東・西・南の行進団を迎えました。 つづいて、崎山嗣幸実行委員長(平和センター議長)の主催者あいさつ、福山真劫平和フォーラム事務局長の連帯あいさつ、 伊波洋一宜野湾市長の歓迎あいさつ、教科書検定意見撤回を求める県民大会や米兵による事件・事故に抗議する県民大会で中心的な役割を果たしてきた 玉寄哲永沖縄県子ども会育成連絡協議会会長の激励あいさつ、福島瑞穂社民党全国連合党首と喜納昌春社会大衆党委員長の政党あいさつ、 照屋寛徳衆議院議員、山内徳信参議院議員、糸数慶子参議院議員の国会議員による激励あいさつが行われました。 このうち崎山議長は「軍事基地の島から脱却し平和の島にするために、大きな運動を前進させていきたい」とあいさつ。 伊波市長は「沖縄から基地をなくし、全国への拡散を阻止することを誓い合いたい」と呼び掛けました。 玉寄会長は、米兵事件の裁判権を日本側が放棄することで日米両政府が密約に合意していたとの報道を紹介し「政府は沖縄を(米 軍の)勝手放題にさせているではないか。日米地位協定、歴史歪曲。すべての問題で政府はうそばかり。 沖縄の心を、全国の声を受け止めるべきだ」と訴えました。 その後、小原慎一神奈川平和センター事務局次長の特別闘争報告、韓国からの海外ゲストの連帯あいさつ、鹿児島への原水禁・非核平和行進タスキ引き継ぎ式が行われました。 小原次長は、米海軍横須賀基地への米原子力空母配備問題の経緯を説明。 住民投票条例請求が市議会で否決されたことを挙げ「原子力空母を認めれば、住民の安全が脅かされることはもちろん、イラク戦争にさらに加担することになる。 沖縄のこの熱気を基に運動を展開したい」。 韓国で市民運動に取り組むインチョン労働文化祭組織委員会幹部のイ・ウンジンさんとキム・ヨンテクさんは「沖縄を歩いて、韓国と同じ状況だと感じた」「皆さんとともに平和な世界に向けて活動していきたい」と連帯の重要性を訴えました。 そして、平和行進各コース団長・本土代表報告が行われ、最後に崎山議長のガンバローで終了しました。 行進への参加者はのべ7000名でした。